史上最長片道切符

最長片道切符ルートの変遷 1961-2015に書いているように、国鉄・JRの最長片道切符が史上最長だったのは、1982年6月23日の東北新幹線大宮・盛岡間開業から、7月1日の仁堀航路廃止までの8日間である。券面距離は、様似⇔枕崎の13,423.5キロ(鉄道13,222.5、航路201.0)。6月23日か24日に枕崎を発つと、廃止直前の仁堀連絡船で四国に渡ることができたが、史上最長片道切符旅行を実行した人の話は聞かない。
この史上最長片道切符のルートを現在旅行している人がいた。史上最長片道切符を夢想する旅のAsaPi!氏である。1月11日の記事で紹介した最長片道切符ルートの変遷地図を作成してくれた人だが、こんな企画を実施しているとは知らなかった。
もちろん当時のルートは路線の廃止と第三セクター移管により寸断されており、1枚のきっぷでこのルートを旅行することはできない。AsaPi!氏は、現存路線を青春18きっぷやその都度乗車券を購入して乗車、「廃止区間については三セク、代行バスや民間フェリー、自転車でカバー」し、

いつゴール出来るのか、全く予定も立てていません。現在は一枚の切符では出せないので、有効期限というものが存在しません。そのため、有効期限内に終わらせようと必死になる必要も無いので気は楽です

と書いている。 5月2日枕崎駅をスタートし、3回の中断を経て、8月10日京都駅まで完了した。
廃止区間に利用した代替交通機関が興味深い。多くが代行バスだが、廃線跡を自転車で走行した区間は、筑肥線(旧線山本・東唐津*1)、添田線(添田・香春間)、上山田線(真崎・熊ヶ畑間)。このほか仁堀航路に代えて呉・松山間のフェリーに乗船するため、仁方駅・呉中央桟橋間と松山観光港・堀江駅間も自転車。今後は、「湧網線代行バスが計呂地〜佐呂間、浜佐呂間〜常呂で事実上消滅」とのことで、自転車代行になる。「天北線代行バスも廃止の動きがあります」ので、実施時期によっては、ここも自転車のロングランになるかもしれない。

*1:姪浜・博多間の廃線跡はすでに自転車、徒歩、友人のクルマで全線走破済みとのことで、実質的代替交通機関である福岡市営地下鉄に乗車