連絡運輸乗継運賃割引制度の歴史を調べ、数回にわたって報告した。本日パスネットの不思議を更新し、脚注[3]と[4]に、調査結果を記載した。
これまでブログで紹介したものも含めて、首都圏の乗継運賃割引制度は、次の通り拡充されてきた。
1961/06/01 | 営団・都営間 |
1982/04/20 | 国鉄・営団の相互直通運転 |
1984/01/25 | 国鉄・民鉄のノーラッチ接続駅。民鉄・地下鉄の相互直通運転*1 |
1988/05/18 | 民鉄・地下鉄のツーラッチ接続駅*2 |
1991/03/31 | 北総・京成・都営・営団乗継 |
2005/08/24 | 京急・都営・京成の羽田・成田空港連絡割引 |
多くは運賃値上げ認可の見返りとして、運賃値上げと同時に実施されている。「東京都交通局80年史」(平成4年3月31日、東京都交通局)によると、84年1月には相互直通運転を行う各社に対し、88年5月には年間3万人以上の乗換客がある駅に、また91年3月の北総との乗継割引についても、それぞれ運輸省から指導があったという。5月13日の記事で紹介した昭和58年度運輸白書には、大手私鉄12社から乗継運賃制度を導入したいとの申し入れがあったと書かれているが、運輸省の暗黙の指導があったのだろう。
84年1月には国鉄と西武・東急・京急のノーラッチ駅での乗継割引も導入され、前述の運輸白書に「直通乗入れ及びノーラッチを対象」と書かれているので、京王と小田急の下北沢駅での乗継割引も同時に始まったと思われる*3。
京急・都営・京成の空港連絡割引開始は、思ったよりも遅く、つくばエクスプレスの開業と同時の2005年8月だった。これは、東京都地下高速電車連絡運輸規程の改訂履歴をたどり、「東京都公報」で確認した。