北海道全線フリーきっぷ

2月15日の周遊きっぷの発売終了発表と同時に、JR東日本JR北海道から「北海道全線フリーきっぷ」と「みなみ北海道フリーきっぷ」の発売がリリースされた。

 首都圏から北海道へのご旅行に便利なおトクなきっぷを2013年3月1日から発売いたします。きっぷ2種類で、北海道全域をくまなくご旅行する方向けの「北海道全線フリーきっぷ」と、函館〜札幌エリアを中心にご旅行する方向けの「みなみ北海道フリーきっぷ」をご用意しました。

フリーゾーンは、廃止になる周遊きっぷの「北海道ゾーン」と「札幌・道南ゾーン」とほぼ同じ*1で、特急自由席に乗車可能。東京都区内からフリーゾーン入口までの往復運賃が含まれ、全線版は5日間有効で29,000円、みなみ版は3日間23,000円である。従来の周遊きっぷは、ゾーン券の価格に東北新幹線利用の往復運賃(特急料金を含まない)を追加するとそれぞれ36,300円、25,300円となるから、価格は安い。
有効期間は往復の日数も含まれるから、東北新幹線を利用したとしても、フリーゾーンで乗車できる日は、全線版で4日、みなみは2日しかない(周遊きっぷは5日)。これでは、「北海道全域をくまなくご旅行」なんてできないだろう。
北海道までの経路は、有効期間の関係で実質的に東北新幹線と特急「あけぼの」(継続乗車が可能な復路のみ)に限られる。いわて銀河鉄道青い森鉄道を通過する「北斗星」、「カシオペア」は利用できない。また、北海道まで往復鉄道で乗りとおす旅客は、いまどきどのくらいいるのか。周遊きっぷの北海道ゾーンは、往路または復路に航空機を選択でき、格安航空券も利用可能だった。
JR北海道は独自に、特急自由席に加え指定席も6回まで利用できる、7日間有効の「北海道フリーパス」を25,500円で発売している*2。「北海道全線フリーきっぷ」に新幹線指定席+新青森蟹田間自由席の乗継特急料金(往復)13,500円を加えると42,500円。羽田・千歳間の格安航空券は、往復19,000円からあるから、有効期間が大きく違うのに、コストは「北海道全線フリーきっぷ」と大差ない。
「北海道全線フリーきっぷ」と「みなみ北海道フリーきっぷ」は、3月1日から2014年3月末まで発売され、利用機関は4月1日から2014年4月5日までとのことだが、売上げの落ち込みにより廃止される周遊きっぷよりも使い勝手が悪く、2014年度以降継続して発売されることはないだろう。
追記(2月23日):リリースでは明確でなかったが、JR東日本おとくトクなきっぷに利用条件が記載された。

IGRいわて銀河鉄道線青い森鉄道線をご利用になる場合には、別に運賃が必要です。
※ 「北斗星」号、「カシオペア」号は、IGRいわて銀河鉄道線及び青い森鉄道線の運賃のほか、「北斗星」号、「カシオペア」号の全乗車区間の特急料金・寝台料金を、本きっぷとは別にお支払いいただくとご利用になれます。

とあり、盛岡・青森間の運賃(片道5,030円)を払えば、「北斗星」、「カシオペア」も利用できる。

*1:ゾーンの入口駅は中小国から蟹田に変更。JRバスを含まない

*2:ただし、5月3日〜5月6日、8月11日〜15日、12月29日〜1月6日の期間は利用できない