BRT利用最長片道切符

デスクトップ鉄のデータルームの「最長片道切符ルートの変遷1961-2011」では、2012年8月20日気仙沼線のBRT代行バス運行開始による2012年8月暫定最長ルートを紹介している。ところが、12月22日のBRT正式開業で気仙沼線はBRT線として鉄道線ではなくなり、鉄道線による暫定最長ルートは8月20日以前のルートに戻ってしまった。
2012年12月29日の記事で、気仙沼線BRT運行開始の通達にBRT線の前後の鉄道運賃通算の規定があることを紹介したが、最長片道切符を

JRの営業路線のみ(切符が通しで発券できるもの、BRTを含む)を利用し、1枚の乗車券として発行可能な最も営業キロの長いルート

と定義し、BRT気仙沼線を通過する最長片道ルートを旅行をされている方がいる。SHIOSAI_4031さんのJR最長片道切符の旅2013に、旅行を始めたいきさつと旅行記が掲載されている。
「最長片道切符ルートの変遷1961-2011」で気仙沼線BRT正式開業後の暫定ルートの更新をさぼっていたのは、旅規第7条第3項の「みなし開通」区間として、代行バスの有る区間だけを「暫定ルート」に組み込むことに疑問を生じたためである。暫定ルートは、山田線や常磐線の不通区間によって、九州新幹線開業後の2011年3月12日ルートから大幅に距離を減らしているわけだが、これらの区間は現在も鉄道区間である。代行バスがないため「みなし開通」区間ではないが、第7条第1項の「不通承知」で最長片道切符が発売されるかもしれない。山田線の不通区間には路線バスがあるし、常磐線は、原ノ町・福島間の路線バスと東北本線磐越東線を迂回して、広野から最長片道切符旅行を再開できる。一方、気仙沼線は鉄道区間ではなくなり、BRTでしか最長片道ルートに組み込めなくなった。
SHIOSAI_4031さんの旅行記は、稚内駅から東京駅までの10日間が記載されているが、この区間函館本線の不通で代行バスに乗車している。9月6日再開するというルートでも山陰本線山口線の不通区間が控えている。というわけで、震災による運休区間以外も鉄道だけでは最長ルートを完遂することはできないのだ。
SHIOSAI_4031さんがBRTによる最長片道切符に挑戦されたことに敬意を表し、今後の旅行の無事をお祈りしたい。