鉄道路線存廃協議相次ぐ

JR西日本は2月3日、大糸線南小谷糸魚川間について沿線自治体と「活性化及び持続可能な路線としての方策検討」の協議を3月から始めると発表した(リリース)。JR西日本はバス転換や上下分離も議論のテーマにする意向と報じられている(新潟日報)。

これに先立ち1月28日、JR北海道が廃止の意向を示していた根室本線富良野新得間について、沿線の4市町村は路線の存続を断念、バス転換の協議に入ることになった(朝日)。続いて、北海道新幹線の札幌延伸開業に伴い経営分離される函館本線長万部・小樽間についても、2月3日沿線9自治体のうち小樽市余市町を除く7自治体がバス転換を受け入れる意向を示し、少なくとも長万部余市間の廃止が確定的となった(毎日)。

相次ぐJR鉄道ネットワークの寸断は、最長片道切符ルートに影響する。大糸線松本・糸魚川間は、1960年以降一貫して最長ルートを構成してきた。小谷・糸魚川間が廃止となると、本州のルートが大幅に変更になる。Excelソルバーが不調な現在、この区間が外れた最長ルートの探索は困難をきわめる。JR北海道の方は、現行ルート

稚内(宗谷)新旭川(石北)網走(釧網)東釧路(根室)新得(石勝)追分(室蘭)岩見沢(函館)新函館北斗(北海道幹)新青森

が、函館本線札幌・新函館北斗間が北海道新幹線経由に変更される。
なお、ルートの終点肥前山口駅は西九州新幹線開業時に、自治体名の江北に改称される。

ルートに影響しないが、最長片道切符ルートの変遷表2国鉄・JR鉄道ネットワークの変遷」に、2020年5月以降に廃止・譲渡された札沼線北海道医療大学新十津川 間、牟岐線阿波海南・牟岐間、日高本線鵡川・様似間を追加した。

追記(2月7日):コメントを受けて見直した結果、JR北海道の現行ルートは

稚内(宗谷)新旭川(石北)網走(釧網)東釧路(根室)富良野(富良野)旭川(函館)岩見沢(室蘭)沼ノ端(千歳)白石(函館)新函館北斗(北海道幹)新青森

だった。「最長片道切符ルートの変遷」表1の1995/09/04 深名線廃止時の経路の表記に誤り(ルート、キロ及び地図は正しかった)があり、これを転記してしまった。

現行ルートが通過していた富良野新得間の廃止により、コメントのように肥前白石または大町発長万部着となる6の字切符のメガネ型ルートが復活するようだ。1987年3月30日の羽幌線廃止から1989年5月1日の名寄本線天北線廃止まで、音威子府が終着のメガネ型ルートだった。新幹線札幌延伸後は、新幹線の距離が函館本線よりも短くなるため、長万部着から稚内発に戻るとのこと。

なお、紹介を受けた最長片道切符の流儀とバリエーションにはデスクトップ鉄のページもリンクされているが、当ページの流儀は「営業キロ最長、JR鉄道線限定、日暮里乗継有効、山陽新幹線新下関~博多間新在同一」である。鉄道線限定については、代行バスは鉄道線とみなし、代行バスがなかった山田線宮古・釜石間などは暫定ルートとしていた。気仙沼線BRTは代行バスとして鉄道線の扱いだったが、2020年4月1日の鉄道廃止により最長ルートから外れた(国鉄の直営だった国鉄バスと同じ扱い)。日暮里問題については「日暮里・鶴見問題」に詳述している。新下関~博多間は新幹線と在来線-同一路線扱いの虚構と矛盾の「新下関・博多間の特例」を参照。

なお紹介ページのように高性能ソルバーを使った最長ルートの探索が公開されるようになると、筆者のExcelソルバーの出番はない。Excelソルバーが不調なこともあり、今後は独自に計算せず紹介ページなどの結果を引用させてもらうことにする。