2010-01-01から1年間の記事一覧

続・連絡運輸乗継割引の歴史

5月13日の記事に関連して、読者から営団地下鉄と連絡各社局との乗継割引の歴史が「東京地下鉄道半蔵門線建設史(水天宮前〜押上)」に書かれているとの情報を頂いた。 図書館で借り出して調べてみると、135ページの「表30 乗継割引制度適用区間一覧」に都営…

京成成田空港線開業

京成成田空港線が昨日開業し、英語ページのRailway NewsとRailways of Japanを更新した。 空港線の運賃体系についてはこのブログで何度かとりあげたが、本線と共用する空港第2ビル・成田空港間の線路名称がどうなるかについても興味があった。京成のプレス…

日本鉄道旅行歴史地図帳

大ヒットした新潮社の「日本鉄道旅行地図帳」の後継シリーズ、「日本鉄道旅行歴史地図帳」が5月スタートした。前シリーズは路線及び駅の変遷データが充実していたが、新シリーズは「”地図になった”列車の過去と現在」というキャッチフレーズで、列車の変遷…

京成空港線運賃の遠距離逓減度

北総鉄道の運賃値下げを実現する会(北実会)と京成との公開質問状のやり取りは興味深い。 北実会の主張は、京成が第1種事業者である北総鉄道に対して支払う線路使用料が不当に安いため、北総の運賃値引きが十分でない、というものである。その理由として、…

北総鉄道の運賃問題その後

北総鉄道の高額運賃問題については、昨年11月県と沿線6市が年3億円を補助し、5%弱を値下げすることで合意した。これに基づき、2月19日、京成新空港線開業と同時に実施される改定運賃が発表されたが、その後も問題はくすぶっている。 白井市議会は3月の定…

上海地下鉄の30分ルール

上海地下鉄のネットワークは、ロンドンを抜いて世界一となった。ロンドンと同様、延々とラッチ内の通路をだどって乗り換える駅が多い。その中で、1号線と10号線が接続する陜西南路駅はラッチ外乗継で、ホームに次の掲示があった。 ・交通カード(ICカード)…

連絡運輸乗継割引の歴史

5月9日の記事に西武沿線さんからいただいたコメントを受けて、初乗り運賃区間等の事業者間の乗継割引(急行料金の乗継割引と区別するため、連絡運輸乗継割引と呼ぶことにする)の歴史を調べてみた。 昭和58年度運輸白書に乗継運賃制度の拡充という項があり、…

JR東日本の乗継割引

昨日、デスクトップ鉄のデータルーム、パスネットの不思議の首都圏乗継割引設定区間の漏れを補って、更新した。 ところで、JR東日本と民鉄との乗継割引は、ほぼ次のとおり設定されている。 対象接続駅:普通乗車券の連絡運輸の取扱いのある電車特定区間内に…

選択乗車のルーツ

先日紹介した大正11年の旅規細則に、選択乗車のルーツと思われる規定を見つけ、JR旅客制度特例の変遷に加筆し、更新した。 次の区間であるが、双方向の選択乗車ではなく、経路が連続するA・B間の乗車券を所持する旅客がA・B間に代えてA・B'間またはA'・B間を…

続々・大正時代の環状線の運賃計算

最後に第3項 3 環状線の一部が他の環状線の一部となり二箇以上連続せる環状線の外郭を旅客が各箇に付四分の三以上に亙り迂回乗車するときは、其の外郭を以て一箇の環状線と看做す。 の例。 例4 長野−直江津−米原−名古屋−塩尻−新宿−池袋−赤羽−大宮−篠ノ井 共…

続・大正時代の環状線の運賃計算

昨日に続き、環状線運賃計算の3/4ルールについて。もうひとつ第1項の例を。 例2 木津−京都−綾部−福知山−神崎−大阪−京橋−長尾 二つの環状線があるが、Bは乗車距離が環状線距離の3/4を超えないので、Aだけに3/4ルールを適用する*1。 (1)乗車哩168.0 (2)A環状線…

大正時代の環状線の運賃計算

国鉄ではじめて制定された旅規は、大正9(1920)年10月鉄道省告示第99号の「国有鉄道旅客及荷物運送規則」である。それまでの「旅客運賃及び料金規程」、「乗車券並乗車船券通用期間」等の単行規程を整理統合し、一本化した。「国有鉄道旅客及荷物運送取扱細…

北総の割引運賃等−本日のウェブ更新

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旧聞に属するが北総鉄道は、2月19日プレスリリースで、千葉県及び沿線自治体との合意に基づき、7月17日の京成成田空港線開業日から実施する運賃を国土交通省に届け出たと発表した。遅ればせながら、鉄道事業者の運賃比較に、この割引運賃について追記した。…

井上ひさし氏逝去

井上ひさしさんが亡くなった。なぜデスクトップ鉄が井上ひさしなんだという疑問に答えて、鉄道の話題につなげてみよう。 小説「吉里吉里人」は上野発の夜行急行「十和田3号」に乗車していた作家と編集者が一ノ関の手前で、吉里吉里国の独立騒動に巻き込まれ…

海外の鉄道旅客運送約款

5−6年前に海外の鉄道旅客運送約款をインターネットで検索したことがある。そのときはまったく見つけられなかったが、あらためてトライしたらヨーロッパを中心に、かなりのサイトが検索できた。そのリストを旅規ポータルの旅規リンク集に掲載した。 個別運…

宮脇俊三@日本の偉人フェア

神保町の三省堂書店本店1階に「難局を打破した偉大な先人に学ぶ 日本の偉人フェア」というコーナーができている。歴史、文学、政治・経済、思想・哲学、音楽・芸術、科学・医学、スポーツの各分野で41名、40組(長嶋茂雄・王貞治が1組)が取り上げられ、そ…

平成の大合併終了

財政上の優遇措置によって合併を促進した合併特例法の期限が切れ、「平成の大合併」は昨日の長岡市の川口町編入、松本市の波田町編入、佐世保市の江迎町・鹿町町編入をもって終結した。デスクトップ鉄のデータルームでは、2004年9月に開設した市代表駅、町村…

フリーきっぷのページ更新

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本日は、英語ページのFree-ride Ticketsを更新し、リストに春の各種フリーきっぷを追加した。 JR東日本は、土日きっぷに代えて4月からウィークエンドパスを発売する。年末年始に発売した「ふるさと行きの乗車券」と同じで、追加料金を払えば新幹線・特急にも…

3月13日の旅規改正

東海道本線品鶴支線の武蔵小杉駅開業に伴う旅規改正は、軽微なものにとどまったようだ。湘南新宿ラインの新川崎・西大井と大崎以遠間の運賃は、列車が通過する旧蛇窪信号場・大崎間の短絡線よりも3.1キロ長い品川経由の営業キロで計算されているが、今回も是…

首都圏普通列車グリーン車のラッチ内乗継

昨日の本館に続いて、本日は別館「旅規ポータル」の等級制からモノクラス制へを更新した。 首都圏の普通列車グリーン車のラッチ内乗継は、2004年10月16日旅規及び基準規程に規定されたが、それ以前のローカルルールについて、読者から情報提供を受けた。おそ…

3月13日以降の最長片道切符ルート

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3月13日の東海道本線品鶴支線武蔵小杉駅の開業により、JRの最長片道切符ルートが変わる。「・・・武蔵小杉−品川−川崎−尻手−浜川崎−鶴見・・・」の新ルートは、かなり前からウィキペディアなどで発表されていた。エクセル・ソルバーの師匠近藤英明氏が「EXCEL…

周規改訂履歴−本日のウェブ更新

12月30日の記事で予告した「周遊旅客運賃割引規程」・「周遊割引乗車券発売規則」の変遷、本館の「鉄道事業者の運賃比較」執筆のため遅れてしまったが、本日、1967年4月1日までの周規改訂履歴を掲載した。同時に日本国有鉄道周遊割引乗車券発売規則(1967年4…

鉄道事業者の運賃比較ー本日のウェブ更新

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デスクトップ鉄のデータルームに、久々の新コンテンツ鉄道事業者の運賃比較を掲載した。2-3年前から、キロと運賃の関係を回帰分析し、鉄道運賃を初乗り運賃レベルと運賃上昇勾配に分け、これを「ものさし」として各事業者の運賃の高低を比較しようと考え、準…

鉄道事業者の運賃体系比較

先日の記事で、京成空港線の極端な遠距離逓減運賃を分析するために、千葉県内を中心とした18事業者のキロと運賃の関係をy = a + bxの一次式に回帰して、a(初乗り運賃のレベル)とb(上昇勾配)の二つの要素に分けてプロットしたグラフで分析した。なお、前…

続・京成成田空港新線の運賃体系

12月17日の記事で、京成成田空港新線の運賃体系について 筆者は、北総線及び京成本線の運賃との整合性をとりながら、都心と空港間の運賃を抑えるために、上野・日暮里と空港第2ビル・成田空港との間に特定運賃が設定されるだろうと予想していた。しかし、京…