鉄道事業者の資本関係(1)

鉄道事業者が他の事業者の株式を所有する所有・被所有の資本関係を図で示す。

第1回は、JR。社名の太字は鉄道事業者(*は貨物専業、**は第3種事業者)、水色の網掛けは上場会社。地方公共団体は、鉄道事業者のみ記載した。%は持株比率で赤は過半数所持、青は筆頭株主を示す(「鉄道要覧」記載の2021年3月31日現在の数字)。

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JR東海は、上場会社のJR九州の株式を取得している。

JR貨物は、旅客営業兼営の鹿島、水島を含む各地の臨海鉄道の筆頭株主。臨海鉄道は、高度成長期に臨海コンビナートの貨物輸送を行うため国鉄地方公共団体、立地企業の出資で設立された。国鉄の出資がJR貨物に承継された。1962年の京葉臨海鉄道が第1号で、秋田臨海鉄道が2021年3月31日限りで運行を終了し、現在9社。

JR貨物は、第2種事業者として線路を借りて運行している道南いさりび鉄道肥薩おれんじ鉄道にも出資しているが、同様のIGRいわて銀河鉄道やあいの風とやま鉄道などの株式は所有していない。道南いさりびと肥薩おれんじは、自社の旅客列車はディーゼルカーで運行*1し、JR貨物のために電化を維持していることと関係があるのか。