北総線運賃訴訟

北総線沿線住民が国に対し運賃認可の取り消しを求める行政訴訟がいよいよ始まった。asahi.comの記事

北総線運賃、値下げ求め住民ら提訴 国相手に行政訴訟
 北総線の運賃の是正を求めて、沿線住民らが17日、国を相手に運賃の値下げ命令などを求める行政訴訟東京地裁に起こした。原告は沿線の住民16人と1企業。住民や市議らが発足させた「北総線値下げ裁判の会」が原告を募集し、高運賃に悩まされている住民を絞り込んだ。
 北総線の運賃は、他の私鉄に比べて普通運賃で2倍から2.5倍、通学定期で4倍以上高いとされ、住民らは、同線の線路を使用する成田スカイアクセスの開通で、線路使用料を原資にした大幅な値下げを期待していた。
 訴えによると、スカイアクセスを運行する京成電鉄北総鉄道に支払う線路使用料について、親会社の京成側が一方的に有利な条件になっているのは違法だとして、国に対し、線路使用条件認可の取り消しと、適正な条件への変更を求めている。そのうえで、北総線の上限運賃認可の取り消しや、値下げ変更を命令するよう求めている。
 原告側は、現在の線路使用料は、スカイアクセスの開通に伴う北総線の減収分を埋め戻しているだけで、実質の使用料は支払われていない、と主張している。
(後略)

他のメディアの報道もほぼ同じ。原告団に加わったという「1企業」に興味があるが、どこも報じていない。
6月5日の記事で引用した「極端な遠距離逓減運賃」はさすがに争点から姿を消し、「京成が支払う線路使用料が北総線の減収分の補填だけで不当」という点に絞られたようだ。
北総の運賃は7月17日からの5%値引きによって隣接路線の東葉高速よりも安くなった。また、東葉高速東京メトロとの初乗り運賃区間の乗継割引だけなのに対し、北総の乗継割引は手厚い。京成線を介した都営地下鉄(30-40円)との乗継割引があり、さらにメトロ乗継には都営・東京メトロの乗継割引も適用される。「東京都交通局80年史」によると、1991年3月の直通運転開始に際し、運輸省から設定を求められたものだという(p328)。
東葉高速には線路使用料のような争点がないから、沿線住民としては手をこまねいているしかないのか。