大手私鉄旅規目次

3月25日運行開始のS-TRAIN座席指定券が3月18日から発売されたことにともない、東急東京メトロの旅規が3月18日現在に更新された。京急近鉄を含めウェブに旅規を掲載している大手私鉄4社に有料列車がそろったのを機に、旅規ポータルに大手私鉄旅規目次を掲載し、JR東日本と4社の旅規目次を対比した。
東急は、S-TRAINが初めての有料料金列車であり、座席指定券及び座席指定料金の規定の挿入とともに、「乗車券」が「乗車券類」に、「運賃」が「運賃・料金」に変更になった*1東京メトロの旅規は、座席指定券の条文が追加されたほか、「特別急行券(料金)」が「特別急行券(料金)及び座席指定券(料金)」に変更された。
対比してみると、東京メトロに貸切乗車券と入場券の制度がないことがわかる。また第7章第2節第2款に「乗越し」と「方向変更及び経路変更」を分けて記載し、国鉄が1970年10月の旅規改定で「区間変更」に統合した以前の構成が残っている。
4社の中で条文構成に独自色が見られるのは近鉄である。第5条の諸料金切符は、国鉄時代の旅規荷物編第326条に荷物運賃・料金等を収受する場合に交付するとの規定があったが、単独の条としては存在しなかった。「消費税課税の運賃・料金」が第1編総則ではなく、第2編3章旅客運賃・料金の第1節通則にある。また、乗車変更に使用開始前の乗車券類変更の規定がない。
東急と京急国鉄・JRの条番号を踏襲し、東京メトロ近鉄は独自に附番している。東急は、座席指定料金を第139条の2及び5、座席指定券の効力を第182条の4及び5、(6)として、欠番を設けJRの枝番号と一致させている。京急は、JRの旅規だけにある節、款も記載し、「削除」としている。第10章第2節も「削除」だが、これは国鉄時代に青函連絡船の入浴券が規定されていた節である。
なお、東急では渋谷、自由が丘及び横浜のS-TRAINの停車駅相互間の乗車も可能である。自社線内の座席指定料金は大人350円であるが、横浜高速鉄道線のみなとみらい、元町・中華街まで乗車しても同額である。第139条の2(座席指定料金)に

第61条の規定によって発売する座席指定料金は、次のとおりとする。
   大人 350 円
   小児 180 円
ただし、東横線横浜高速鉄道線を同一の列車で乗車する場合は、上記で定めた座席指定料金から大人100円、小児50円を差し引いた額とする。

と規定されており、横浜高速鉄道の座席指定料金は大人100円、小児50円のようだ。自社線内だけの座席指定券を発売しない東京メトロの座席指定料金が第40条の2に大人210円と規定されているように、横浜高速鉄道も旅規に座席指定料金を規定しているのだろう。

*1:第5章第2節の見出しが「乗車券の様式」となっているが、第6款として座席指定券の様式が規定されているので、「乗車券類の様式」とすべきだろう