2026年夏・秋の運賃改定

2026年4月以降10月1日までに次の事業者が運賃改定を行った*1。これを反映して鉄道事業者の運賃比較及び別表 事業者(路線)別データを2026年10月版として更新した。

事業者 実施時期 改定率
(普通・通勤定期・通学定期)
リリース
(申請・認可)
山万 2026/06/13 30.0% 40.0% 30.0%   2026/05/15
樽見鉄道 2026/07/01 11.9% 10.0% - 2025/03/25 2026/05/25
和歌山電鐵 2026/07/01 16.1% 25.4% 15.9% 2026/04/30 2026/06/12
筑豊電気鉄道 2026/07/18 5.2% 5.9% 5.0% 2025/04/11  
鹿児島市 2026/08/01 17.7% 17.7% 17.7% 2026/04/20 2026/07/03
愛知高速交通 2026/09/01 14.0% 15.0% 12.8% 2025/09/22 2025/12/18
高松琴平電気鉄道 2026/10/01 15.4% 15.6% 6.4% 2026/05/18 2026/07/31
南阿蘇鉄道 2026/10/01 10.7% 10.8% 15.1% 2026/08/06 2026/09/10

筑豊電気鉄道は、認可されていた上限運賃への変更だが、距離と運賃が逆転することがある区間制運賃なので「鉄道事業者の運賃比較」の回帰分析と運賃ランキングの対象にしていない。

このほか、大井川鐡道井川線は、旅行商品として販売する観光列車化し、片道運賃相当額が3,500円となった。大井川鐡道のトロッコ列車に乗るによると、全線5往復のうち1往復だけ、千頭〜接岨峡温泉間に従来の普通運賃で乗車できる一般車両を連結している。このため普通運賃の対象区間が千頭~井川間の26キロから千頭~接岨峡温泉間の16キロとなり、回帰分析範囲及び対戦するキロ帯が減少、運賃ランキングでは順位を上げた。

また、10月1日黒部峡谷鉄道運休区間が復旧し、クイズページの全国の鉄軌道路線リストを更新した。

*1:鋼索鉄道は含まない

くま川鉄道全線復旧、2駅改称

2020年7月の豪雨で罹災したくま川鉄道が本日全線での運行を再開し、あわせて2件の駅名改称が行われた。川村が移転し相良十島に改称、東多良木が多良木青蓮寺に改称した。これに伴い次のページを更新した。

2025年は駅名改称がなかった。2024年10月1日の長崎電気軌道スタジアムシティサウス、スタジアムシティノース以来2年ぶり。

全国の鉄道旅客駅リストに長野県内のJR東日本中央本線の駅番号が漏れていたことに気づき追加した(全国のJR駅リストも)。

追記(9月21日):コメントいただいたように、くま川鉄道が第二種事業者に変更になった。国土交通省が昨年10月24日鉄道事業再構築実施計画を認定していた(リリース)。全国の鉄軌道路線リストに追記、更新した。

第25回日本鉄道賞

第25回日本鉄道賞が9月18日に発表された。大賞はJR九州、特別賞3件のうち2件はJR東日本が(1件は子会社と共同で)受賞し、もう1件のIRいしかわ鉄道を含め受賞者はすべて鉄道事業者となった。応募件数は記載されていない。

賞 受賞者 件名
大賞 九州旅客鉄道 つばめの大冒険~九州新幹線全線開業15周年プロジェクト~
特別賞 東日本旅客鉄道 営業列車を活用した短時間でのデジタル空間上での点検手法の構築
特別賞 IRいしかわ鉄道 「子育て応援スマイルきっぷ」をはじめとしたなかなかいいね!と言われる鉄道会社を目指す取り組み
特別賞 東日本旅客鉄道、ジェイアール東日本物流 はこビュン 荷物専用新幹線による大口荷物輸送サービスについて

受賞者がすべて鉄道事業者といっても、新線開業・新車両といった案件はない。大賞のJR九州の「つばめの大冒険」は、2016年の熊本地震で被災した800系新幹線を復活し、海路・陸路で九州各地を巡るというプロジェクト。JR東日本の特別賞「営業列車を活用した短時間でのデジタル空間上での点検手法の構築」は、「営業列車の運転席の窓に小型機器を取り付け、接触限界をパソコン上に再現し点検できる画期的な仕組み」とのことだが、直接該当するウェブ情報は見つからなかった。

過去の大賞受賞件名*1は次のとおり。

年度 受賞者 件名
第1回(2002) JR東日本 Suica(スイカ)導入
岡山電気軌道 「MOMO」導入と併せて地元と協力した活性化
第2回(2003) 阪急電鉄 バリアフリー阪急伊丹駅
三陸鉄道 イベント車両の活用による三陸沿岸の観光振興
第3回(2004) 錦川鉄道 「とことこトレイン」による地域活性化
JR九州、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、鉄道情報システム 新八代駅での新幹線・在来線の同一ホーム対面乗換えと乗車券・特急券の1枚化
第4回(2005) 鉄道貨物協会 「エコレールマーク」創設、モーダルシフトの取り組み
井原鉄道 駅の多目的利用等による鉄道の利用促進
第5回(2006) 富山ライトレール 地域に密着した安全・安心・快適で環境にやさしい公共交通
第6回(2007) JR東海、JR西日本 新幹線N700系(利便の向上と省エネによる環境負荷軽減)
第7回(2008) PASMO協議会、関東ICカード相互利用協議会 電車も バスも PASMO 首都圏を一枚で
第8回(2009) 阪神電気鉄道、西大阪高速鉄道 神戸・難波・奈良、つながる。阪神なんば線開通!
第9回(2010) 京成電鉄、成田高速鉄道アクセス、鉄道建設・運輸施設整備支援機構 JAPAN SPEED 日本の空港アクセスを世界クラスへ
第10回(2011) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州 新幹線でつなげよう、日本!~新青森・鹿児島中央間全通~
第11回(2012) JR東日本 国指定重要文化財である丸の内駅舎を創建当時の姿に復原します
第12回(2013) 東京地下鉄、東武鉄道、西武鉄道、東京急行電鉄、横浜高速鉄道、「メグ会」直通線隊ゴセンジャーの普及を楽しむ会 首都圏民鉄5社7線による広域速達タイプの相互直通運転
第13回(2014) JR東海 東海道新幹線の 50 年 ~「進化」へのたゆまぬ努力と着実な実績~
第14回(2015) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR東日本、JR西日本、長野県、新潟県、富山県、石川県 沿線自治体との緊密なパートナーシップによる北陸新幹線金沢開業
第15回(2016) JR西日本 『生きている』鉄道文化の長期保存と魅力ある展示」
第16回(2017) 東京地下鉄 ニッポンの地下鉄誕生より90年:そのたゆまぬ努力と成果
第17回(2018) 阿里山森林鉄路(海外鉄道特別賞)  
第18回(2019) 明知鉄道 全国の鉄道をつなぐ「鉄カード」を目指して!!
第19回(2020) JR東日本 全線運転再開~沿線の方々の思いを乗せて再びつながった常磐線~
第20回(2021) JR東日本、JR東海、JR西日本、鉄道総合技術研究所、防災科学技術研究所、海洋研究開発機構 世界で初めての海底地震計を用いた新幹線地震早期検知の開発・導入とその効果~ 地震に対する新幹線の安全性向上に向けて ~
第21回(2022) JR東海 飛騨・南紀の魅力も満載 国内最速 新型ハイブリッド車「HC85系」
第22回(2023) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構、 相模鉄道、東急電鉄 新横浜線開業!つながる!相鉄線・東急線 
~総延長約250kmにおよぶ広域鉄道ネットワークの形成~
第23回(2024) JR西日本 特急「やくも」~沿線の文化・風景・自然とお客様、鉄道が交感する列車~
第24回(2025) 神戸市交通局 KOBE KAWARU ACTION 駅から神戸をよくしよう

 

*1:第1回から第4回は、日本鉄道賞として2件受賞、第17回は、海外鉄道特別賞と日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞2件

「JR旅客制度特例の変遷」更新

JR旅客制度特例の変遷を更新した。9月13日の記事で紹介した2026年3月14日現行のJR九州旅客営業取扱基準規程で、旅規に移行せず、基準規程に残されている他経路乗車と区間外乗車の特例を確認し、反映した。

第155条(併用乗車券による他経路乗車の取扱いの特例)で、おおさか東線開業に係る大阪市内駅から外れた加美・久宝寺間及び新加美・久宝寺間の区間外乗車が追加されていたのを確認した。また西九州新幹線開業に伴い、浦上・長崎間に係る区間外乗車の取扱いの特例が新設され、第151条の4に規定されていた。

あわせて旅規ポータルのJR東日本旅規改訂履歴(条項順)・(日付順)に、8月24日付で公告された10月1日の改定を記載した(昨年11月20日付公告は記載済み)。旅行商品として発売される列車のグリーン料金の規定がメイン。

旅客営業取扱基準規程の最新版

知人からの情報で旅客営業取扱基準規程の最新版がウェブに掲載されていることを知った。
基準規程の部屋という個人のサイトに、2026年3月14日現行のJR九州旅客営業取扱基準規程及び旅客連絡運輸取扱基準規程(別表の福岡市交通局高速鉄道線の項を含む)が掲載されている。JRが内部文書として公開していないものである。

福岡市交通局に情報公開請求し、姪浜駅に常備されている文書を入手したとのことで、同ページからリンクしているブログの連絡運輸と開示請求に入手までの経緯が示されている。連絡運輸の範囲を知るために旅客連絡運輸取扱基準規程別表を入手したいと思い、情報公開の手段をとることにし、国土交通省中部運輸局、同東北運輸局、東京都交通局などにあたったが、不存在などの理由で入手できなかった。福岡市のサイトにたどりつき「福岡市情報公開条例の解釈及び運用」に公文書の対象が

一般的には、福岡市公文書の管理に関する規則(平成14年福岡市規則第82号)の規定等により管理・保存されている文書等が該当するが、共用のファイリングキャビネットや書庫等に保存されているものは、当該規則等の規定によらないものであっても、「組織において利用可能な状態で保有されているもの」とみなす。

と規定されているのを見つけ、「姪浜駅事務室もしくは交通局本局において保管されている、九州旅客鉄道株式会社が作成した、旅客営業取扱基準規程、旅客連絡運輸取扱基準規程(別表含む)」で開示請求をかけ、首尾よく入手できたとのこと。情報公開制度でJRの内部文書を入手しようという発想とそのための努力には頭が下がる。

基準規程は国鉄時代鉄道公報で公開されていた。JRになってからも、旅客営業規則とセットで出版社から刊行されていた。旅規ポータルには最終刊行された、2011年3月12日現行のJR東日本旅客営業取扱基準規程を掲載しているが、これ以降の基準規程を見たことがない。旅客との契約関係にかかわる運賃・料金などの基準規程の条項は、その後かなり旅規に移行したが、最新版がどうなっているのか読んでみたい。個人的には旅客連絡運輸取扱基準規程別表に興味があるが、福岡市の担当者は姪浜駅も本局も探したが福岡市交通局の分しかなかったとのこと。

第24回全国のJR駅五番勝負(難易度分析)

第24回全国のJR駅五番勝負の結果を反映して次のページを更新した。

回別総合難易度は24回中22位で、難易度が低い(解答者の成績が良い)回となった。とくに銅メダル平均所要時間が23位とよく、誤答率は18位、完答所要時間は16位だった。難易度が低いのにメダルラッシュにならず、金メダルが5名に分散したのは、解答者によって得意な問題がわかれ、問題間の難易度差が縮小し、また完答順位上位の解答者3名が一発完答を狙ったためと思われる。

問題別総合難易度は、問二がC難度、問三・四・五がB難度、問一がA難度。指標ごとにみると、次のとおりとおりばらばらだった。

総合難易度 問二>問三>問五>問四>問一
金メダル所要時間 問五>問一>問三>問二>問四
銅メダル所要時間 問五>問二>問三>問一>問四
10位所要時間 問四=問五>問二>問三>問一
誤答率 問二>問三>問四=問五>問一
完答者正答順 問二>問一=問三>問五>問四
出題者想定 問五>問一>問二>問三>問四

完答者正答順は、完答者12名の問題別正答順位を合計15になるように数値化したもの。なお一発完答のNさんと海辺を飛ぶ鳥さんが解答判明順を示されたので、それに従った。

  解答者 問一 問ニ 問三 問四 問五 計 相関係数
1 勿来丸 3 3 3 3 3 15  
2 おがちゃん 3 1 4 5 2 15 -0.718
3 N 5 4 1 3 2 15  0.296
4 かしわ 4 3 2 1 5 15  0.254
5 やまやま 4 3 5 1 2 15  0.634
6 海辺を飛ぶ鳥 2 5 4 3 1 15  0.592
7 鳴子こけし 4 4 4 1.5 1.5 15  0.854
8 いくさべゆうと 3 5 2 1 4 15  0.718
9 白桃 2 3 1 4.5 4.5 15 -0.585
10 未開人 3 3 3 3 3 15  
11 高準 1 4 5 2 3 15  0.423
12 ばなし 3 3 3 3 3 15  
  平均 3.083 3.417 3.083 2.583 2.833 0.312 ←平均の標準偏差
  標準偏差 1.084 1.084 1.379 1.329 1.212 1.217 ←標準偏差の平均

解答者の正答順位が変動し、得意な問題が異なったことを示す。第23回も正答順位差が小さかったが、平均順位の標準偏差は第23回の0.557から0.312とさらに低下、問題間の難易度差が縮小した。

 

 

第24回全国のJR駅五番勝負(終了)

今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。共通項を発表し、第24回全国のJR駅五番勝負を終了します。

問題 共通項 想定解数
問一 駅の住所に駅前を含む駅 46
問二 1926年に既存路線に新設された駅 29
問三 末尾に1字追加すると別の駅が複数できる駅(表記1字駅を除く) 30
問四 共同使用の他社に管理を委託している駅 39
問五 対応する国名駅(表記・読み一致)がすべてJR以外の駅 58

問一と問四は今回始めて出題したジャンルでした。ヒント提示前に正答数が36に達し、メダル完売と順調でしたが、ヒント提示後失速しました。全想定解を記載した全国のJR駅五番勝負想定解・解説 をこのあと掲載します。想定解の漏れがあれば、ご指摘ください。以下、問題別に。

問一。駅の住所は初めての出題なので、非該当駅のヒントを手厚くした。弘前は、駅付近に町丁名「駅前」があるが駅の住所が異なる例。岡山の住所は駅元町だが、岡山駅前電停がある(第6回問三)。博多駅近くにあるJR九州本社の住所が博多区博多駅前3丁目。なお全駅の住所をウェブで公開しているのは本州3社だけなので、三島会社はWikipedia記載の住所に従った。

問ニは記憶に新しいと思われる第18回鉄道路線五番勝負問二(100年前に開業した区間が存続している路線)のリメイク。前回第3ヒントに提示したWikipediaの1926年開業駅リストが既開業路線に設置された駅を含んでいたため、誤答が続いた。今回は逆に、既存路線にあとから設置された駅を出題し、1926年相模線の延伸開業時に同時開業した厚木を非該当に(相模線は路線五番勝負の問題)、第3ヒント提示後誤答となった西武池袋線(元加治駅)とハピラインふくい(春江駅)を非JR該当駅ヒントに提示した。しかし結果的に路線と同時開業の駅の誤答が相次ぎ、今回の最難問になってしまった。
非該当竪堀の旧駅は1926年既設区間開業だが、1966年路線の付け替えで移転した。

問三。第16回問二(前方一致の駅名が複数ある駅)の部分集合で、想定解が50駅から30駅に減った。前回は前方一致で10駅あった日向を問題にしたが、1字追加では1駅だけになり今回は非該当に提示した。

問四も始めて出題した分野。「甲府(JR東海・身延線)」から共同使用の管理委託に気づくだろうと想定した。金・銀・銅メダルとも第1号は問四で、鉄分の濃い解答者にとっては易しい問題だったようだ。出題時の注意事項の「2事業者の共同使用駅については、いずれかの事業者または路線のみが該当する場合を除き、どちらの事業者名・路線名でも有効とします」の「路線」を今回追加した。八戸駅や富山駅などは、JRが新幹線の駅業務だけを担当し、在来線を第3セクターにゆだねていて、この例として「糸魚川(JR西日本・大糸線)」を出題した。

問五は、沼田を提示し石狩沼田→国名駅→相模沼田→私鉄国名駅へと誘導したつもり。非該当の竹原はJRに国名駅がある例、高城は読みが異なる例として提示。

感想をいただけると幸いです。一発完答など、同時に複数問題を正答した解答者は、共通項にたどり着いた順序を申告していただくとありがたいです。

次回の第19回全国の鉄道路線五番勝負は、10月30日に開始する予定です。

追記(8月14日):国鉄時代は「停車場一覧」に駅の開業日が記載されていたのを思い出し、1985/09/25日本交通公社発行の1985/06/01現在版をチェックした。驚くことに、武蔵小金井が正式駅の開業日、竹岡、江島、山城青谷が仮駅開業日で、いずれも1926年になっていた*1。武蔵小金井と他の3駅の仮駅の扱いが異なる理由はわからないが、想定解をもとのままにしておく根拠になった。しかし、非該当に挙げた竪堀の開業日は線路付け替え前の1926/03/08だった。
問題駅をすべて4月開業、鉄道省の駅にしたのは、路線・駅同時開業のため厚木駅を非該当とした理由の説明にもならず、大きなミスだった。問題駅のいずれかを宮城野原(1926/01/01、宮城電気鉄道)に代え、八森(1926/04/26、鉄道省)を非該当駅にすべきだった。

コメントに対しJR駅一覧の開業日の記載を検討すると書いたが、現在は「停車場一覧」のような公的資料がない。また駅の移設をどこまで考慮するかも難しい。なお、「停車場一覧」の横浜駅は、3代目駅開業の1915/08/15になっていた。

*1:日出塩と銀水の開業日に転記ミスがあり訂正したが、1926年開業は変わらない