最繁忙期・繁忙期・閑散期

既報のとおり、4月1日からJR東海JR西日本JR四国JR九州がシーズン別特急料金に最繁忙期を導入し、4区分になる(JR九州は閑散期がない3区分)。グリーン車・寝台車の特急料金にも適用される。

発表されている2023年度のカレンダーで、それぞれの日数を比較した。

  JR東海・西日本・四国・(九州)
  最繁忙期 繁忙期 通常期 閑散期
JR北海道
東日本・
西日本
(北陸幹)
最繁忙期 17 8 4 1 30
繁忙期   31 10   41
通常期 1 34 133 17 185
閑散期     19 91 110
18 73 166 109 366

最繁忙期は、JR東海などの18日に対しJR東日本などは30日と倍近い。JR東日本などの最繁忙期で、JR東海などが閑散期としているのが1日ある。それは4月27日(木)で、前後の26日はどちらも閑散期、4月28日は最繁忙期である。逆にJR東海などの最繁忙期5月7日(日)は、JR東日本などが通常期である。ゴールデンウィークの旅客のピークは、東日本が1日早く始まり、早く終わるのだろうか。

4月1日のJR旅規改定

JR東日本の運送約款のサイトに、2023年4月1日施行の旅規改正公告が掲載された。3月18日施行の改定に続く今春の旅規改定の第2弾で、3月18日改定後の規則と対比している。

JR東海JR西日本JR四国JR九州の最繁忙期設定に伴うシーズン別特急料金の期間規定が別表に移行する。57条の3第1項の本文には先行したJR北海道JR東日本JR西日本北陸新幹線)の期間規定が残る。シーズン別料金のグリーン車・寝台車への適用もあり、同じ文章の繰り返しで、125条が大幅に変更になる。

今回の改定ではJR西日本の運賃・料金の値上げが目立つ。B特急料金の廃止(57条の3第2項)、鉄道駅バリアフリー料金(140条)、私鉄対抗の特定運賃の改定(別表第2号イの6、別表第2号レ)、のぞみ・みずほの特急料金の改定(別表第2号ネ)がある。新幹線特急料金値上げは認可された上限料金の範囲とのこと(2022年7月13日リリース)。

近年特急の乗り継ぎ割引が縮小されてきたが、新幹線及びサンライズ瀬戸から四国内特急への乗り継ぎ割引も廃止となる。

 

 

3月18日のJR旅規改定

JR東日本JR東海の運送約款のサイトに、2023年3月18日施行の旅規改正公告が掲載された。JR東日本の東京電車特定区間の運賃に加算される鉄道駅バリアフリー料金関連の条項がほとんどである*1

新設された140条でバリアフリー料金は旅客運賃とは別個の料金であることを明示し、66条で旅客運賃とあわせて収受すると規定している。

(鉄道駅バリアフリー料金)
第140条 第78条第2項第1号に定める東京附近における電車特定区間及び第80条の規定を適用する区間(同条第1項第1号から第4号の区間にかかるものに限る。)内相互発着となる区間に乗車する場合は、鉄道駅バリアフリー料金を収受する。
2 前項の規定により収受する鉄道駅バリアフリー料金は、次の各号に定めるとおりとする。
⑴ 大人片道普通旅客運賃とあわせ収受する額
 片道乗車あたり10円
⑵ 定期旅客運賃(通学定期旅客運賃を除く。)とあわせ収受する額
 1箇月 280円
 3箇月 790円
 6箇月 1,420円

なお、80条第1項第1号から第4号の区間とは、東京電車特定区間に並行する新幹線区間

(旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金のあわせ収受)
第66条 第140条に定める鉄道駅バリアフリー料金は、当該乗車にかかる旅客運賃(前条第1号ロに定める通学定期旅客運賃を除く。)とあわせ収受することとし、鉄道駅バリアフリー料金のみでは取り扱わない。 

このため旅客運賃の各条項に「(第 66 条の規定により旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金とをあわせ収受する場合はその合算額)」が挿入されている。東京電車特定区間内の駅の入場料金は最低運賃との整合性をとるため、10円加算され150円になった。

オフピーク定期券導入に伴い通常の通勤定期運賃が値上げされ、別表第2号ト、トの2、ヲ、ヨ及びレの定期運賃表(バリアフリー料金加算前)が改定されている。オフピーク定期運賃は旅規に規定されていない。

84条第2号東京電車特定区間相互発着の10キロまでの運賃の特定額から、小児運賃が削除されているのはなぜだろう。

*1:JR西日本バリアフリー料金適用は4月1日から。JR東海ほかの最繁忙期設定も4月1日

回数券廃止続く

2022年6月21日の記事以降も、回数券廃止が続いている。昨年12月30日の相模鉄道、12月31日の関東鉄道に続き、東京メトロ東急電鉄が2月28日、山陽電気鉄道が3月31日で回数券の発売を終了する。

同記事の表に漏れていた会社と新規に廃止された会社を加え、再掲する。

事業者 廃止対象 発売終了日 リリース
京阪電気鉄道 京阪線鋼索線 2020/12/31 2020/07/10
JR九州 JR西日本連絡回数券以外 2021/06/30 2021/04/20
区間 2021/09/30
西日本鉄道 区間 2021/07/31 2021/06/17
JR西日本 ICOCA区間 2021/09/30 2021/03/31
区間 2022/09/30 2022/06/29
東武鉄道 区間 2021/09/30 2021/07/14
京都市営地下鉄 昼間割引回数券*1 2021/09/30 2021/05/26
江ノ島電鉄 区間 2021/12/31  
愛知環状鉄道 区間 2021/12/31  
横浜市営地下鉄 普通回数券*2 2022/03/31 2022/04/01
叡山電鉄 区間 2022/03/31 2022/02/08
小田急電鉄 区間 2022/07/31 2022/03/08
大阪モノレール 区間 2022/07/31 2022/04/22
新京成電鉄 区間 2022/08/31 2022/06/17
JR東日本 区間 2022/09/30 2022/04/26
JR東海 区間 2022/09/30 2022/06/10
JR四国 区間 2022/09/30 2022/06/16
阪神電気鉄道 区間 2022/09/30 2022/03/10
JR北海道 区間 2022/09/30 2022/07/19
相模鉄道 区間 2022/12/30 2022/10/21
関東鉄道 区間 2022/12/31 2022/11/25
東京メトロ 区間 2023/02/28 2022/10/25
東急電鉄 区間*3 2023/02/28 2022/12/16
東京都 地下鉄、日暮里・舎人ライナー 2023/03/17 2022/12/22
鹿島臨海鉄道 区間*4 2023/03/17 2022/12/20
山陽電気鉄道 区間 2023/03/31 2022/08/08
阪急電鉄 区間 2023/04/30 2022/08/08
能勢電鉄 区間 2023/04/30 2022/08/08

問題なのは各社がひろく周知せず、ひっそりと廃止していることである。東京メトロは、メトロポイントクラブの「ランク制度」がスタートするというリリースに「なお、2023年2月28日(火)の発売をもって一部を除く回数乗車券の発売を終了いたします。」と書かれているだけ。駅に掲示されているポスターもみかけない。ポイントの付与を前面に打ち出したリリースで、ついでに回数券の廃止を記載しているのはこれまでも見られたが、東京メトロのように一行ですませたものはなかった。

前記事の表に漏れていたのは、阪神京都市営地下鉄横浜市営地下鉄。両市営地下鉄は対照的で京都市が昼間割引回数券、横浜市普通回数券を廃止した。

JR北海道相模鉄道がウェブに掲載している旅規は、それぞれ回数券廃止以前の2022年10月1日、2021年7月21日現行版で、回数券発売の条項が残っている。

追記1(1月27日):コメントの東京都を追加。

追記2(1月30日):コメントの鹿島臨海鉄道阪急電鉄能勢電鉄を追加。なお、表は2020年以降に廃止された鉄道の回数乗車券を記載している。

*1:普通回数券は存続

*2:昼間割引、土休日割引回数券は存続

*3:世田谷線の回数券は発売終了後10年間有効

*4:サッカー観戦回数乗車券は存続

旅規リンク集更新

旅規ポータルの旅規リンク集を更新した。7カ月ぶりの更新だが、新たに掲載した鉄道事業者はなく*1JR東日本ICカード乗車券関連の単行規程などを追加したほか、デッドリンクの解消と最新版urlへの変更を行った。urlが変更になったものは updated と表示している。

pdf版の旅規を掲載している事業者は、改定にあたってホルダーやファイル名を変更することが多い。東急や相鉄などは新ファイルを追加し、旧ファイルをサーバーに残している(東急:2020年1月31日版最新2022年12月16日版。相鉄:2021年3月13日版最新2021年7月1日版)ので、Google東急 旅客営業規則を検索すると、最初に表示されるのは2020年1月版のpdfファイルである。これまでの旅規リンク集の更新では、デッドリンクだけを更新したので、その後掲載された最新版にリンクしていないケースがあった。今回は各社のトップページから最新版を検索し、記載した。

バス会社の一般乗合旅客自動車運送事業運送約款は、有力バス会社を検索して、西鉄バスなど27社と川崎市バスなど3市を追加した。国土交通省の標準約款に基づいているので内容はほぼ同じだが、ウェブ公開会社のリストに意味があると考えて、更新した。日本最大のバス会社の神奈川中央交通は未公開である。

*1:大手私鉄のなかで名鉄阪神は、いまだに約款をウェブ公開していない

2023年春JRダイヤ改正

昨日JR各社から2023年3月18日のダイヤ改正が発表された。鉄道コムは、私鉄を含む各社の公式リリース(JR東日本JR西日本は、各支社のリリースにも)へのリンクを掲載している。JR7社共同の2023年春ダイヤ改正についてでは、次の9件(すべて本州3社の件名)が旅客列車関係の目玉となっている。

新駅は、田沢湖線・前潟、京葉線・幕張豊砂と大阪駅うめきたエリア)。大阪が同名駅となるが、新大阪~西九条は同一路線扱いとなるのだろうか。日高本線・浜田浦が廃止され、釧網本線・細岡が4月25日から11月30日のみ営業の臨時駅となる。留萌本線・石狩沼田~留萌の廃止は4月1日(3月31日限り)。

私鉄の目玉は、相鉄新横浜線・東急新横浜線の開業。相鉄本線からは東急目黒線都営三田線、メトロ南北線埼玉高速鉄道)へ、相鉄いずみ野線からは東急東横線(メトロ副都心線東武東上線)への乗り入れが主体になる。相鉄・東急ともに新横浜駅での新幹線乗継をアピールしており、JR東海は、早朝新横浜始発の「ひかり」に加え、新大阪行きの下り臨時「のぞみ」を新設、土・月を中心に運転する。

9月5日の記事で書いたように、相鉄は、相鉄新横浜線西谷~新横浜を区間に含む IC 通勤定期乗車券を所持する旅客に対し、追加運賃なしで相鉄本線横浜駅での乗降を可能とする「YOKOHAMAどっちも定期」サービスを開始する。

 

12月1日旅規改定

JR東海がウェブに12月1日施行の旅規改定公告を掲載した。JR北海道が11月30日限りで普通回数乗車券の発売を終了し、旅規の規定による普通回数乗車券は通信教育用だけになる*1ことに伴う改定。JR東日本の改正公告はまだ出ていない。

第39条(普通回数乗車券の発売)は、通信教育用の割引回数券の規定に代わり、第40条(通学用割引普通回数乗車券の発売)から第1項が移行する。第40条は見出しが「通学用割引普通回数乗車券を購入する際に提出する学生割引証」に変更となり、現行の第2項、第3項が残る。

追記(11月30日):明日の施行を前に、JR東日本旅規改訂履歴(条項順日付順)を更新した。

 

 

*1:身体障害者知的障害者用割引回数券は、それぞれ身体障害者旅客運賃割引規則、知的障害者旅客運賃割引規則に規定