阪急・阪神梅田駅等改称

阪急と阪神は、10月1日、梅田駅を大阪梅田駅に改称すると発表した。同時に阪急は河原町を京都河原町に、石橋を石橋阪大前に改称し、阪神は鳴尾を鳴尾・武庫川女子大前に改称する(阪急リリース阪神リリース)。

はやりの市名+地名駅と大学名併称である。駅名に市名を冠する改称は、1982年11月3日の田川伊田田川後藤寺が始まりだろう。関西では、2009年3月20日近鉄奈良線阪神なんば線の直通運転開始時に大阪上本町大阪難波が誕生した。2010年3月旧国名市の越前武生、筑後船小屋が、国名というよりも市名を冠した。

駅名改称の研究に書いているように、阪急は2012年12月、梅田、三宮、河原町駅の「大阪梅田」、「神戸三宮」、「京都河原町」への改称を検討すると発表したが、その後大阪梅田、京都河原町は撤回し、2013年12月21日三宮だけを神戸三宮に改称*1した。河原町については、地元の商店街が改称するなら四条河原町だと、京都河原町に反対した経緯があるようだ(タビリス2013年4月7日)。

大学名駅への改称は、2017年4月1日の東武伊勢崎線松原団地駅獨協大学前駅への改称以来である。

追記(7月31日):阪急の京都河原町改称撤回について、タビリスの2013年4月記事を紹介したが、このブログでも書いていた(阪急河原町駅の改称)。6年前の記事で、失念していた。

*1:阪急に3か月余り遅れて14年4月1日阪神も改称

JR東日本駅別乗車人員2018vs2000

JR東日本が駅別乗車人員を公開したのは、2000年度からである。2000年度、2018年度ともにリストされている894駅の乗車人員を比較した。 まずは、乗車人員増加数トップ20駅。

  路線 2018 2000 増減数 ピーク ボトム
1 品川 東海道 382,442 253,575 128,867 382,442 18 253,575 00
2 大崎 山手 173,136 57,101 116,035 173,136 18 57,069 01
3 秋葉原 東北 252,267 137,736 114,531 252,267 18 137,045 01
4 東京 東海道 467,165 372,611 94,554 467,165 18 368,967 01
5 武蔵小杉 南武 130,752 64,336 66,416 130,752 18 64,336 00
6 川崎 東海道 214,601 156,291 58,310 214,601 18 156,291 00
7 新橋 東海道 281,971 230,393 51,578 281,971 18 224,759 02
8 さいたま新都心 東北 55,551 15,033 40,518 55,551 18 15,033 00
9 横浜 東海道 423,651 385,023 38,628 423,651 18 378,767 02
10 日暮里 東北 115,092 77,469 37,623 115,092 18 77,469 00
11 新木場 京葉 79,161 41,550 37,611 79,161 18 41,550 00
12 北千住 常磐 220,903 183,611 37,292 220,903 18 175,656 06
13 立川 中央 168,512 132,672 35,840 168,512 18 132,672 00
14 新宿 山手 789,366 753,791 35,575 789,366 18 734,154 11
15 中野 中央 150,886 117,090 33,796 150,886 18 113,324 04
16 舞浜 京葉 83,157 49,760 33,397 83,157 18 49,760 00
17 西船橋 総武 139,347 106,048 33,299 139,347 18 105,230 04
18 海浜幕張 京葉 68,378 38,056 30,322 68,378 18 38,056 00
19 大宮 東北 258,108 228,219 29,889 258,108 18 227,683 03
20 大井町 東海道 105,838 78,996 26,842 105,838 18 77,728 01

20駅とも2018年度が乗車人員のピークである。うち、9駅はボトムが2000年。01年のボトムが4駅、02年が2駅あり、順調に乗車人員を増やしている。品川、新橋、秋葉原、さいたま新都心と、旧国鉄の貨物駅や操車場跡地が再開発された駅が上位に並んだ。

次は、乗車人員減少数のトップ20駅。

  路線 2018 2000 増減数 ピーク ボトム
1 渋谷 山手 370,856 428,165 -57,309 445,730 07 370,669 17
2 常磐 126,276 149,376 -23,100 149,376 00 118,611 11
3 取手 常磐 27,613 48,126 -20,513 48,126 00 27,410 14
4 綾瀬 常磐 14,324 26,962 -12,638 26,962 00 14,324 18
5 御茶ノ水 中央 105,890 116,955 -11,065 116,955 07 100,157 12
6 御徒町 東北 70,537 79,539 -9,002 80,822 01 66,804 15
7 牛久 常磐 12,793 21,644 -8,851 21,644 00 12,793 18
8 石川町 根岸 32,702 41,153 -8,451 41,852 02 32,572 16
9 北柏 常磐 19,273 26,810 -7,537 26,810 00 19,243 12
10 天王台 常磐 19,502 25,919 -6,417 25,919 00 19,451 16
11 関内 根岸 55,592 61,584 -5,992 61,584 00 54,177 14
12 千駄ケ谷 中央 17,268 23,123 -5,855 23,123 00 17,268 18
13 土浦 常磐 16,124 21,507 -5,383 21,507 00 15,928 14
14 港南台 根岸 32,098 37,403 -5,305 37,403 00 31,807 14
15 神田 東北 106,091 111,311 -5,220 111,311 07 97,251 14
16 高尾 中央 28,871 33,666 -4,795 33,666 00 28,871 18
17 水道橋 中央 84,531 89,320 -4,789 89,320 07 82,133 11
18 巣鴨 山手 77,199 81,818 -4,619 81,818 00 75,445 04
19 指扇 川越 11,034 15,393 -4,359 15,431 01 10,848 14
20 松戸 常磐 99,909 104,051 -4,142 104,051 00 98,076 14

ピークが2000年の駅が17あり、うち4駅は18年がボトムである。トップの渋谷もボトムが2017年で、やっと増加に転じた。
8駅が常磐線の駅である。柏、松戸の減少は、千葉県の舞浜、西船橋海浜幕張が増加数トップ20に入っているのと対照的である。2000年と2018年の人口を比較すると、松戸市柏市ともに増加している。松戸市内の7駅を合計すると、2000年の247,006人から257,006人とちょうど1万人増加した。新松戸、新八柱と東松戸が増加し、新松戸を除く常磐線各駅は減少した。人口が武蔵野線沿線にシフトしたということか。一方、柏市南柏だけが増加で、3駅合計すると25,534人の減少。つくばエクスプレス沿線の人口が増加したのだろう。松戸も柏も、駅前から大手百貨店が撤退した。 
茨城県では、土浦市取手市の人口は減少しているが、牛久市は増加している。ひたち野うしく駅は増加しているが、増加数は2,596で、牛久駅の減少数に及ばない。

次は乗車人員増加率のトップ20。

  路線 2018 2000 増減率 ピーク ボトム
1 あきた白神 五能 38 7 442.9% 38 18 5 02
2 さいたま新都心 東北 55,551 15,033 269.5% 55,551 18 15,033 00
3 大崎 山手 173,136 57,101 203.2% 173,136 18 57,069 01
4 川崎新町 南武 2,820 1,003 181.2% 2,820 18 971 02
5 東松戸 武蔵野 20,735 7,808 165.6% 20,735 18 7,808 00
6 南流山 武蔵野 34,954 13,332 162.2% 34,954 18 13,332 00
7 北松本 大糸 690 281 145.6% 756 15 281 00
8 八丁畷 南武 1,705 768 122.0% 1,705 18 768 00
9 市川塩浜 京葉 8,136 3,907 108.2% 8,136 18 3,907 00
10 成田空港 成田 7,622 3,668 107.8% 7,622 18 3,094 03
11 武蔵小杉 南武 130,752 64,336 103.2% 130,752 18 64,336 00
12 小宮 八高 3,050 1,530 99.3% 3,186 16 1,530 00
13 海老名 相模 14,127 7,142 97.8% 14,127 18 7,142 00
14 千葉みなと 京葉 19,191 9,813 95.6% 19,191 18 9,813 00
15 前橋大島 両毛 1,661 858 93.6% 1,718 13 858 00
16 名取 東北 12,927 6,729 92.1% 12,927 18 6,496 02
17 船橋 京葉 22,808 11,948 90.9% 22,808 18 11,709 01
18 新木場 京葉 79,161 41,550 90.5% 79,161 18 41,550 00
19 八王子みなみ野 横浜 18,721 10,070 85.9% 19,200 10 10,070 00
20 秋葉原 東北 252,267 137,736 83.2% 252,267 18 137,045 01

トップのあきた白神は、2018年度の増加率2位。さいたま新都心、大崎、武蔵小杉、新木場、秋葉原の5駅は、増加数でもトップ20。ここでも京葉線の駅が順調に伸びている。
2018年ピークが16駅を占める中で、八王子みなみ野は2010年、小宮は2016年がピークで、頭打ちの傾向。八王子市内7駅の推移は興味深い。合計すると2018年が184,086人でピーク、2000年が166,648人でボトムだが、2000年は高尾、片倉がピークで、西八王子、八王子みなみ野、北八王子と小宮がボトムである。八王子みなみ野がピークの2010年は、八王子はボトムだった。

最後に減少率トップ20駅。

  路線 2018 2000 増減率 ピーク ボトム
1 浪江 常磐 24 1,057 -97.7% 1,061 01 18 17
2 相野々 北上 10 93 -89.2% 93 00 10 18
3 平滝 飯山 3 24 -87.5% 24 00 3 18
4 犀潟 信越 694 3,959 -82.5% 4,738 13 694 18
5 大槌 山田 73 361 -79.8% 361 00 70 14
6 向能代 五能 30 143 -79.0% 143 00 30 18
7 羽前椿 米坂 25 114 -78.1% 114 00 21 17
8 川原湯温泉 吾妻 21 87 -75.9% 87 00 20 13
9 荻野 磐越西 21 83 -74.7% 93 01/02 20 17
10 湯瀬温泉 花輪 24 93 -74.2% 93 00 24 18
11 信濃白鳥 飯山 7 27 -74.1% 29 01 6 11
12 上野尻 磐越西 20 76 -73.7% 76 00 15 16
13 野蒜 仙石 197 727 -72.9% 727 00 23 13/14
14 羽後亀田 羽越 60 217 -72.4% 217 00 60 18
15 古口 陸羽西 30 107 -72.0% 107 00 29 17
16 野辺地 大湊 294 1,041 -71.8% 1,051 01 285 17
17 横倉 飯山 14 44 -68.2% 45 03 10 11
18 六日町 上越 1,824 5,557 -67.2% 6,052 07 1,794 17
19 津軽 山田 85 253 -66.4% 253 00 77 16
20 能代 五能 430 1,275 -66.3% 1,275 00 430 18

 震災による津波の影響を受けた駅が大きく減らした。大槌と津軽石は、定期券と回数券について行なわれていたバス振替輸送の数字。野蒜は復旧後回復しているが、震災前の2010年の478にも及ばない。浪江は、2017年に北方面とつながったが、2020年春の富岡・浪江間復旧によって全線開業する。現在も帰還困難区域に指定されており、どこまで回復するか。犀潟と六日町は、北陸新幹線開業によるほくほく線直通特急の廃止により激減した。野辺地は、東北本線青い森鉄道への移管の影響を受けた。

追記(7月29日):千葉県の乗車人員トップ駅が交代したのを書き忘れていた。西船橋が1,170人増加して139,347人となり、159人減少し138,950人となった船橋を抜いた。船橋は2006年柏を抜き、11年間トップを維持していた。柏は2008年西船橋にも抜かれ、3位に落ちた。

 本文で書いた松戸市柏市と八王子市の各駅の数値を下記する。

2018 2000 増減数 増減率 ピーク ボトム
松戸 99,909 104,051 -4,142 -4.0% 104,051 00 98,076 14
新松戸 39,325 37,974 1,351 3.6% 39,325 18 35,784 11
馬橋 25,780 27,363 -1,583 -5.8% 27,363 00 24,256 12
新八柱 24,953 20,520 4,433 21.6% 24,953 18 20,520 00
北小金 24,588 27,385 -2,797 -10.2% 27,385 00 24,112 14
北松戸 21,716 21,905 -189 -0.9% 22,133 04 20,536 14
東松戸 20,735 7,808 12,927 165.6% 20,735 18 7,808 00
松戸市 257,006 247,006 10,000 4.0% 257,006 18 242,321 11
126,276 149,376 -23,100 -15.5% 149,376 00 118,611 11
南柏 32,889 27,786 5,103 18.4% 32,889 18 27,786 00
北柏 19,273 26,810 -7,537 -28.1% 26,810 00 19,243 12
柏市 178,438 203,972 -25,534 -12.5% 203,972 00 169,649 11
八王子 86,346 80,697 5,649 7.0% 86,346 18 80,219 10
西八王子 32,216 28,827 3,389 11.8% 32,492 17 28,827 00
高尾 28,871 33,666 -4,795 -14.2% 33,666 00 28,871 18
八王子みなみ野 18,721 10,070 8,651 85.9% 19,200 10 10,070 00
北八王子 9,661 5,863 3,798 64.8% 9,661 18 5,863 00
片倉 5,221 5,995 -774 -12.9% 5,995 00 5,121 12
小宮 3,050 1,530 1,520 99.3% 3,186 16 1,530 00
八王子市計 184,086 166,648 17,438 10.5% 184,086 18 166,648 00

市代表駅・町村代表駅更新

データルームの市名と駅名の関係(市代表駅)及び町村名と駅名の関係(町村代表駅)を更新した。読者からメールで判定基準が統一されていないことと、誤記の指摘を受け、全面的に見直した。

このページは、2004年9月、「市代表駅(町村代表駅)」として掲載してからもう15年になる。2010年10月に「市名と駅名の関係(町村名と駅名の関係)」をサブタイトルとして追加、2011年3月にこれを逆転し、現在のタイトルにした。背景は、平成の大合併が進行し、自治体名と一致していた駅名が激減する中、「自治体名の一部または全部を含む」駅名を優先しようとしたこと。その結果、当初の市代表駅は、JTB時刻表の市代表駅とほぼ一致していたが、大きく乖離することとなった。

今回、この基準が不徹底であるとの指摘を受けた。この基準によれば、糸島市は糸島高校前に、那覇市那覇空港になる。そこで、選定基準を一部変更し、D区分「駅名(自治体名)が自治体名(駅名)の一部または全部を含む」について、自治体名と駅名との関係が希薄な駅、すなわち

  • 自治体名と駅名の一部だけが共通する駅
  • 国名等の広域地名の自治体名を冠した駅
  • 施設名等との複合駅名

については、E区分(自治体名と駅名が不一致)とあわせて個別に判定することにした。E区分についても、駅の格(JR・大手私鉄の路線、接続路線の有無、優等列車の停車等)を市役所に近い駅に優先することとした。JTB時刻表の代表駅を駅の格を示すものとして参考にした。

その結果、美作市美作江見や、豊前市豊前松江は採用せず、林野と宇島のままにした。市名が誕生する前から存在していた国名駅で、駅名と市名との親和性は低い。同じ国名市の越前市筑後市は、それぞれ越前武生、筑後船小屋とD区分の駅を採用しているが、これは市名誕生後に、国名というよりも市名を冠して改称したとみるべきだろう。加賀市は、大聖寺からD区分の加賀温泉に変更した。国名駅かつ施設名駅であるが、JTB時刻表の代表駅で、市役所にも近い大聖寺よりも、優等列車の停車が多く、市名を冠していることを優先した。

また、糸島+高校+前や那覇+空港と分割できない、施設名が固有名詞である駅も採用しなかった。この見直しの結果、釧路町は、釧路湿原からもとの別保にもどした。また、自治体名と駅名の一部だけが共通する駅では、武蔵野市の武蔵境を駅の格が高いといえる吉祥寺にもどした。

追記:(7月24日)
コメントにあったようにNさんから、主として消滅町村の代表駅に関する追加の指摘を受け、本日更新した。
本文に記したように、このページは2004年9月、「市代表駅(町村代表駅)」として開設した。開設当時は現存自治体のみを記載していたが、2005年9月の改訂で、2004年4月以降に消滅した自治体を記載、さらに2010年9月の改訂で、平成の大合併の開始前日の1999年3月31日に遡って、それ以降消滅した市の代表駅を記載するとともに、自治体名と代表駅名の関係推移表を掲載した。
このように、とくに2004年9月以前の消滅自治体については、2010年に調査したものだったので、旧自治体の境界がはっきりせず、代表駅の特定に苦労したことを記憶している。今回指摘を受けた誤記や漏れは、ほとんどがこの時期のものであった。とはいえ、天間林村(青森)や三加茂町(徳島)などのA区分や、松山町(宮城)などB区分の自治体を見逃していたのでは言い訳にならない。
指摘を受けてあらためて認識したのは、町村であっても区分A(町村名=駅名)の駅がけっこうあったことである。1999年3月31日現在の区分Aの町村は 677あった。市の80.8%には及ばないが、駅がある町村の52.7%と過半を占めていた。平成の大合併を経て区分A町村は256まで激減したが、現在も駅がある514町村中49.8%とわずかに50%を割っただけである。
今回指摘を受けた中で、阿仁町(秋田)の奥阿仁と高崎町(宮崎)の東高崎のC区分の方角接頭語駅は採用せず、それぞれD区分であるが町の中心地にある阿仁合*1高崎新田のままとした。方角接頭語は中心地にある駅との位置関係を示すものである。この中心駅は、接頭語を冠しないか、国名等の接頭語を冠するのが一般的である。このような中心駅が存在しない場合は、これに代わるD区分の中心駅を採用することとし、凡例の判定基準を変更した。前回の更新時に由布市について東由布を採用せず、由布院*2のままとしたことを踏襲している。そのとき判定基準を訂正すべきであったが、漏れてしまった。
また、南陽市南陽市役所について、施設名であるので赤湯に戻したらという指摘があったが、市役所はまさに市そのものであり、「市名と駅名の関係」という観点から変更しなかった。

追記2:(7月25日)
誤記の訂正漏れの指摘を受け、本日再更新した。

*1:1955年4月1日大阿仁村と合併し阿仁町になる前の町名

*2:1955年2月1日湯平村と合併し湯布院町となる前の町名

国鉄構内営業規則・広告取扱規則

5月23日の記事国鉄の副業規則でとりあげた、旧国鉄の構内営業規則と広告取扱規則の1982年3月現行版を入手し、旅規ポータルに日本国有鉄道構内営業規則対比(1982vs1954)日本国有鉄道広告取扱規則対比(1982vs1957)を掲載した。

構内規則は、ほぼ1954年の章立てに準じているが、広告規則の構成は大きく変わり、条文もかなり洗練された。そのため、1982年規則を左側に記載し、その章立てに対応する旧規則の条文を右側に記載して対比した(構内規則についても同様)。旅規ポータルに掲載している他の規則対比のページと逆になっている。

前記事で広告料金の基準となる、規則別表第2の駅等級について、

70年代後半以降、広告取扱規則の改正公示(とくに別表)は官報では「内容省略」となり、その後の推移はわからない。

と書いたが、1982年時点の駅等級が判明した。1957年の特等から10等までの11等級から、1等から31等までの31等級になった。さらに1957年規則では、1等駅から3等駅までについて、広告の掲出位置によって3区分されていたが、1982年規則では1等駅から16等駅までは8等級に、17等駅から21等駅までは3等級に区分された。ここまできめ細かく料金を分ける意味があったのだろうか。

1等級の駅は、所属する鉄道管理局の順に池袋、東京、横浜、渋谷、新宿、大阪の6駅。東京、新宿、大阪は1954年の特等駅。池袋、渋谷は1等駅を維持し、横浜は2等駅から昇格した。2,3等駅はなく、4等駅は上野(1957年の特等から転落)、有楽町(1等)、新橋(1等)、高田馬場(2等)の3駅。

構内営業規則の営業種別は、構内旅客営業では主たる営業が立売営業から店舗営業に変わり、手回り品運搬やくつみがきなどは雑営業として区分された。構内公衆営業では、駅ビルの店舗、ホテルなどにおける営業が主となった。構内旅客運送営業から馬車・人力車・厚生車などが消えたが、「タクシー、ハイヤー及びバス以外の乗り物を乗入れて行うもので国鉄が指定した」雑営業が規定されている。

2018年度JR東日本駅別乗車人員

JR東日本各駅の乗車人員2018年度を発表した。リストされているのは928駅で、2017年度の950駅から22駅減った。山前、後閑など23駅が消え、新たに紫波中央が加わった。

例年どおり、増減数と増減率のトップ10、ボトム10の駅を記載する。まずは、増減数トップ10。

  路線 2018 順位 2017 順位 増減数 増減率
1 東京 東海道 467,165 3 452,549 3 14,616 3.2%
2 新宿 山手 789,366 1 778,618 1 10,748 1.4%
3 大崎 山手 173,136 14 164,876 16 8,260 5.0%
4 新橋 東海道 281,971 7 277,404 7 4,567 1.6%
5 舞浜 京葉 83,157 55 79,063 57 4,094 5.2%
6 目黒 山手 115,560 28 111,655 32 3,905 3.5%
7 品川 東海道 382,442 5 378,566 5 3,876 1.0%
8 浜松町 東海道 162,143 17 158,368 17 3,775 2.4%
9 横浜 東海道 423,651 4 420,192 4 3,459 0.8%
10 新大久保 山手 51,438 97 48,220 99 3,218 6.7%

東京、新宿の1位、2位は前年度と変わらず。新橋、品川、横浜、新大久保も前年度のトップ10。大崎、目黒と山手線南部の駅の伸びが顕著である。恵比寿と五反田も、それぞれ16位、18位とトップ20に入った。また渋谷が2015年以来の増加に転じた。

次に、増減率トップ10。

  路線 2018 順位 2017 順位 増減数 増減率
1 富岡 常磐 225 801 86 901 139 161.6%
2 あきた白神 五能 38 912 24 937 14 58.3%
3 野蒜 仙石 197 815 147 870 50 34.0%
4 浪江 常磐 24 919 18 943 6 33.3%
5 芦沢 奥羽 45 909 35 933 10 28.6%
6 上野尻 磐越西 20 923 16 944 4 25.0%
7 ほっとゆだ 北上 120 867 98 893 22 22.4%
8 羽前椿 米坂 25 917 21 941 4 19.0%
9 姨捨 篠ノ井 64 900 56 923 8 14.3%
10 三厩 津軽 25 917 22 938 3 13.6%

2017年度中に復旧開業した富岡が通年の数字となって、大きく増加した。あきた白神ほっとゆだと東北の観光地駅が増加。あきた白神は2000年以降最大。羽前椿は、前年増減率ボトム8位だったが、その反動か。

次は増減数ボトム10。

  路線 2018 順位 2017 順位 増減数 増減率
1 千駄ケ谷 中央 17,268 213 19,015 200 -1,747 -9.2%
2 新杉田 根岸 37,382 117 38,320 115 -938 -2.4%
3 松戸 常磐 99,909 42 100,831 41 -922 -0.9%
4 飯田橋 中央 92,988 48 93,871 47 -883 -0.9%
5 秋川 五日市 6,690 322 7,214 311 -524 -7.3%
6 錦糸町 総武 105,669 38 106,164 34 -495 -0.5%
7 高尾 中央 28,871 151 29,270 147 -399 -1.4%
8 十日市場 横浜 20,804 187 21,175 182 -371 -1.8%
9 南多摩 南武 6,784 321 7,109 314 -325 -4.6%
10 西八王子 中央 32,216 137 32,492 137 -276 -0.8%

千駄ケ谷は、2014年(10位)、2015年(5位)に続くボトム10ランクイン。データがある2000年度以降のピークは2000年の23,123人で、25.3%の減。

最後に増減率ボトム10。

  路線 2018 順位 2017 順位 増減数 増減率
1 平滝 飯山 3 928 5 949 -2 -40.0%
2 向能代 五能 30 915 40 929 -10 -25.0%
3 太海 内房 63 901 81 906 -18 -22.2%
4 信濃白鳥 飯山 7 927 9 947 -2 -22.2%
5 狩川 陸羽西 65 899 83 904 -18 -21.7%
6 柳津 気仙沼 43 910 54 924 -11 -20.4%
7 鳴子御殿湯 陸羽東 53 905 64 919 -11 -17.2%
8 磐城棚倉 水郡 166 840 195 838 -29 -14.9%
9 刈和野 奥羽 310 765 364 758 -54 -14.8%
10 上小 水郡 46 907 54 924 -8 -14.8%

昨年増加率トップ9位の太海が大きく減らした。羽前椿とは逆の反動のようだ。

駅がない市町村を通過する路線

市名と駅名の関係(市代表駅)及び町村名と駅名の関係(町村代表駅)を更新した。駅がない市町村をF区分としているが、駅はないが鉄道路線が通過している市町村に注記した。

市では、東海道新幹線綾瀬市牧之原市山陽新幹線宮若市九州新幹線那珂川市をそれぞれ通過している。在来線が通過している市はない。

一方町村では、新幹線だけが通過している町村が16あるほか、栃木県上三川町東北本線東北新幹線が、兵庫県太子町を山陽本線山陽新幹線が、熊本県氷川町を鹿児島本線九州新幹線が通過している。JRの在来線だけが通過しているのは3町。兵庫県のほか大阪府にも太子町があるが、面白いことに大阪府のほうにも駅がなく、近鉄南大阪線が通過。非JR路線の通過はほかに1町。京阪本線京都府久御山町をかすめている。

追記(6月17日):コメントで漏れを指摘された市町村の通過路線を追加し、両ページを更新した。以前、新幹線とこれに並行するJR路線、3セク路線が通過する市町村を調べたことがあったが、失念していた。思い出して、ファイルを開いたところ、漏れていた市町村がすべて含まれていた。神立駅土浦市との境界にあるかすみがうら市(第4回全国のJR駅五番勝負問ニ)についても、「常磐線が通過」として記載した。

また、丸子町などの指摘を受け、取消線で非現存町村であることを示した。Excelの元データでは、町村数の推移を管理しており、非現存町村として記載していた。「町村名と代表駅名の関係推移」には廃止町村としていたが、本表への記載を忘れていたらしい。丸子町などが上田市と合併したのは、平成の大合併の最盛期の2006年3月6日で、毎日のようにページを更新していた時期である。同日久慈市と合併した山形村も残っていたので訂正した。13年も放置していたミスが、コメントのおかげで発見された。

なお、上記の6月15日の記事は訂正していない。

第8回全国のJR駅五番勝負(終了)

第8回全国のJR駅五番勝負を終了し、共通項を発表します。今回もご参加いただきありがとうございました。全想定解と解説を記載した全国のJR駅五番勝負想定解・解説第8回をこのあとアップします。難易度分析(問題別回別)と全国のJR駅五番勝負・全想定解も今回の結果を追加し、おって更新します。

問題 共通項 想定解数
問一: 同一路線なのに乗換が必須の駅(代行バスを含む直通定期列車が1本もない) 35
問二: ローマ字順で各文字の最初の駅 24
問三: 語頭と語尾の読みが濁音の駅 38*1
問四: 駅名表記が三社以上共通する駅(同一地名に限るが、同一構内でなくてもよい) 50
問五: 乗り入れ列車の境界駅 52

難易度は前回より下げたつもりだが、誤答がこれほど出るとは予想していなかった。一方、難易度低下により、懸念していたメダルラッシュが起きた。問題別難易度は、問ニ>>問一>>問四>問五>問三と予想していたが、問四に苦戦した解答者が多かったことは意外だった。

問一は、列車の運転区間の細分化及び線路名称と運転系統の乖離と、災害による列車運休・バス代行区間を絡ませて出題した。非該当の新白河は、白河発黒磯行き列車(4120M)が1本だけある。

非該当の柳津は、鉄道が分断されているが、前谷地・気仙沼間直通のBRTがあり、乗換不要。同様に鉄道の運休区間代行バスの運転区間が一致していない場合は、鉄道の分断駅でも該当しない例がある。芸備線代行バスが三次・下深川間に運転されている中三田と狩留家は乗換不要で非該当。また豊肥本線代行バスは、肥後大津・宮地間の運転で、阿蘇も非該当。

問ニの問題駅は、JR北海道で統一。ラベンダー畑はL、比布はPで始まる唯一の駅。26字中、Q、V、Xには駅がない。KはKabe(河辺、可部)が2駅あり、想定解数は24となる。悩んだのは、J。JビレッジのJと villageのあいだをハイフンとするか、スペースとするかによって、自治医大(Jichiidai)との前後関係が変わる。Wikipediaはハイフンだが、JR東日本のサイトで確認できない。どちらか先に解答された方を正答にするつもりだった。

問三は、第7回問五に続く駅名の語頭と語尾の読みの問題。出題駅はすべて、語尾の寺を「じ」と読む駅。これに該当する駅は40駅あり、真の共通項の想定解数に近いので、国分寺を非該当駅に挙げ別解を排除した。語頭・語尾ともに濁音の「寺駅」は14駅あり、これを選択するのが無難だが、あえて「寺」以外に挑戦した解答が銅メダルを獲得。これで共通項が判明したと思ったが、その後も誤答が続いたのは意外だった。

問四は、6社共通で最多の横浜、5社で新宿と並ぶ小田原に加え、3社共通の3駅を出題した。住吉は、同一構内にない駅の例としてあげた。4社は新橋など7駅ある。三ノ宮は、阪急と阪神が神戸三宮、神戸市営地下鉄神戸新交通が三宮で非該当。市ケ谷は都営だけ「ヶ」だが許容する。

問五は、問一とペアの問題だが、難易度に大きな差がついた。高岡は、城端線から富山駅への列車が上りだけ2列車ある。清音は、総社・清音間が井原鉄道の第2種事業で、乗り入れではない。海部は、19年3月ダイヤ改正阿佐海岸鉄道との乗り入れが廃止され、非該当になった。

やまやまさんが金メダル4個で、3回連続のトップ通過でした。これは、ある程度予想していましたが、満を持して出題した問ニがわずか2時間余りで、問四より3時間も早く答えられたのには、唖然としました。この快走は今後も続くでしょうか。

このクイズ形式の良いところは、何人もが同じ問題を続けて答えられ、解答者のレベルに差があっても全員が楽しめることです。次回は9月に開催します。みなさんの参加をお待ちしています。

追記(6月11日):全国のJR駅五番勝負想定解・解説第8回を更新し、指摘を受けた問一と問五の想定解を追加・削除した。問一は、浪江、寺前、鳥取を外して32駅に変更。問五は長野を追加し、想定解は53となった。問一から外した駅は表から削除せず、非該当として「×」をつけて残した。狩留家など代行バスで乗換が不要の駅と、新白河鳥取と同様1本だけ直通列車がある秋田を非該当駅として追加した。それにしても、「はまかぜ」の列車特定区間を見逃していたのは全くの不覚。

難易度分析(問題別回別)と全国のJR駅五番勝負・全想定解も、第8回の結果を追加して更新した。回別難易度は、銅メダル所要時間、誤答率、総合難易度ともに第7回に次ぐ2位。問題別では、問二がすべて40問中1位。一方で、問五は銅メダル所要時間が39位、誤答率は0%で37位タイ、総合難易度は最下位の40位だった。

追記2(6月12日):コメントがあった問一の蟹田を想定解から外して、解説ページを更新した。問一の想定解は31に変更。

昨日更新した「全想定解」について、一つだけコメント。今回の問四を含め、過去6回の解答機会があった京都が1問も答えられていない。解答機会5問以上は、5駅あるが解答選択率0%は京都だけ。

*1:37を再訂正