パスネットの不思議更新

4月4日の記事で予告したようにパスネットの不思議旅規の環状線規定を更新した。環状線区間を有する東武、京成、西武と阪急がウェブで旅規を公開したため、これに基づき脚注2の表「環状線部分の運賃計算及びう回乗車の取扱」を改訂した。

各社の環状線に関する規定は、条番号等の変更はあるが、阪急を除き2011年に駅で閲覧したときと変わっていなかった。阪急は、細則*1にあった規則63条の注(環状線内運賃区間数が3区(10キロ)以上の乗車券(定期券を除く)に限定してう回を認める)が規則63条2項に移行していた。当時はう回乗車の取り扱い補足に「9キロ以下は本来う回を認めないが、やむを得ない場合は360円」と記載されていたが、ウェブ運賃検索で「う回」を選択すると9キロ以下でも最短経路の運賃が表示されていた。現在、補足が存在するかどうかは不明で、運賃検索で「う回」の選択はできない。

脚注3の東京メトロ・都営通過連絡定期券発売区間を改訂した。変更はわずかで、都営三田線水道橋・西高島平間から神保町(半蔵門線)青山一丁目接続大江戸線代々木・清澄白河間が削除され、銀座線赤坂見附・渋谷間から青山一丁目(大江戸線)六本木接続日比谷線広尾・中目黒間が追加されただけである。

脚注4の「首都圏乗継割引設定全区間」の接続駅のラッチ数を見直した。下北沢駅大和駅に中間ラッチが設置されたため、直通運転と関係のないノーラッチ駅(簡易自動改札もなし)は、渋谷(東横線半蔵門線田園都市線副都心線)、中目黒(東横線日比谷線*2)、北千住(伊勢崎線・千代田線)、九段下(半蔵門線新宿線)の4駅だけになったようだ。一方、メトロ・都営の2ラッチから1ラッチ化は、市ヶ谷、後楽園=春日、門前仲町青山一丁目人形町が加わった。

パスネットが登場したのは2000年、PASMOが2007年にデビューし、1年後の2008年に販売を終了した。「パスネットの不思議」は初出が2003年である。関連するデータを脚注に置いているため、2015年にパスネットの利用が完全に終了してから5年経過したのに、相変わらず更新している。

追記(4月24日):首都圏の乗継運賃割引について旅規等の規定にあたって確認したところ、パスネットの不思議脚注4の「首都圏乗継割引設定全区間」から東武・京成の乗継割引(牛田・京成関屋接続)が漏れていた。これを追加して更新するとともに、首都圏各社局の旅規・連絡運輸規則等の乗継割引関連規定を首都圏乗継運賃割引規定にまとめて掲載した。

コメントに書いた東京都地下高速電車連絡運輸規程のほか、東武、西武、京成、小田急京急及び相鉄は旅規で乗継運賃割引設定区間と割引額を規定している。JR東日本は、連絡運輸規則22条で

(乗継割引普通乗車券の発売)
第22条 旅客が旅客会社線と連絡会社線との特定区間に乗継いで乗車する場合は、別に定めるところにより乗継ぎの割引普通乗車券を発売することがある。

とそっけない。東急と新京成も乗継運賃割引設定区間を規定していない。東京メトロの旅規には、乗継運賃割引の規定がない。ウェブで公開されていない連絡運輸規則などで定めているのだろう。

旅規ポータルの旅規リンク集を更新し、コメントで教示を受けた北総鉄道の旅規等と函館市の軌道事業ICカード取扱規程を追加した。なお、北総鉄道の旅規にも乗継運賃割引の規定はない。

*1:基準規程に相当

*2:相互乗り入れの廃止による