私鉄の鉄道駅バリアフリー料金規定

3月18日は、首都圏の鉄道事業者が鉄道駅バリアフリー料金の収受を開始した日でもあった。2月8日の記事に書いたとおり、JR東日本の旅規は、鉄道駅バリアフリー料金を運賃とは別の特殊料金として、旅客運賃と「あわせ収受する」と規定した。バリアフリー料金を適用した東京メトロ東武鉄道西武鉄道小田急電鉄相模鉄道横浜高速鉄道各社の3月18日改定の旅規もJR東日本と同様の規定であるが表現が異なる。

西武は、JR東日本の規定にもっとも近い。「第9節 鉄道駅バリアフリー料金」を新設し、

(鉄道駅バリアフリー料金)
第140条 鉄道駅バリアフリー料金は次のとおりとする。
(1) 大人片道普通旅客運賃とあわせ収受する額 1乗車につき10円
(2) 定期旅客運賃(通学定期旅客運賃を除く。)とあわせ収受する額
     1ヵ月 600円
     3ヵ月 1,710円
     6ヵ月 3,240円

と規定、普通運賃と「あわせ収受」するとした。

(旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金のあわせ収受)
第66条 第140条に定める鉄道駅バリアフリー料金は、当該乗車にかかる旅客運賃(前条第1号イに定める通学定期旅客運賃を除く。)とあわせ収受することとし、鉄道駅バリアフリー料金のみでは取り扱わない。

東武小田急も、東武と同様それぞれ「第8節 鉄道駅バリアフリー料金」を新設しているが、次のとおり旅客運賃に加算するとし、「あわせ収受」という表現をとっていない。

(旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金の合計額の計算方) 
第72条 普通旅客運賃には規則第130条に規定した料金を加算するものとし、普通旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金の合計額を基準に運賃を算出するものについては、これを基準に計算するものとする。
2 通勤定期旅客運賃には規則第131条に規定した料金を加算するものとし、通勤定期旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金の合計額を基準に運賃を算出するものについては、これを基準に計算するものとする。 

東京メトロは折衷版で、

(鉄道駅バリアフリー料金)
第42条の3 旅客運賃のうち、鉄道駅バリアフリー料金を加算するものについては、旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金をあわせて取り扱うこととし、鉄道駅バリアフリー料金のみでは取り扱わない。
2 旅客運賃を基準に算出するものについては、旅客運賃及び鉄道駅バリアフリー料金の合算額を基準として計算する。

とし、第51条、第57条などで、普通運賃・通勤定期運賃に鉄道駅バリアフリー料金を加算すると規定。横浜高速鉄道は、普通運賃・通勤定期運賃に加算するという規定だけ。

相鉄の旅客営業規則はあいかわらず、2021年7月1日施行版だが、3月18日改定の対照表(トップページからリンクされていない)を見つけた。バリアフリー料金規定は東武小田急スタイル。また新横浜線延伸区間の加算運賃を規定している。昨年12月30日限りで廃止された普通・時差・土休日回数券の規定は削除されていない。

東京都営地下鉄もメトロ南北線と共用する三田線目黒・白金高輪間にバリアフリー料金が加算されるが、東京都地下高速電車旅客営業規程は改定されていない*1

各社のICカード乗車券規則は、PASMOの標準約款にあわせてほぼ同文*2

(鉄道駅バリアフリー料金)
第6条の3 第6条第2項に規定した大人片道普通旅客運賃には、鉄道駅バリアフリー料金として1乗車につき10円を加算するものとする。
2 大人片道普通旅客運賃を基準に運賃を算出するものについては、前項により算出した大人片道普通旅客運賃を基準として計算するものとする。

ここでもJR東日本は「あわせ収受」である。

IC運賃と鉄道駅バリアフリー料金のあわせ収受)
第29条の2 旅客規則第140条第1項に規定する区間内相互発着となる区間に乗車する場合は、同条第2項第1号に定める鉄道駅バリアフリー料金を第33条から第35条及び第37条に規定するIC運賃とあわせ収受します。

本日旅規ポータルのリンク集及びJR東日本旅規改訂履歴(条項順)・(日付順)を更新した。旅規改訂履歴には4月1日施行の改定も含めた。

*1:東京都地下高速電車ICカード乗車券取扱規程も同じ

*2:東京メトロは「ものとする」がない