上海地下鉄の30分ルール

上海地下鉄のネットワークは、ロンドンを抜いて世界一となった。ロンドンと同様、延々とラッチ内の通路をだどって乗り換える駅が多い。その中で、1号線と10号線が接続する陜西南路駅はラッチ外乗継で、ホームに次の掲示があった。

・交通カード(ICカード)使用のときは、30分以内に乗換
・片道乗車券使用のときは、改めて乗車券を購入
という内容である。


片道乗車券公共交通カード
上海では、片道乗車券もリサイクル使用のICカードであり、公共交通カードと同様改札機にタッチして入場する。出場するときは、交通カードはタッチだが、片道乗車券はスロットに投入する。東京の地下鉄のオレンジ色の改札機のように、ラッチ外乗継時に乗車券を吐き出すことはない。
同様のラッチ外乗継は、高架の3号線と接続している上海南駅、上海駅、虹口足球場駅等にもある。2002年頃上海南駅で1号線と3号線のラッチ外乗継をしたことがある。このときは切符を買いなおしたが、当時は、高架の3号線は、地下鉄1、2号線とは異なった運賃体系だったように記憶している。
自動券売機では、タッチパネルで目的駅を選択すると運賃が表示され、金額を投入して乗車券を購入する。乗換駅がラッチ外乗継であっても最短距離の運賃が表示され、ホームの掲示のような案内はない。営団ラッチ外乗継事件顛末記の1998年当時、営団の券売機の運賃表示がラッチ外乗継時の運賃を正しく表示していなかったのを思い出した。
ただ上海地下鉄としては、ラッチ内乗換駅で乗継げばすむ話と、単純に考えているのかもしれない。ラッチ内乗継駅で乗り換えるために折返し乗車をするのが許されるだろうか、などと考えるのは、片道乗車券の発売要件に毒された、日本の旅規マニアだけかもしれない。4月10日の記事に書いたように、一筆書きならどんなう回ルートや環状線一周ルートでも発売する片道乗車券というのは、世界ではきわめて特殊な制度である。
なお、上海地下鉄の路線、駅については、ウィキペディアが充実している。ラッチ外乗継についても記載されているが、片道乗車券の運賃通算打切りは書かれていない。