7月25日の記事で営団と都営地下鉄の乗継割引の開始日は1961年6月1日と書いた。その内容が「東京都交通局90年史」(2003年3月、東京都交通局90年史編さん委員会編集・発行)で判明した。
当時都営(押上・浅草橋間)は20円の均一運賃で、営団は次のように線別の均一運賃であった。
- 銀座・丸ノ内線内:25円
- 荻窪線内(新宿・新中野間、中野坂上・中野富士見町間):20円
- 日比谷線内(南千住・仲御徒町間):20円
- 銀座・丸ノ内線⇔荻窪線:40円
- 銀座・丸ノ内線⇔日比谷線:40円
- 荻窪線⇔日比谷線:50円
営団・都営の乗継運賃は、次のとおり日比谷線から他線に乗り継ぐ場合と同額で、営団と都営の運賃併算額から5-10円割引いたものだった。
1961年11月1日、営団は対キロ区間制に変更し、このとき併算額から10円引き(ただし営団3キロまでの20円区間は5円引き)となった。以後*1初乗り運賃と割引額は次のとおり推移した。
改訂日 | 営団初乗り | 都営初乗り | 割引額 | |
66/01/20 | 30 | 20 | 10 | |
67/10/01 | 30 | 30 | 10 | |
72/08/01 | 40 | 30 | 10 | |
73/01/15 | 40 | 40 | 10 | |
74/10/01 | 60 | 60 | 20 | |
77/05/06 | 80 | 80 | 30 | |
78/10/01 | 80 | 100 | 30 | |
81/05/16 | 80 | 120 | 30 | |
82/01/08 | 100 | 120 | 40 | |
84/07/04 | 100 | 130 | 40 | |
84/11/01 | 120 | 130 | 40 | |
85/04/01 | 120 | 140 | 40 | |
90/11/01 | 140 | 140 | 40 | |
95/03/01 | 140 | 170*2 | 50*3 | |
95/09/01 | 160 | 170 | 50 | |
00/12/12 | 160 | 170 | 70 |
営団の前身東京地下鉄道は、1932(昭和7)年4月5日国鉄との連絡運輸を開始したが、「1935年9月20日、国鉄連絡は、上野、神田、新橋の何れの駅にても乗換自由となる。(一定調査によって割賦比率を定める)」と記されている。新橋・渋谷間を開業した東京高速鉄道が国鉄との連絡運輸を開始したのは、1941年2月1日で、このとき渋谷駅にも適用されたものと思われる。これが東京地下鉄道と東京高速鉄道から営業譲渡を受け、営団が業務を開始した1941年9月1日に引継がれ、1958年当時まで継続していたのだろう。