「JR旅客制度特例の変遷」更新

5月30日の仙石東北ラインの運転開始により、JR東日本サイトの「きっぷあれこれ」の特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例のトップに塩釜・松島間が追加された。旅客営業取扱基準規程は閲覧できないが、149条1項1号として、

(1) 松島又は愛宕以遠(品井沼方面)の各駅と高城町以遠(松島海岸又は手樽方面方面)の各駅との相互間(塩釜・松島間)

が挿入されたのだろう。これによりデータルームのJR旅客制度特例の変遷を更新した。
本日の更新では、前記事へのコメントで指摘された、東京近郊区間の路線図を訂正した。3月16日の更新時に改訂した画像ファイルは、吾妻線を記載していたのだが、ファイルのアップロードを忘れていたらしい。また寒川・西寒川間の廃線区間について指摘を受けたが、大都市近郊区間が制定され、相模線が同区間に含まれた1973年4月1日以前に廃止されていたと誤解していた*1。これ以外に、大都市近郊区間の前身である電車特定区間に指定されていた五日市線武蔵五日市・武蔵岩井間(1971/02/01廃止)と中央本線国分寺東京競馬場間(1973/04/01廃止)も図に記載した。
コメント欄が旅規に関する掲示板のような趣きを呈している。それは別にかまわないのだが、以前から「管理人」と呼ばれるのは気になっていた。筆者は、ウェブのコンテンツを自ら企画し、執筆するオーナーであって、ウェブサイトや掲示板のマネージャーではないつもりなので、よろしく。

追記(6月6日):コメントで示されたtakaさんの疑問には同感である。私が予想していた条文は、

松島以遠(愛宕方面)の各駅と高城町以遠(松島海岸又は手樽方面方面)の各駅との相互間(塩釜・松島間)

だった。日本語の「1以上」が1を含むと同様、「松島以遠」は松島を含む。旅規または基準規程において「以遠」がその駅を含まないとすると、「松島又は愛宕以遠(品井沼方面)の各駅」は松島と品井沼を含むが、愛宕が中抜けになってしまう。だから「松島以遠(愛宕方面)」でよいはずで、その方が「高城町以遠(松島海岸又は手樽方面)」と平仄が合う。
一つ考えられるのは、線路名称上の分岐駅を単独駅として別建てにするという条文の起草法である。例えば、

武蔵白石又は浜川崎以遠(川崎新町又は昭和方面)の各駅と、大川駅との相互間(武蔵白石・安善間)
今宮又は芦原橋以遠(大正方面)の各駅と、JR難波駅との相互間(今宮・新今宮間)

の武蔵白石や今宮は、松島と同様、列車が停車しない分岐駅であるから、単独駅としている。しかし

西大井以遠(武蔵小杉方面)の各駅と品川以遠(田町方面)の各駅との相互間(品川・大崎間)

の分岐駅である品川は「品川又は田町以遠(浜松町方面)」となっていない。湘南新宿ラインが品川を通過するという、虚構上の分岐駅だからだろうか。
なお、

日暮里、鴬谷又は西日暮里以遠(田端方面)若しくは三河島以遠(南千住方面)の各駅と、尾久駅との相互間(日暮里・上野間、鴬谷・上野間)

鶯谷などは、区間外乗車の中間駅であるから、単独駅にせざるを得ない。

*1:宮脇俊三氏が「時刻表2万キロ」で「西寒川線」に乗ったのは1974年4月だった