SL人吉の座席指定料金

JR東日本旅規改訂履歴(条項順条項順)を更新した。運休中の肥薩線に代わり、5月1日から熊本・鳥栖間に運転されるSL人吉の座席指定料金改定に伴うもの。139条の3(座席指定料金の特定)4号のJR九州の特定料金が840円から一挙に1,680円と2倍になった。もちろん、各社の特定料金のなかで最高額である。

139条の3の特定座席指定料金は1969年5月10日のモノクラス制移行時に、通常料金の300円に対し期間を限定して100円に特定したものである(1987年4月1日の民営化時には、500円と300円)。2004年3月以降、JR北海道JR九州を皮切りに、各社の「別に定める列車」に通常料金より高額の特定料金が導入されるようになった。昨年12月1日JR西日本の「Aシート」の座席指定料金が840円となり、「別に定める列車」の特定料金はJR四国を除きすべて通常料金よりも高額になった。閑散期の特定料金として始まった制度がSL牽引列車の指定席等に適用され、条文の趣旨が変わった。当初の趣旨は第5号の「前各号以外で、第57条の3第1項第1号の規定により発売する場合は、別に定める場合を除き330円とする」に残るだけとなった。

無料入場券

JR東日本は、入場料金を実質無料にする「タッチでエキナカ 入場券ポイントバック!キャンペーン」を期間限定で開始した(4月20日付プレスリリース)。JRE POINTに登録したSuicaで東京、品川、大宮の各駅に入場し、エキナカでの1,000円以上の買い物をSuica決済し、2時間以内に出場するとSuica入場サービスで減額する入場料金相当額の140ポイントを付与するというもの。

JR東日本ICカード乗車券取扱規則の3月改定で、57条の2(Suica入場サービス)が新設されたことに伴うもの。ICカード乗車券を入場券として使用する初めての制度で、JR東日本は、タッチでエキナカと案内している。

ところで入場料金が無料となる制度は、国鉄時代にもあった。新婚旅行客を対象とした全区間1等(モノクラス制移行後は、グリーン車)のことぶき周遊乗車券に、見送り客用の10枚の入場券が無償で交付された。近藤喜代太郎・池田和正「国鉄乗車券類大事典」(JTB、2004)に次のように解説されている。

「ことぶき入場券」とは、昭和42年(1967)2月、新婚旅行に専用された「ことぶき周遊券」の購入者に国鉄からの祝いとして10枚進呈されたものである。「入場券」というが、無賃で特定者(その新婚旅行者の見送り人)を入場させたので本券は入場証だった。しかし10枚以上は有料となったので、本件は入場証でもあり、入場券でもあった。(p449)

入場証とは、旅客営業取扱基準規程389条に無料入場者の範囲として規定されているものである。国鉄末期の1985年7月10日現行の389条は、次のとおりである。なお、2011年当時の規程は、第3号が削除され、第5号の鉄道管理局長が支社長に変更されている*1

(無料入場者の範囲)
第389条 次の各号の1に該当するものには、無料で入場させることができる。
(1) 天皇、皇后、皇太子、皇太子妃又は皇太后ご旅行の際の送迎者
(2) 職務執行中の警察官及び警察吏員
(3) 周遊割引乗車券発売基準規程第43条第1項に定めることぶき入場券所持者
(4) その駅で乗降できる鉄道乗車証所持者。ただし、新幹線停車駅であつて、新幹線用の改札が設けられている場合の当該改札から入場する場合を除く。
(5)前各号に定めるものの他、鉄道管理局長が特に指定した者

 当時の周遊割引乗車券発売基準規程第43条の2(第43条第1項は間違い?)は、次の規定である。

(ことぶき入場券の特殊発売等)
第43条の2 旅客が、新婚旅客に対してセットした周遊割引乗車券を購入して旅行する場合は、入場券に記念事項を表示した券片を附加したもの(以下、「ことぶき入場券」という。)を新婚旅客1組につき10枚を無料で交付する。この場合、入場駅名は記入式とし、旅客の希望によって記入するものとする。
2 前項に規定することぶき入場券を10枚をこえて旅客が希望する場合は、10枚を超えるものについて、所定により発行するものとする。
3 (部内規程のため省略)
(注)無料で交付することぶき入場券については、料金額を表示しない。

なお、この条文はモノクラス制移行時の1969年5月10日の周遊割引乗車券発売基準規程には見当たらず、その後規定されたものと思われる。また同時点の旅客営業取扱基準規程389条も次の3号が規定されているだけである。

(1)天皇、皇后、皇太子、皇太子妃又は皇太后*2旅行の際の送迎者
(2)職務執行中の警察官及び警察吏員
(3)その駅で乗降できる鉄道乗車証所持者

Googleでことぶき入場券を検索すると、はてなブログのページがヒットした。以前コメントをいただいた旅師エストッペルさんのページである。入場日が昭和42年3月5日のことぶき入場券の画像が掲載されている。無料交付制度が開始された直後に発行されたもののようだ。

*1:現行規定は不明だが、第1号に上皇上皇后皇嗣皇嗣妃が追加されているのだろうか

*2:85年当時はひらがなに変わっている

日高本線鵡川・様似間廃止

明日4月1日の日高本線鵡川・様似間廃止に関連して、データルーム本館とクイズの次ページを更新した。

今回廃止された区間には24駅があったが、日高町新冠町、浦河町、様似町、新ひだか町から鉄道駅がなくなった。町村代表駅とともに、市名と駅名の関係(市代表駅)を更新し、推移表に3月31日に時点の集計を記載した。

24駅には日高門別、日高東別、日高三石、日高幌別の4国名駅が含まれており、廃止により現存国名駅は591駅となった。北見、根室に続き日高からも国名駅が消えた。JR北海道の国名駅は8駅となり、9駅の小湊鉄道に抜かれ、名古屋鉄道とともに8位タイとなった。

3月13日付の駅の開業、廃止及び改称と併せて、クイズのページのJR駅名リストと鉄軌道路線リストを更新した。路線リストは、運休区間をアップデートした。水郡線等が復旧した一方、3月2日発生した土砂崩れでえちぜん鉄道勝山永平寺線山王・勝山間がバス代行になっている。 

また分水界を越える鉄道をひさびさに更新、2015年12月以降の路線の廃止、移管、駅の開業、廃止、改称を反映した。

 

 
 

旅規リンク集等更新

旅規ポータルの旅規リンク集を更新した。新たに掲載した鉄道事業者がはなかった。名鉄阪神は、いまだに約款をウェブ公開していない*12020年4月4日の記事の追記2に記載した、民法548条の2(定型約款の合意)への対応は問題ないのだろうか。

pdf版の旅規を掲載している事業者は、改定にあたってホルダーやファイル名を変更することが多く、デッドリンクの解消や、最新版リンク先の変更に時間を費やした*2。これは、同時に更新したJR六社旅規目次大手私鉄旅規目次及び第3セクター旅規目次の条文リンクも同じ*3。3月13日の改定で、140条の3(ホームライナー料金)が削除されたが、本州3社とJR九州は完全削除、JR北海道は条番号と見出しを残して本文削除、JR四国は「第140条の3 削除」と対応が分かれた。

JR東海が先鞭をつけた運送約款の改正履歴における改定条項の新旧対比は、JR九州JR東日本も掲載しているが、東武鉄道京阪電鉄もこれにならっている。相模鉄道運送約款改定履歴は、改定になった規則の名称だけである。

作成途中でアップしてしまった、本州3社のIC乗車券約款の10年前との対比を更新した。旅規と違い各社が独自に制定しているので、それぞれの特徴がでているのが興味深い。例えば免責条項は、JR東海がもっとも先進的で、過失責任は直接損害に限るが、重過失には適用しない(26条の2、39条)。JR西日本は故意または重過失を除き免責としている(23条の2、36条)。JR東日本は故意または過失による賠償責任に言及していない(18条)。

クイズページについても、泉外旭川駅の開業及び赤岩駅JR北海道の18駅の廃止を「全国のJR駅リスト」に、西武多摩湖線山口線の起終点変更を「全国の鉄軌道路線リスト」に反映する必要があるが、4月1日の日高本線鵡川・様似間廃止にあわせて更新するので、ご了解ください。

 

 

*1:日本最大のバス会社の神奈川中央交通も、一般乗合旅客自動車運送事業運送約款を公開していない

*2:urlが変更になったものは updated と表示した

*3:JR西日本はホルダーを、JR九州はファイル名を変更した

3月13日ダイヤ改正関連ウェブ更新

本日のダイヤ改正に伴う旅規改定を反映して、旅規ポータルのJR東日本旅規改訂履歴(条項順条項順)を更新した。また、本州3社のICカード乗車券規則を10年前の条項と対比したJR東日本ICカード乗車券取扱規則対比(2011vs2021)JR東海ICカード乗車券運送約款対比(2011vs2021)及びJR西日本ICカード乗車券取扱約款対比(2011vs2021)を掲載した。

データルームでは、西武鉄道秋田内陸縦貫鉄道が本日駅名改称したことに伴い、駅名改称の研究及び駅名改称 1987-2021を更新した。駅名改称の研究では、秋田内陸縦貫鉄道阿仁前田温泉駅を温泉駅に、本日開業のひたちなか海浜鉄道湊線美乃浜学園駅と3月21日開業予定の龍谷富山高校前(永楽町)を学園駅に追加した。なお、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインえちご押上ひすい海岸駅は国名駅と認定せず、国名駅関連ページは更新していない。

4月1日に日高本線鵡川・様似間と秋田臨海鉄道が廃止となる。町村代表駅および国名駅関連のほか、クイズページの全国の鉄軌道路線リストと英語ページのRailway News及びRailways of Japanを更新する予定。

追記(3月15日):コメントを受けて、都道府県境踏破及び国界を越える鉄道を駅名改称を反映して更新し、駅名改称1987-2021の誤記を訂正した。また、本州3社のICカード乗車券約款対比は、一部作成途中のファイルをアップしてしまったので、現在更新作業中。

 

第3回全国の鉄道路線五番勝負(難易度分析)

全国の鉄道路線五番勝負・難易度分析 (問題別回別)と全国の鉄道路線五番勝負・全想定解を掲載した。

問題別にみると、総合偏差値がもっとも高かったのは問四(新宿駅)で、全15問で3位にはいった。問一(なかぐろ)が15問中の最下位で、総合偏差値は34.683で唯一の30台だった。 回別では、第1回より易しく、第2回よりは難しいという結果になった。

5問の難易度を指標別にみると、10位の所要時間を除いて、問四の難易度がもっとも高く問一が低いという結果であった。前回の鉄道路線五番勝負と第12回JR駅五番勝負では、指標間で大きな差が出ていた。今回は問題ごとの難易度がはっきりしていたといえる。

総合難易度 問四>問三>問五>問ニ>問一
金メダル所要時間 問四>問三>問五>問ニ>問一
銅メダル所要時間 問四>問三>問ニ>問五>問一
10位所要時間 問三>問四>問ニ>問五>問一
誤答率 問四>問三>問ニ>問五>問一
完答者正答順 問四>問三>問五>問ニ>問一

完答者正答順では、全員が(複数回答を含む。以下同じ)問一を最初に解答し、6名が問四を最後に解答した

  解答者
1 やまやま 1 3 4 5 2 15
2 2.5 2.5 2.5 2.5 5 15
3 かしわ 1 3 5 4 2 15
4 戦部ゆーと 1 2 4 5 3 15
5 鳴子こけし 1.5 1.5 3 4.5 4.5 15
6 未開人 2.5 2.5 2.5 5 2.5 15
7 勿来丸 1 3 3 5 3 15
8 駿河の民 1 4 2 5 3 15
9 しみちょく 1 3 5 4 2 15
  平均 1.389 2.722 3.444 4.444 3.000  
  標準偏差 0.651 0.712 1.102 0.846 1.090  

問題ごとの難易度がはっきりしていたことは、完答者正答順の平均順位の標準偏差(バラツキ)が大きく、解答者ごとの正答順位の標準偏差が小さいことに表れている。この数値を第2回路線勝負及び第12回JR駅勝負と比較すると次のとおり。 

  第2回路線五番勝負 第12回JR駅五番勝負 第2回路線五番勝負
平均順位の標準偏差 0.863 0.188 1.113
順位の標準偏差の平均 1.109 1.244 0.880

 

第3回全国の鉄道路線五番勝負(終了)

共通項を発表し第3回全国の鉄道路線五番勝負を終了します。

問題 共通項 想定解数
問一 なかぐろ(・)を含む駅がある路線 18
問二 東西、南北のペア駅がある路線 36
問三 町村名と表記が一致する路線 45
問四 新宿駅発の列車がある路線(クイズ開催期間中に運転) 41
問五 地下鉄に直通する列車がある路線 46

全想定解を記載した全国の鉄道路線五番勝負想定解・解説 を後ほど掲載します。以下、問題別に。

問一の難易度は結構高いと思っていたが、予想外に開始後10分強でメダルが売り切れた。なかぐろの駅は23駅しかなく、うち21駅が2000年以降開業又は改称した。JRは吾妻線万座・鹿沢口だけで、これが1971年に初めて誕生したなかぐろ駅である。学校名の併称が8駅と3分の1強を占める。
非該当の山陽本線は、西川原駅名標等では西川原・就実となっているが、正式名称は西川原。

問ニは、3月13日に宗谷本線の南比布、北比布が廃止されるので急遽出題した。非該当の山陽本線西広島があるが、東広島は山陽新幹線*1東西線南北線が交差する東京メトロ飯田橋駅の案内標を画像ヒントに提示した。

問三は、第1回問四大学名、第2回問三ナンバープレートに続く路線名の第3弾。過去の2問と同様、今回も成績が良くなかった。
非該当の山陽本線は、平成の大合併前に岡山県山陽町(現赤磐市)と山口県山陽町(現山陽小野田市)が存在した。芝山鉄道線は、「鉄道」が余計。伊野線は、町名がいの町。
画像ヒントの内子駅と地図ヒントの弥彦駅は、リンク文字の内子町弥彦村に意味があった(弥彦駅の地図には、弥彦線の表記もある)。

問四は、JR駅五番勝負第11回問五(東京駅始発列車の終着駅)の類題であり、ここまで難問化するとは予想していなかった。JR東日本、京王、小田急、メトロ、都営の新宿駅を対象とし、始発に限定しなかった。非該当路線に西武・西武秩父線と西武・拝島線を提示、新宿三丁目駅西武新宿駅を外した。京王・動物園線は、本八幡駅発の急行が朝1本ある。内房線は、3月6,7日に臨時「新宿さざなみ」が運転されたので該当。
画像ヒントは、相鉄線内を走行する埼京線からのE233系。地図ヒントは小田急御殿場線直通特急「ふじさん」が通過する渡り線。

問五の地下鉄は、東西の両メトロと東京都ほか7市の公営地下鉄。問四の類題だが、地下鉄「に」直通する列車とした。関連問題であることを示すため、問四の非該当西武秩父線を問題駅に含め、出題した京王動物園線(都営新宿線からの直通列車があるが、逆方向はない)を非該当とした。地図ヒントは、日比谷線半蔵門線への直通列車がある東武北千住駅
今回もっとも易しいだとろうと予想していたが、メダルが売り切れたあと誤答が続いたのは意外だった。

明日以降、難易度分析と想定解分析を掲載します。例によって想定解の漏れ等がありましたらご指摘ください。次回は、6月に第13回全国のJR駅五番勝負を開催し、第4回全国の鉄道路線五番勝負は9月に開催します。

追記(3月9日):コメントありがとうございます。こちらで回答します。
Nさんご指摘の問ニ広電・宇品線及びとさでん・御免線は追加し、問五の小田急多摩線は削除した。本線と新幹線については、以前もコメント頂いたが、両者は異なると思う。東海道本線東海道線と略せるが、東海道新幹線東海道線ということはできない。このため、今回出題の際、【解答の対象・方法】に次の文章を追加した。

線名に本線・支線を含む路線はこれを除いた名称、地下鉄路線は号線名または通称名のいずれかが共通項になることがあります。

問四の京王・動物園線について、コメントがあったが、これが相模原線高尾線では上級解答者にすぐ見破られてしまう。出題ポリシーとしては、上級解答者がヒント前に完答するのを阻止し、最終的に参加者全員が完答できることをめざしている。このため、出題路線および非該当路線には、トリッキーな路線(問三も千代田線や井川線のように気がつきにくい路線)を含めた。また、解答者もかなりトリッキーな路線を解答していると思う。

勿来丸さんのコメント「問一・問二のような駅名絡みの問題は、非該当に長距離路線を入れられるとかなり難しいなと思いました」は、出題路線にいれても同じだろう。今回は、山陽本線を問一から問三までの非該当路線とすることにこだわった。

そのうえで、ヒントによって徐々に共通項に接近し、全員が完答できるように出題設計をしている。画像ヒントについては、飯田橋駅の案内標識が会心の作だった(本来なら仙台に行って、南北線東西線の路線図を撮りたかったのだが)。第1ヒントで半数くらいが、第2ヒントでほぼ全員が理解するという線をねらっている。しみちょくさんから問三の第二ヒント「町と村の名」は「町か村の名」にしてほしいとのコメントがあった。共通項の定義ならそうだろうが、あくまでもヒントなのでご了解いただきたい。

 
 
 
 

*1:JRの線路名称では、山陽本線(新幹線)だが、全国の鉄軌道路線リスト鉄道要覧の線名表記に準拠しており、これに従う