第19回日本鉄道賞

国土交通省から第19回日本鉄道賞の選考結果が発表されていた。 

受賞者 件名
大賞 東日本旅客鉄道 全線運転再開~沿線の方々の思いを乗せて再びつながった常磐線
特別賞 四国旅客鉄道 四国に元気と笑顔を!~アンパンマン列車とともに 20 年~
特別賞 京浜急行電鉄 「歴史的名車」を「社員の想い」を込めて~五感で感じる京急ミュージアム
特別賞 東海旅客鉄道 N700Sの開発

日本鉄道大賞は2013年の第12回エントリーからフォローしてきた。2015年まではエントリー件名を発表し、件名に対する一般からの意見を受け付けていた。2016年以降エントリー件名が発表されず、選考委員会による選考結果の発表だけになった。昨年発表の第18回が抜けていたので以下に記す。

受賞者 件名
大賞 明知鉄道 全国の鉄道をつなぐ「鉄カード」を目指して!!
特別賞 九州旅客鉄道 門司港駅復原「未来に引き継がれる生きた文化財
特別賞 東日本旅客鉄道気象庁気象研究所 世界で初めてのドップラーレーダーを用いた突風に対する列車運転規制 ~突風に対する列車運行の安全性の向上に向けて~
特別賞 旅する芸術祭実行委員会、hakodate+、道南いさりび鉄道 はこだてトリエンナーレ みなみ北海道を旅する芸術祭

これまでの大賞受賞件名*1は次のとおり。鉄道事業者では、JR東日本5回受賞で最多。以下JR西日本4回、JR東海3回、JR九州2回、JR四国1回と続くが、JR北海道はない。2016年8月28日の記事で書いたように、北海道新幹線をエントリーしなかった。

年度 受賞者 件名
第1回(2002) JR東日本 Suica(スイカ)導入
岡山電気軌道 「MOMO」導入と併せて地元と協力した活性化
第2回(2003) 阪急電鉄 バリアフリー阪急伊丹駅
三陸鉄道 イベント車両の活用による三陸沿岸の観光振興
第3回(2004) 錦川鉄道 「とことこトレイン」による地域活性化
JR九州鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道情報システム 新八代駅での新幹線・在来線の同一ホーム対面乗換えと乗車券・特急券の1枚化
第4回(2005) 鉄道貨物協会 エコレールマーク」創設、モーダルシフトの取り組み
井原鉄道 駅の多目的利用等による鉄道の利用促進
第5回(2006) 富山ライトレール 地域に密着した安全・安心・快適で環境にやさしい公共交通
第6回(2007) JR東海JR西日本 新幹線N700系(利便の向上と省エネによる環境負荷軽減)
第7回(2008) PASMO協議会、関東ICカード相互利用協議会 PASMO
第8回(2009) 阪神電気鉄道西大阪高速鉄道 阪神なんば線
第9回(2010) 京成電鉄成田高速鉄道アクセス鉄道建設・運輸施設整備支援機構 成田空港アクセス鉄道
第10回(2011) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構JR東日本JR東海JR西日本JR九州 新幹線新青森鹿児島中央間全通
第11回(2012) JR東日本 東京駅丸の内駅舎の復原
第12回(2013) 東京地下鉄東武鉄道西武鉄道東京急行電鉄横浜高速鉄道、「メグ会」直通線隊ゴセンジャーの普及を楽しむ会 首都圏民鉄5社7線による広域速達タイプの相互直通運転
第13回(2014) JR東海  東海道新幹線の 50 年 ~「進化」へのたゆまぬ努力と着実な実績~
第14回(2015) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構JR東日本JR西日本、長野県、新潟県富山県、石川県 沿線自治体との緊密なパートナーシップによる北陸新幹線金沢開業
第15回(2016) JR西日本 『生きている』鉄道文化の長期保存と魅力ある展示」
第16回(2017) 東京地下鉄 ニッポンの地下鉄誕生より90年:そのたゆまぬ努力と成果
第17回(2018) 阿里山森林鉄路(海外鉄道特別賞)  
第18回(2019) 明知鉄道 全国の鉄道をつなぐ「鉄カード」を目指して!!
第19回(2020) JR東日本 全線運転再開~沿線の方々の思いを乗せて再びつながった常磐線

こうしてみると鉄道界のビッグイベントを思いだすが、なかには首をかしげる件名もある。

来年発表される第20回の大賞受賞件名を予想すると、富山市路面電車の南北接続が本命だと思う。常磐線全線復旧と同じ2019年度の案件だが、これまでも期をまたいだ受賞があった。特別賞も受賞していないところを見ると、案件が乏しい2020年度に先送りしたのではないか。

*1:第1回から第4回は、日本鉄道賞として2件受賞