2004年NHKが関口知宏の「列島縦断 鉄道12000キロの旅−最長片道切符でゆく42日−」を放映したことにより、一部の乗り鉄にしか知られていなかった最長片道切符の旅が一躍脚光を浴び、その後多くの挑戦者が現れたようだ。
多くの鉄道書の著者である原口隆行氏が『最長片道切符11195.7キロ』を出版した。2005年夏行った最長片道切符の旅行記である。また、2005年以降の最長片道切符完走者のウェブサイトを新たに2件見つけた。「最長片道切符ルートの変遷1961-2007」の最長ルート探索の系譜にこれら3件の最長片道切符旅行を追記した。
『最長片道切符11195.7キロ』巻末には、乗車区間、列車、走行距離、宿泊地を記載した行程表が収録されている。書名にある11195.7キロは実乗距離で、森・大沼間と岩国・櫛ヶ浜間の二つの経路特定区間の営業キロを短絡ルートで計算すると11161.2キロとなり、筆者の探索したルート及びキロと一致している。原口氏は、おそらく最年長の完走者で、この記録は誰かが意図的に行なわないと破られないだろう。