非鉄の記者が鉄道について書くと...

鉄道に触れた新聞記事で、間違いや不適切な表現を目にすることが多い。日経の昨日の夕刊と本日の朝刊で立て続けに発見した。

曇った空から太陽が顔を出すかと思えば、いきなり雪が降り始める。JR福井駅で在来線に乗り換え春江駅に着くと、猫の目のように変わる天気が出迎えてくれた。

2月9日夕刊、連載記事「文学周遊」の第348回「福井・春江」。津村節子「絹扇」の舞台を紹介する記事の冒頭。記者は福井駅で、新幹線「サンダーバード」から在来線の普通列車に乗り換えたと思っていたのだろうか。

64年度の政府の一般会計予算が3兆2000億円、当時の大卒の初任給が約2万6000円、国鉄の初乗り運賃(現在のJR・山手線)が10円だった時代である。

2月10日朝刊、「経済史を歩く」第39回、「東京五輪(1964年) 戦後日本のひのき舞台」。国鉄の初乗り運賃は、全国一律3キロまで10円だった。国鉄について注記する必要があるなら「国鉄(現在のJR)」だ。
いずれも編集委員の署名記事である。非鉄の記者の鉄道に対する理解はこの程度としても、校閲部はチェックしないのだろうか。