JR東日本路線区間別通過人員

JR東海を除くJR旅客5社が、路線区間別通過人員を公開した。

JR東日本は、区間をかなり細かく分割し、全路線について1987年度から5年ごと及び2011年度から2020年度まで毎年のデータを開示し、5社の中で最も充実している*1

1987年度と2019年度及び2020年度、2019年度と2020年度の増減率のベスト10・ワースト10の路線は次のとおり。

# 路線 1987 2019 増加率 備考
1 京葉線 26,246 179,786 685.0% 1987年当時は西船橋~千葉みなと
2 相模線 9,268 29,412 317.4%  
3 武蔵野線 69,192 167,516 242.1% 旅客営業がない鶴見~府中本町を含む
4 横浜線 122,328 228,441 186.7%  
5 川越線 30,295 55,962 184.7%  
6 南武線 92,591 162,454 175.5%  
7 田沢湖線 4,109 6,703 163.1%  
8 赤羽線 459,961 747,326 162.5% JR資料は埼京線と表記
9 東北本線 53,625 84,442 157.5%  
10 北陸新幹線 21,995 34,125 155.1% 1987年度の欄は開業した1997年度の数字
1 山田線 1,119 174 15.5%  
2 陸羽西線 2,185 343 15.7%  
3 気仙沼線 1,357 232 17.1%  
4 津軽線 2,131 452 21.2%  
5 花輪線 1,545 357 23.1%  
6 北上線 1,147 306 26.7%  
7 米坂線 1,214 373 30.7%  
8 久留里線 3,126 1,025 32.8%  
9 八戸線 2,513 851 33.9%  
10 飯山線 1,636 576 35.2%  

川越線、相模線を含め首都圏メガループ路線が上位に入った。ミニ新幹線田沢湖線が7位、北陸新幹線が10位に入ったほか、上越新幹線が150.4%で11位、東北新幹線が129.2%で16位。東北本線岩切~利府は4倍強、仙山線仙台~愛子は2倍強。一方仙台近郊以外の東北ローカル線8路線がワースト10いり。1988年青函トンネルが開通し特急が走った津軽線は、開示データ中最多の1992年度の5,202人と比べると8.6%に落ち込んだ。

次は、コロナ禍で落ち込んだ2020年度との比較。

# 路線 1987 2020 増加率 備考
1 京葉線 26,246 116,090 442.3% 1987年当時は西船橋~千葉みなと
2 相模線 9,268 21,093 227.6%  
3 武蔵野線 69,192 122,695 177.3%  
4 川越線 30,295 40,608 134.0%  
5 横浜線 122,328 158,813 129.8%  
6 南武線 92,591 117,956 127.4%  
7 赤羽線 459,961 514,038 111.8% JR資料は埼京線と表記
8 東北本線 53,625 59,395 110.8%  
9 東海道本線 264,013 248,968 94.3%  
10 八高線 6,268 5,904 94.2%  
1 陸羽西線 2,185 163 7.5%  
2 山田線 1,119 95 8.5%  
3 気仙沼線 1,357 189 13.9%  
4 津軽線 2,131 387 18.2%  
5 北上線 1,147 219 19.1%  
6 花輪線 1,545 318 20.6%  
7 羽越本線 5,862 1,296 22.1%  
8 久留里線 3,126 737 23.6%  
9 釜石線 1,917 454 23.7%  
10 米坂線 1,214 302 24.9%  

1987年を上回ったのは8線だけ。首都圏メガループは絶対数が下がったもののコロナ禍でも上位を占めた。ワースト10は2019年とあまり変わらないが、羽越本線の落ち込みが目立つ。

次はコロナ前後の2019年度と2020年度の比較。

# 路線 2019 2020 増加率 備考
1 花輪線 357 318 89.1%  
2 男鹿線 1,781 1,543 86.6%  
3 只見線 271 233 86.0%  
4 津軽線 452 387 85.6% 中小国~三厩は100%(増減なし)
5 飯山線 576 491 85.2%  
6 左沢線 3,282 2,791 85.0%  
7 弥彦線 2,249 1,862 82.8%  
8 水郡線 1,558 1,276 81.9%  
9 鶴見線 14,113 11,555 81.9%  
10 気仙沼線 232 189 81.5%  
1 東北新幹線 59,301 20,560 34.7%  
2 上越新幹線 43,424 16,018 36.9%  
3 北陸新幹線 34,125 12,702 37.2%  
4 田沢湖線 6,703 2,553 38.1%  
5 陸羽西線 343 163 47.5%  
6 大湊線 533 288 54.0%  
7 山田線 174 95 54.6%  
8 奥羽本線 4,794 2,664 55.6%  
9 成田線 14,704 8,279 56.3% 成田~成田空港は25.3%
10 伊東線 16,156 9,344 57.8%  

落ち込みが小さいのは、もともと輸送密度が低いローカル路線。工場地帯を走る鶴見線はテレワークの影響が小さかったか。南武線浜川崎支線も91.8%。落ち込みが大きいのは新幹線で、ミニ新幹線が運行する田沢湖線奥羽本線も。成田空港支線の落ち込みは、区間別ではワースト1。

JR東日本が例年公開していた*22021年度の駅別乗車人員が今年は開示されていない。通過人員データも2020年度までで、2021年度の回復状況に興味がある。

追記(8月2日):と書いた後に、8月1日付で2021年度の駅別乗車人員と路線別通過人員のデータが公開されているのに気がついた(リリース)。

*1:また、7月28日のリリースで通過人員2,000人以下の路線・区間の収支データを開示した

*2:昨年は7月9日リリースされ、7月10日記事を書いた