2021年度JR東日本駅別乗車人員

一昨日の記事に追記したようにJR東日本各駅の乗車人員2021年度が発表された。リストされているのは882駅で、2020年度の898駅から16駅減った。追加された駅はなく、川崎新町(南武)、姨捨篠ノ井)、花泉(東北)、広野(常磐)、塩沢(上越)、越後堀之内上越)、磐城棚倉(水郡)、野蒜(仙石)、柳津(気仙沼)、摺沢(大船渡)、津川(磐越西)、船越(男鹿)、湯瀬温泉(花輪)、府屋(羽越)、安田(信越)、分水(越後)が消えた。

新型コロナの影響が若干薄れ、20年度と比較できる882駅中669駅で乗車人員が増加した(増減0が5駅)。例年どおり、増減数と増減率のトップ10、ボトム10の駅を記載する。

まずは、増減数トップ10。2020年度に大きく減少した乗車人員のトップ10の駅が6駅ランクインした。吉祥寺は23位から18位、町田は32位から30位に順位を上げた(立川までは順位の変動なし)。回復率は2019年度の数字との比較だが、まだコロナ前のレベルには戻っていない。

  路線 都県 2021 2020 2019 増減数 増減率 回復率
1 新宿 山手 東京 522,178 477,073 775,386 45,105 9.5% 67.3%
2 池袋 山手 東京 407,490 376,350 558,623 31,140 8.3% 72.9%
3 渋谷 山手 東京 248,505 222,150 366,128 26,355 11.9% 67.9%
4 大宮 東北 埼玉 203,160 188,576 257,344 14,584 7.7% 78.9%
5 横浜 東海道 神奈川 303,759 290,376 419,440 13,383 4.6% 72.4%
6 東京 東海道 東京 282,638 271,108 462,589 11,530 4.3% 61.1%
7 高田馬場 山手 東京 150,734 139,544 208,024 11,190 8.0% 72.5%
8 立川 中央 東京 130,820 122,033 166,636 8,787 7.2% 78.5%
9 吉祥寺 中央 東京 107,875 99,319 141,849 8,556 8.6% 76.0%
10 町田 横浜 東京 86,227 77,722 110,899 8,505 10.9% 77.8%

次は増減率ボトム10。テレワークが継続しているためか山手線の東半分のオフィス街の駅が上位を占めた。

  路線 都県 2021 2020 2019 増減数 増減率 回復率
1 品川 東海道 東京 212,502 220,930 377,337 -8,428 -3.8% 56.3%
2 新橋 東海道 東京 167,406 175,368 278,334 -7,962 -4.5% 60.1%
3 浜松町 東海道 東京 96,933 102,663 163,644 -5,730 -5.6% 59.2%
4 大崎 山手 東京 103,733 108,842 177,095 -5,109 -4.7% 58.6%
5 田町 東海道 東京 98,213 102,704 158,839 -4,491 -4.4% 61.8%
6 新川崎 東海道 神奈川 20,666 21,904 30,255 -1,238 -5.7% 68.3%
7 大森 東海道 東京 68,751 69,857 96,314 -1,106 -1.6% 71.4%
8 有楽町 東海道 東京 102,785 103,759 167,748 -974 -0.9% 61.3%
9 向河原 南武 神奈川 6,758 7,686 12,385 -928 -12.1% 54.6%
10 日立 常磐 茨城 8,213 8,822 10,789 -609 -6.9% 76.1%

続いて増加率のトップ10。東北福祉大前は2020年度に大きく減少しており、対面授業の復活によるものと思われる。越後湯沢や軽井沢のリゾート地は別荘客が戻ったのだろうか。

  路線 都県 2021 2020 2019 増減数 増減率 回復率
1 ガーラ湯沢 上越 新潟 911 516 779 395 76.6% 116.9%
2 東北福祉大 仙山 宮城 2,472 1,560 3,579 912 58.5% 69.1%
3 金谷川 東北 福島 2,206 1,499 2,792 707 47.2% 79.0%
4 求名 東金 千葉 1,308 903 2,024 405 44.9% 64.6%
5 越後湯沢 上越 新潟 2,028 1,417 2,857 611 43.1% 71.0%
6 軽井沢 北陸(幹) 長野 2,601 1,960 4,050 641 32.7% 64.2%
7 上田 北陸(幹) 長野 1,442 1,107 2,776 335 30.3% 51.9%
8 相原 横浜 東京 7,521 5,785 10,407 1,736 30.0% 72.3%
9 上越妙高 北陸(幹) 新潟 1,003 773 2,100 230 29.8% 47.8%
10 甲斐大泉 小海 山梨 18 14 41 4 28.6% 43.9%

次に増加率ボトム10。乗車人員が一桁の駅が並び、意味ある数字ではない。

  路線 都県 2021 2020 2019 増減数 増減率 回復率
1 横倉 飯山 長野 7 12 10 -5 -41.7% 70.0%
2 平滝 飯山 長野 2 3 2 -1 -33.3% 100.0%
3 あきた白神 五能 秋田 9 13 29 -4 -30.8% 31.0%
4 宮古 山田 岩手 63 87 129 -24 -27.6% 48.8%
5 只見 只見 福島 8 11 19 -3 -27.3% 42.1%
6 森宮野原 飯山 長野 21 27 28 -6 -22.2% 75.0%
7 相野々 北上 秋田 7 9 10 -2 -22.2% 70.0%
8 宍戸 水戸 茨城 206 262 336 -56 -21.4% 61.3%
9 芦沢 奥羽 山形 32 39 44 -7 -17.9% 72.7%
10 袋田 水郡 茨城 56 68 59 -12 -17.6% 94.9%

次に回復率トップ10。2019年度に記載のない高輪ゲートウェイと江見を除く980駅を比較した。2021年度の乗車人員が2019年度を上回ったのは5駅だけ。羽沢横浜国大は2023年3月の東急直通線開業でどうなるか。

  路線 都県 2021 2020 2019 増減数 増減率 回復率
1 ガーラ湯沢 上越 新潟 911 516 779 395 76.6% 116.9%
2 東館 水郡 福島 60 54 54 6 11.1% 111.1%
3 羽沢横浜国大 東海道 神奈川 13,637 11,597 12,681 2,040 17.6% 107.5%
4 上小 水郡 茨城 34 29 32 5 17.2% 106.3%
5 二俣新町 京葉 千葉 4,985 4,669 4,983 316 6.8% 100.0%
6 平滝 飯山 長野 2 3 2 -1 -33.3% 100.0%
7 川部 奥羽 青森 261 260 265 1 0.4% 98.5%
8 磐城石川 水郡 福島 478 471 488 7 1.5% 98.0%
9 神俣 磐越東 福島 136 136 140 0 0.0% 97.1%
10 西条 篠ノ井 長野 177 170 184 7 4.1% 96.2%

次に回復率ボトム10。成田空港と空港第2ビルが1位と3位を占めた。2020年度以降空港第2ビルの乗車人員が成田空港を上回ったのは、海外旅行者以外が利用する施設があるのだろうか。

  路線 都県 2021 2020 2019 増減数 増減率 回復率
1 成田空港 成田 千葉 1,391 1,437 7,248 -46 -3.2% 19.2%
2 あきた白神 五能 秋田 9 13 29 -4 -30.8% 31.0%
3 空港第2ビル 成田 千葉 2,047 1,894 5,629 153 8.1% 36.4%
4 只見 只見 福島 8 11 19 -3 -27.3% 42.1%
5 甲斐大泉 小海 山梨 18 14 41 4 28.6% 43.9%
6 作並 仙山 宮城 74 85 166 -11 -12.9% 44.6%
7 新花巻 釜石 岩手 403 349 891 54 15.5% 45.2%
8 清里 小海 山梨 82 79 175 3 3.8% 46.9%
9 上越妙高 北陸(幹) 新潟 1,003 773 2,100 230 29.8% 47.8%
10 宮古 山田 岩手 63 87 129 -24 -27.6% 48.8%

JR東日本路線区間別通過人員

JR東海を除くJR旅客5社が、路線区間別通過人員を公開した。

JR東日本は、区間をかなり細かく分割し、全路線について1987年度から5年ごと及び2011年度から2020年度まで毎年のデータを開示し、5社の中で最も充実している*1

1987年度と2019年度及び2020年度、2019年度と2020年度の増減率のベスト10・ワースト10の路線は次のとおり。

# 路線 1987 2019 増加率 備考
1 京葉線 26,246 179,786 685.0% 1987年当時は西船橋~千葉みなと
2 相模線 9,268 29,412 317.4%  
3 武蔵野線 69,192 167,516 242.1% 旅客営業がない鶴見~府中本町を含む
4 横浜線 122,328 228,441 186.7%  
5 川越線 30,295 55,962 184.7%  
6 南武線 92,591 162,454 175.5%  
7 田沢湖線 4,109 6,703 163.1%  
8 赤羽線 459,961 747,326 162.5% JR資料は埼京線と表記
9 東北本線 53,625 84,442 157.5%  
10 北陸新幹線 21,995 34,125 155.1% 1987年度の欄は開業した1997年度の数字
1 山田線 1,119 174 15.5%  
2 陸羽西線 2,185 343 15.7%  
3 気仙沼線 1,357 232 17.1%  
4 津軽線 2,131 452 21.2%  
5 花輪線 1,545 357 23.1%  
6 北上線 1,147 306 26.7%  
7 米坂線 1,214 373 30.7%  
8 久留里線 3,126 1,025 32.8%  
9 八戸線 2,513 851 33.9%  
10 飯山線 1,636 576 35.2%  

川越線、相模線を含め首都圏メガループ路線が上位に入った。ミニ新幹線田沢湖線が7位、北陸新幹線が10位に入ったほか、上越新幹線が150.4%で11位、東北新幹線が129.2%で16位。東北本線岩切~利府は4倍強、仙山線仙台~愛子は2倍強。一方仙台近郊以外の東北ローカル線8路線がワースト10いり。1988年青函トンネルが開通し特急が走った津軽線は、開示データ中最多の1992年度の5,202人と比べると8.6%に落ち込んだ。

次は、コロナ禍で落ち込んだ2020年度との比較。

# 路線 1987 2020 増加率 備考
1 京葉線 26,246 116,090 442.3% 1987年当時は西船橋~千葉みなと
2 相模線 9,268 21,093 227.6%  
3 武蔵野線 69,192 122,695 177.3%  
4 川越線 30,295 40,608 134.0%  
5 横浜線 122,328 158,813 129.8%  
6 南武線 92,591 117,956 127.4%  
7 赤羽線 459,961 514,038 111.8% JR資料は埼京線と表記
8 東北本線 53,625 59,395 110.8%  
9 東海道本線 264,013 248,968 94.3%  
10 八高線 6,268 5,904 94.2%  
1 陸羽西線 2,185 163 7.5%  
2 山田線 1,119 95 8.5%  
3 気仙沼線 1,357 189 13.9%  
4 津軽線 2,131 387 18.2%  
5 北上線 1,147 219 19.1%  
6 花輪線 1,545 318 20.6%  
7 羽越本線 5,862 1,296 22.1%  
8 久留里線 3,126 737 23.6%  
9 釜石線 1,917 454 23.7%  
10 米坂線 1,214 302 24.9%  

1987年を上回ったのは8線だけ。首都圏メガループは絶対数が下がったもののコロナ禍でも上位を占めた。ワースト10は2019年とあまり変わらないが、羽越本線の落ち込みが目立つ。

次はコロナ前後の2019年度と2020年度の比較。

# 路線 2019 2020 増加率 備考
1 花輪線 357 318 89.1%  
2 男鹿線 1,781 1,543 86.6%  
3 只見線 271 233 86.0%  
4 津軽線 452 387 85.6% 中小国~三厩は100%(増減なし)
5 飯山線 576 491 85.2%  
6 左沢線 3,282 2,791 85.0%  
7 弥彦線 2,249 1,862 82.8%  
8 水郡線 1,558 1,276 81.9%  
9 鶴見線 14,113 11,555 81.9%  
10 気仙沼線 232 189 81.5%  
1 東北新幹線 59,301 20,560 34.7%  
2 上越新幹線 43,424 16,018 36.9%  
3 北陸新幹線 34,125 12,702 37.2%  
4 田沢湖線 6,703 2,553 38.1%  
5 陸羽西線 343 163 47.5%  
6 大湊線 533 288 54.0%  
7 山田線 174 95 54.6%  
8 奥羽本線 4,794 2,664 55.6%  
9 成田線 14,704 8,279 56.3% 成田~成田空港は25.3%
10 伊東線 16,156 9,344 57.8%  

落ち込みが小さいのは、もともと輸送密度が低いローカル路線。工場地帯を走る鶴見線はテレワークの影響が小さかったか。南武線浜川崎支線も91.8%。落ち込みが大きいのは新幹線で、ミニ新幹線が運行する田沢湖線奥羽本線も。成田空港支線の落ち込みは、区間別ではワースト1。

JR東日本が例年公開していた*22021年度の駅別乗車人員が今年は開示されていない。通過人員データも2020年度までで、2021年度の回復状況に興味がある。

追記(8月2日):と書いた後に、8月1日付で2021年度の駅別乗車人員と路線別通過人員のデータが公開されているのに気がついた(リリース)。

*1:また、7月28日のリリースで通過人員2,000人以下の路線・区間の収支データを開示した

*2:昨年は7月9日リリースされ、7月10日記事を書いた

第7回全国の鉄道路線五番勝負(開催予告)

第7回全国の鉄道路線五番勝負を来週の金曜日8月5日から開催します。スケジュールは下記のとおりです。

  • 8月5日(金)21:00 出題
  • 8月6日(土)21:00 第1回採点、第1ヒント提示
  • 8月7日(日)21:00 第2回採点、第2ヒント提示
  • 8月8日(月)12:30 第3回採点、アナグラムヒント解凍文提示(解答状況により第3ヒントを提示)
  • 8月8日(月)21:00 終了

鉄道路線五番勝負は、問題に提示する路線と共通する特徴(共通項)がある路線を一つずつ答えてゆくクイズです。解答者は、問題路線(及び先行の正答路線)から共通項を推定し、該当する路線を探して答えます。先行の正答とヒントとによって、共通項が次第に明確になってゆき、同じ問題を何人もが解答できます。過去問等は、クイズのホームページにあります。

ヒントは、アナグラムヒント及び地図・画像を2回に分けて提示します。第2ヒントとアナグラムヒントの解凍文によって、だれもが共通項にたどり着けるように出題するつもりです。さらに解答状況によっては、解答者全員が完答できるよう、ダメ押しの第3ヒントを提示することがあります。

解答には、全国の鉄軌道路線リストを参照してください。運休区間をアップデートして更新しました。なお運休路線もクイズの対象です。

 

回数券廃止相次ぐ

回数券廃止の報道が相次いでいる。昨年のJR九州JR西日本については、旅規改定の記事で触れた*1。4月以降JR東日本JR東海JR四国が9月30日で回数券の発売を終了すると発表した。10月以降普通回数券は、JRではJR北海道JR西日本ICOCA区間外だけになる。ただし、各社とも身体障害者割引、知的障害者割引および通学用割引の回数券は引き続き発売する。

10年前にも名鉄富山地方鉄道の回数券廃止*2をきっかけに、3回にわたって 全国の鉄・軌道事業者の回数券を紹介した*3。一昨年来の普通回数券廃止は2012年に次ぐ第2弾である。なお小田急の回数券は2020年3月31日に発売終了しており、今回終了するのは回数券の代替として旅規の規定外で発売したチケット10。

事業者 発売終了日 リリース 乗車ポイント
京阪電気鉄道 2020/12/31 2020/07/10 京阪電車ポイント還元サービス
JR九州 2021/06/30 *4 2021/04/20  
西日本鉄道 2021/07/31 2021/06/17  
JR西日本 2021/09/30 2021/03/31 ICOCAポイント
東武鉄道 2021/09/30 2021/07/14 トブポマイル
江ノ島電鉄 2021/12/31    
愛知環状鉄道 2021/12/31    
叡山電鉄 2022/03/31 2022/02/08  
小田急電鉄 2022/07/31 2022/03/08 小田急おでかけポイント
大阪モノレール 2022/07/31 2022/04/22  
新京成電鉄 2022/08/31 2022/06/17  
JR東日本 2022/09/30 2022/04/26 JRE Point リピートポイントサービス
JR東海 2022/09/30 2022/06/10  
JR四国 2022/09/30 2022/06/16  

ICカード乗車券の普及に伴い、紙の回数券を廃止し、割引に代えて乗車ポイントを付与する傾向にある。JR西日本東武小田急のリリースは、ポイントの付与を前面に打ち出し、ついでに回数券の廃止を記載している。

JR四国ICカード乗車券が使用できるのは本四備讃線香川県の一部区間だけであるが、「お客様のご利用状況や弊社を取り巻く経営環境の変化を踏まえ」と業績の悪化を理由に割引を見直す。西鉄も「新型コロナウイルス感染症の影響により、お客さまが減少しているなか・・・ポストコロナ社会においても持続的な公共交通サービスを提供するため」としている。JR東海もコスト削減が理由とされ(NHK6月10日)、ポイント還元等の代替サービスの発表はない。

回数券の廃止は、金券ショップの回数券ばら売り対策という面もあるようだ。今回廃止となる小田急のチケット10は、利用時に表紙が必要な10回分のきっぷで、回数券が同時使用できなかった時代に戻っていた。

ウェブで旅規を公開する事業者が増え、旅規規定の普通回数券については情報が得やすくなった。10年前に未開業だった道南いさりび鉄道えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道にも、11枚つづりの普通回数券がある。JRの回数券廃止により先行きは不透明であるが。

旅規リンク集を更新し、新たに公開した東海交通事業を追加、デッドリンクを解消した。

追記(6月23日):コメントで教示を受けた愛知環状鉄道江ノ島電鉄叡山電鉄大阪モノレール新京成電鉄を表に追加した。愛知環状鉄道江ノ島電鉄は、掲載期間終了のためかリリース文を見つけられなかった。あわせて江ノ島電鉄の約款を掲載し、リンク集を更新した。

追記2(6月30日):JR西日本は、ICOCA以外の区間でも、9月30日をもって回数券の発売を終了すると発表した(リリース)。

追記3(7月20日):JR北海道も、11月30日をもって回数券の発売を終了すると発表した(リリース

続報回数券廃止続く(2023/01/25)

第6回全国の鉄道路線五番勝負(難易度分析)

全国の鉄道路線五番勝負・難易度分析 (問題別回別)、全国の鉄道路線五番勝負・全想定解及び全国の鉄道路線五番勝負・ヒント集を、第6回の結果を追加して更新した。

回別総合難易度は6回中2位だった。銅メダル所要時間は最長だったが、誤答率が最低だった。共通項自体の難易度が高いと糸口がつかめず、誤答すら出ないということだろうか。問題別総合難易度は、問五が全30問中2位のE難度。その他の問題も、低誤答率により問一13位(C難度)、問二15位(C)、問四19位(B)、問三29位(A)だった。

指標別にみると次のとおり。おおむね出題者の想定どおりだったが、路線問題の問一が出題路線のノイズからか予想より難しく、通過問題の問四が易しいという結果になった。

総合難易度 問五>問一>問二>問四>問三
金メダル所要時間 問一>問四>問二>問三>問五
銅メダル所要時間 問五>問二>問四>問一>問三
誤答率 問五>問一>問二>問四>問三
完答者正答順 問五>問三>問一>問四>問二
出題者事前予想 問五>問四>問三>問二>問一

完答者正答順は、完答者9名の問題別正答順位を合計15になるように数値化したもの。

  解答者 問一 問二 問三 問四 問五 相関係数
1 みやこ路快速 2 3 5 1 4 15 0.406
2 鳴子こけし 3 3 3 3 3 15  
3 4 2 2 2 5 15 0.803
4 勿来丸 2 1 3.5 3.5 5 15 0.769
5 しみちょく 5 3 4 2 1 15 -0.656
6 駿河の民 3 3 3 3 3 15  
7 やまやま 3 4 1 2 5 15 0.640
8 かしわ 1 2 3 4 5 15 0.703
9 いくさべゆうと 2 3 1 4 5 15 0.640
  平均 2.778 2.667 2.833 2.722 4.000 標準偏差 0.562
  標準偏差 1.202 0.866 1.323 1.034 1.414 平均 1.168

解答者の平均正答順位は、最大が問五の4.000、最小が問ニの2.667と、平均3.000に対し+1.000、-0.333の範囲に収れんし、平均順位のバラツキを示す標準偏差は0.562と前回の0.881から下がり、問題間の難易度差が縮小した。鉄問の問三は1位が2名、5位が1名と順位が別れた。平均2.833に対し標準偏差は1.323で問五に次いでばらついた。

共通項の難易度の設定は悩ましい。易しすぎるとまメダルラッシュが起き、今回のように難しいと、参加者が減少し、総解答数が伸びないという結果になる。JR駅五番勝負を含めて、これまで同じ共通項を出題しないというポリシーを堅持してきた。しかし、路線名問題(大学名、ナンバープレート、町村名、廃止町村名、二国略称、自動車道)、通過問題(北緯35度、大分水嶺東海道新幹線)などの類問が出題されており、今後も要注意。

 

 

 

第6回全国の鉄道路線五番勝負(終了)

今回もご参加ありがとうございました。第6回全国の鉄道路線五番勝負を終了し、共通項を発表します。

問題 共通項 想定解数
問一 自動車専用道路名と一致する路線 42
問二 2国以上の国名駅がある路線 48
問三 特殊軌間(1067mm/1435mm以外)の路線 20
問四 東海道新幹線と地上で交差する路線 46
問五 連称インターチェンジのペア駅がある路線 38

全想定解を記載した全国の鉄道路線五番勝負想定解・解説 をこれから掲載します。以下、問題別に。

問一の自動車専用道路は、高速自動車国道国土開発幹線自動車道建設法の路線名を含む)、一般国道の自動車専用道路及び都市高速道路としていた。地名が一致する路線名は号線が異なっていても該当とし、号線だけが一致する東京都・1号線浅草線を非該当にあげた(横浜市営地下鉄の路線名は号線名のみ)。
これまであまり成績がよくない路線名の問題で、中央本線京葉線阪和線を出題し難問化を回避しようとしたが、水戸線横浜市1号線がノイズになったのだろうか。播但線が解答され、播但連絡道路が属するカテゴリーの地域高規格道路を想定解に追加したが、高速自動車国道に限定(その場合、京葉線横浜市1号線を非該当に提示)したほうが対象が明確になったかもしれない。
写真ヒントは、中央道の高井戸インター付近。地図ヒントは、阪和線と並行する阪和道。

問ニ。前回問ニに出題した通過する二国から命名された路線のうち14線が該当し、これからJR東海紀勢本線を出題、紀伊一国だけのJR西日本紀勢本線大隅だけで肥後・薩摩駅がない肥薩線を非該当として提示した。最多は山陰本線鹿児島本線日豊本線近鉄大阪線の4国で、鹿児島本線は各国1駅の計4駅。
写真ヒントの行川アイランド駅名標は、両隣が上総興津安房小湊。地図ヒントは、讃岐・阿波の国界。

問三。JR路線が該当しない問題は、6回30問中初めて。1372mmを2路線、762㎜のいわゆるナローゲージとその他のゲージの鋼索鉄道を出題した。1372mmゲージは馬車鉄道に由来し、東京市横浜市などの路面電車が採用した。京成は都営地下鉄京急との相互乗り入れを機に1372mmから1435mmに改軌した。旧大阪市電はじめ関西の路面電車は1435mmが主流。
非該当の札幌市営地下鉄は2本の鉄レールによらない案内軌条。帆柱ケーブルは1067mm、十国鋼索線は1435mm。地図ヒントのポインタは、伊予市米湊1372番地。

問四は、出題路線と非該当路線に東京駅と新大阪駅の近辺で交差する路線と交差地点が最多15回のJR東海東海道本線を提示し、東海道新幹線への手掛かりとした。御堂筋線は、地下鉄で唯一地上で交差する。出題した阪急千里線と対比して山陽新幹線区間で交差する阪急宝塚線を非該当に提示した。非該当の江ノ島線は新幹線が地下。
写真ヒントは、東急多摩川線沼部駅の新幹線高架線構造物。地図ヒントはJR東海東海道本線の金谷・菊川間(トンネルを出た地点で交差)。

問五。連称インターチェンジには、横浜町田など境界付近の2地名のヨコの連称と日南北郷など市名+地域名のタテの連称の2種類がある。同じ路線にある2駅連称ICを調べてみるとけっこう多く、問題として成立すると考え出題した。今回の最難問と予想しており、最初の正答は意外だったが、銅メダル所要時間は第5回問四(四文字市にある路線)に次ぐ2位。
同一路線2駅連称のICはなぜか東日本に多く、該当の44IC中32がJR北海道JR東日本の管内。写真ヒントは非該当の横浜町田IC。地図ヒントは三木小野IC。

今回は難易度の設定を失敗しました。問題の在庫がたまっているので、次回は時期を早めて8月前半に第7回全国の鉄道路線五番勝負を続けて開催します。ぜひお付き合いください。明日以降、難易度分析と想定解分析を掲載します。

追記(6月9日):問一の想定解から千葉都市モノレールの2線が漏れていました。表を訂正しました。

第6回全国の鉄道路線五番勝負(第3回採点)

第3回採点です。Nさん、勿来丸さん、しみちょくさん、駿河の民さん、やまやまさん、かしわさんが完答し、完答者は8名になりました。

# 問題 判定 解答路線 解答者 所要日時分秒
37 問五 正答 長良川鉄道・越美南線 N 2 00:06:10
38 問五 正答 JR東日本総武本線 勿来丸 2 00:09:39
39 問一 正答 JR東海中央本線 しみちょく 2 00:20:31
40 問二 正答 JR東日本羽越本線 やまやま 2 00:42:37
41 問一 正答 JR四国徳島線 駿河の民 2 00:50:51
42 問二 正答 JR四国土讃線 駿河の民 2 00:50:51
43 問三 正答 青函トンネル記念館青函トンネル竜飛斜坑線 駿河の民 2 00:50:51
44 問四 正答 JR東海御殿場線 駿河の民 2 00:50:51
45 問五 正答 IRいしかわ鉄道IRいしかわ鉄道 駿河の民 2 00:50:51
46 問五 正答 えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン やまやま 2 01:02:20
47 問一 正答 JR西日本山陰本線 かしわ 2 01:12:22
48 問二 正答 JR東海高山本線 かしわ 2 01:12:41
49 問三 正答 御岳登山鉄道 かしわ 2 01:13:22
50 問四 正答 JR東日本・相模線 かしわ 2 01:13:45
51 問五 正答 JR東海東海道本線 かしわ 2 01:14:03
52 問二 正答 JR西日本吉備線 白桃 2 12:53:40
53 問二 正答 JR西日本山陰本線 いくさべゆうと 2 18:57:23
54 問四 正答 岳南電車・岳南線 いくさべゆうと 2 19:22:03
55 問五 正答 JR東日本上越線 いくさべゆうと 2 19:32:48

アナグラムヒントの解凍文です。

第1ヒント 第2ヒント
問一 使うだけ丸く(つかうだけまるく)
→クルマだけ通過(くるまだけつうか)
謝辞堂々(しゃじどうどう)
→自動車道(じどうしゃどう)
問二 対策が4個(たいさくがよんこ)
→4国が最多(よんこくがさいた)
異国に情(いこくにじょう)
→二国以上(にこくいじょう)
問三 帰省は警戒(きせいはけいかい)
→京成は改軌(けいせいはかいき)
金貨取得(きんかしゅとく)
→特殊軌間(とくしゅきかん)
問四 徹夜は死にそう(てつやはしにそう)
→相鉄は西谷(そうてつはにしや)
妖怪は吝(ようかいはけち)
→京葉は地下(けいようはちか)
問五 市長連盟(しちょうれんめい)
→地名連称(ちめいれんしょう)
慣例認知(かんれいにんち)
→一に関連(いちにかんれん)

これからの参加を期待して第3ヒントです。

第3ヒント
問一 ストリートビュー
問二 御殿場線は2国2駅
問三 地図
問四 写真
問五 地図

問二の想定解数に見落としがあり、49に訂正します。申し訳ありません。

引き続き完答を目指し、お楽しみください。18時以降随時採点する予定です。

追記:追加採点しました。いくさべゆうとさんが9人目の完答です。終了まで3時間ほどありますので、今からでもご参加ください。