3月13日の旅規改正

東海道本線品鶴支線の武蔵小杉駅開業に伴う旅規改正は、軽微なものにとどまったようだ。湘南新宿ライン新川崎・西大井と大崎以遠間の運賃は、列車が通過する旧蛇窪信号場・大崎間の短絡線よりも3.1キロ長い品川経由の営業キロで計算されているが、今回も是正されなかった。
変更になったのは、第157条第24号の品川・小田原間の新幹線と在来線の選択乗車区間である。

品川以遠(田町又は大崎又は西大井方面)の各駅又は西大井若しくは新川崎と、小田原以遠(早川方面)の各駅との相互間(品川・横浜間、品川・新横浜間)(小田原・横浜間、小田原・新横浜間)

従来の「西大井若しくは新川崎」を「西大井方面」に変更して、武蔵小杉及び武蔵小杉で乗り継ぐ南武線方面にも適用を広げたものである。
ところで、「品川以遠(西大井方面)」には鶴見以西の東海道本線も含まれる。したがって、例えば大船発静岡着(品川・新幹線経由)の乗車券で、品川・小田原間を在来線に乗車することができ、大船・品川間が複乗となる。これは「西大井方面」という表記の問題ではない。従来からの「大崎方面」でも、平塚発相模線・横浜線・中央線・山手線・新幹線経由小田原以遠の乗車券で、品川から在来線に乗車すれば平塚・茅ヶ崎間が複乗となる。新幹線と在来線−同一路線扱いの虚構と矛盾で指摘した、新在別線区間に選択乗車を適用することによる矛盾である。
一方、JR九州福岡市交通局とのIC乗車券の相互利用が始まった。博多・姪浜間を中間にはさむ通過連絡運輸がSugocaにも適用されるか、注目していたが、約款第55条第2号に次のとおり規定された。

(2) 旅行開始駅及び旅行終了駅が当社線の駅であって、両駅間の経路に福岡市交通局高速鉄道線を含む場合
乗車区間に対する運賃は、旅客規則第68条第1項第2号の規定を準用し、前後の当社線区間営業キロ擬制キロ又は運賃計算キロを通算して算出した当社線の片道普通旅客運賃相当額と福岡市交通局の定める片道普通旅客運賃相当額との合算額とします。この場合、乗継ぎのために博多駅で出場する際には、当社線又は福岡市交通局高速鉄道博多駅までの片道普通旅客運賃(以下「一時減額運賃」といいます。)を減額し、旅行終了駅での出場時には乗車区間に対する運賃と一時減額運賃とを比較し、不足額を減額します。なお、福岡市交通局高速鉄道博多駅までの一時減額運賃は前号の規定により算出します。

博多駅の自動改札出場時は博多までの運賃を減額するが、最終降車駅で通過連絡運輸を適用して差額を調整する。メトロと都営の乗継割引方式と同様の調整方法である。