「国鉄旅規改訂履歴1958-1987」更新

10月25日、旅規ポータルの旅客及び荷物運送規則(1958)に様式の画像を追加した。本日、「国鉄旅規改訂履歴1958-1987」(条項順日付順)を更新し、様式類の変更をとりあえず1964年まで追加した。
この間の主要な変更は、1960年7月1日の3等級制から2等級制への変更と1964年10月1日の東海道新幹線開業によるものである。このような旅客制度の改正に伴うものには、1961年4月6日に第86条の東京都区内と大阪市内駅発着の取扱の中心駅から150キロを200キロに拡大した際、第196条の常備連続乗車券の様式の「大阪市内」を「大阪」に変更し、「大阪市内各駅乗車随意/但し同市内下車禁止」を削除したような例がある。
しかし、様式及び様式の備考は、制度変更以外にもかなり頻繁に変更されている。その一つは、駅の新設、駅名の改称に伴うもの。第226条の車内補充券第2種(地図式)は、61年4月6日浅川の高尾への改称に伴い、64年10月1日には新横浜駅開業により、地図が変更された。
第189条(常備片道乗車券)の第8種(相互式大人小児用)は、1958年当時「東京←→横浜」(横浜駅発行)だったが、60年7月の2等級制移行時に「横浜←→東京」に変更になった。現行の旅規では第189条第4号の「熱海←→大井町」(熱海駅発行)に変わっているが、発行駅名を左側に記載するのはこの時以来のようだ。1959年9月22日には、A型硬券のサイズが、3.03cmから3cmに変更された。
1958年の旅規と改訂履歴に様式を追加したのは、A型硬券のサイズがいつ変更されたかという知人の疑問がきっかけだった。それまでは様式省略ですましていたため、昭和34年9月19日の国鉄公示第327号に

第189条、第190条、第191条、第193条、第194条、第195条、第197条、第211条、第212条、第214条、第216条、第217条、第220条、第221条、第222条及び第223条の様式中「3.03cm」を「3cm」に改める。

とあったのを見逃していた。

なぜこの時期にサイズの見直しがあったのかと考えると、1959年1月1日から土地・建物の表記を除きメートル法が完全実施されたことと関係があるのかもしれない。A型硬券エドモンソン券のサイズを踏襲したものだが、そのサイズは、1" 3/16 x 2" 1/4とされている。3.03cmを3cmに変更したのは、インチの痕跡を払拭しようとしたのだろうか。

しかし、1インチ2.54cmで換算すると3.0165cm x 5.715cmとなるが、これを3.03cm x 5.75cmとしたのはなぜだろうか。また、3.03cmのほうだけは数を整理して、5.75cmは現在まで0.1mm単位の有効数字まで残しているのは何か理由があるのだろうか。

追記(11月15日):書いたあと気がついたのだが、3.03cmは尺貫法の単位の1寸だった。エドモンソン券を導入した際、サイズを近似値の1寸 x 1寸9分とし、メートル法に代えたときにセンチに直したのだろう。