大船渡線BRT

大船渡線BRTは枝線や環状線がある複雑なルートで、オールド「乗り鉄」としては血が騒ぐ。完乗してきた。
複雑なルートになっている理由の一つは、高田中央病院・下船渡間に各駅停車路線と快速線があるため。鉄道で行っていなかった快速運転は速達性向上のため評価できる。もう一つは、気仙沼陸前高田間のルートを鉄道路線からかなり離れた国道45号線としたことによる。この区間にある上鹿折駅には、ミヤコーの気仙沼西高校前・鹿折金山間の路線バスの気仙沼駅前・上鹿折駅前間をBRT区間として運行している。陸前矢作駅は、同駅折り返しのBRTが竹駒駅を経由して陸前高田気仙沼・盛間の路線に合流する。
BRTが鉄道の(仮)復旧であるのなら、気仙沼陸前高田間は線路と平行している県道34号線を走るべきだろう。国道45号線には岩手県交通の路線バスがあり、営業妨害ではないか。新設の長部駅は岩手県交通の上双六停留所に併設されている。それ以前に気仙沼陸前矢作間の路盤は残っている。信号系を整備すれば、鉄道の運行も可能だろう。それなら、陸前矢作・盛間だけをBRTにすればよい。
大船渡線BRTの運賃制度は興味深い。BRT運賃は鉄道の対応駅間の運賃と同額である。気仙沼から陸前矢作に行くのは陸前高田まで行って戻ることになるが、陸前高田までの運賃より安い。東京メトロのラッチ外乗継のように乗継駅までの運賃を徴収するルールはないから、気仙沼から陸前矢作ゆきの乗車券で陸前高田で前途放棄したらどうなるのだろう。
路線バスによって代行している気仙沼上鹿折間の運賃は、BRT運賃を区間内のバス運賃にも内方適用している。停留所の掲示

普通運賃について
・BRT区間の普通運賃は、鉄道に準じたBRT運賃になります。
・BRT区間とミヤコーバス区間を連続してご利用になる場合は従来と変わりません。
*ミヤコーバスの普通回数券でもBRT区間を利用できます。

また、定期運賃について

BRT区間とミヤコーバス区間を連続してご利用される場合、BRT定期券とミヤコーバス定期券を分けて購入したほうが安くなる場合があります。

ミヤコーバスは、BRT代替運行を行うことにより、気仙沼駅前・上鹿折駅前間の運賃を値下げしたことになる。JRはミヤコーに対して運賃割引額を補填しているのだろうか。
大船渡線の専用道路は小本駅付近と大船渡・盛間のごく一部。小本駅付近は、専用道路を走るためにわざわざ迂回しており、時間短縮になっているとは思えない。一方、気仙沼線BRTは、本吉付近と陸前港・歌津間など鉄道のトンネルを利用した専用道路が増えていた。こちらは時間短縮に貢献していると思う。