史上最長片道切符旅行ゴールイン

2015年9月15日の記事で紹介した、史上最長片道切符を夢想する旅のAsaPi!氏が3月20日代行バス様似駅にゴールインし、史上最長片道切符ルートを踏破した。
1982年6月23日の東北新幹線大宮・盛岡間開業から、7月1日の仁堀航路廃止までの8日間、国鉄・JRの最長片道切符が史上最長だった。券面距離は、様似⇔枕崎の13,423.5キロ(鉄道13,222.5、航路201.0)。廃止前に仁堀航路に乗船するためには、6月23日か24日に枕崎を発つ、南→北ルートを取る必要があった。当時の最長ルートは路線の廃止と第三セクター移管により寸断され、1枚の片道切符で旅行することはできない。AsaPi!氏は、JR・三セクの現存路線は青春18きっぷやその都度乗車券を購入して乗車、廃止区間は、代行バス、民間フェリー、自転車などを利用し、307本の乗り継ぎで完遂した。
307本の内訳を、AsaPi!氏のサイトから引用する。

JR鉄道線が247本(福岡市営・土佐くろしお鉄道への直通列車を含む)、第三セクター鉄道15本、JRのBRT1本、廃止転換バス26本(転換バスの後継路線と思われるものも含む)、鉄道代行バス6本、バスでの振替輸送3本、自転車代行5区間、民間フェリー3区間、その他1区間でした。
第三セクター鉄道15本は肥薩おれんじ鉄道×2、松浦鉄道平成筑豊鉄道、京都丹後鉄道、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道×2、しなの鉄道天竜浜名湖鉄道IGRいわて銀河鉄道青い森鉄道×2です。 鉄道代行バス6本は、只見→会津川口、竜田→原ノ町、相馬→浜吉田、東鹿越→落合、鵡川→静内、静内→様似です。 バスでの振替輸送3本は、釜石→岩手船越(振替は定期券、回数券のみ)、岩手船越宮古(振替は定期券、回数券のみ)、川内→上米内(振替区間は川内→盛岡)です。
自転車代行5区間は、山本→東唐津添田→香春、真崎→熊ヶ畑、計呂地→佐呂間、浜佐呂間→常呂です。 民間フェリー3区間は、仁方→堀江、高松→宇野、青森→函館(いずれも前後は自転車移動)です。 その他1区間は、落合→新得(占冠村営バスとJR石勝線の組み合わせで移動)です。

「落合→新得(占冠村営バスとJR石勝線の組み合わせで移動)」とは、落合から代行バスで幾寅に戻り、占冠村営バスで占冠まで、「スーパーおおぞら3号」で新得というルート。

落合駅から上落合信号所付近までを占冠村営バス、上落合信号所から新得駅をこの「スーパーおおぞら3号」でクリアしたことにします。上落合信号所〜占冠駅を無駄に往復したことになりますが、それは気分ということで…。

なお、1月7日の記事のコメントで、代行バスがない落合・新得間には不通承知の乗車券が発売されており、現時点で暫定最長ルートを変更する必要はないことがわかった。
しかし、根室本線富良野新得間は、JR北海道当社単独では維持することが困難な線区のバス転換3線区に含まれている。このバス転換だが、JR東日本のBRTのようにJR北海道の直営バスに転換し、バス区間をはさんで前後の鉄道線のキロを通算する乗車券が発売されるかどうか不明である。また、日高本線鵡川・様似間についても、「既に『持続可能な交通体系のあり方』等について話し合いを始めている」とされ、復旧せずに廃止となることが予想される。この両区間が廃止されると、北海道内の最長ルートの大幅変更にとどまらず、最長片道切符ルートの起終点が変更になる*1
ツイッターの記事*2によると、北海道内は長万部を終着駅とする6の字ルートが最長となる。九州も肥前山口を終着駅とする6の字ルートであるから、これと合わせて、1987年3月30日羽幌線廃止時に出現した「メガネルート」が復活する。肥前山口・大町間または肥前山口肥前白石間(どちらも5.1キロ)を切断した、九州発長万部が最長ルートになる。

*1:その前に、2018年4月1日の三江線廃止による、西日本ルートの大幅短縮がある

*2:筆者からメールをもらったが紹介が遅れていた