広島電鉄運賃値上げ

読売の記事から。

広電 来年にも値上げ
 広島電鉄越智秀信社長は7日、広島市で開いた2012年9月中間連結決算の発表記者会見で、13年中にも路面電車の運賃を値上げする方針を明らかにした。新型車両の導入費を確保するためで、具体的な時期や額は「検討中」としたが、値上げ幅は数十円程度とみられる。
 現在の運賃は150円均一制(白島線は100円)で、宮島線西広島駅―宮島口駅間)は乗車距離に応じて運賃を定めている。
 広電が所有する124編成の車両のうち、約4割にあたる48編成が47年以上使って老朽化。そのうち約40編成を、十数年かけて低床式の新型車両に買い替える計画だ。新型車両1編成の購入費は3億円で、変電設備の更新費なども含め180億円程度の投資が必要。鉄道事業の年間売上高は約60億円で、越智社長は「路線やサービスを維持するには、(値上げは)避けて通れない」と理解を求めた。

10月6日の記事福井鉄道の運賃値下げについて書いたが、値上げのほうは、2009年4月1日のいすみ鉄道平成筑豊鉄道以来だろう。
ところが、地元中国新聞9月5日の記事によると、必ずしも値上げばかりではないようだ。

路面電車運賃の全線均一検討
 広島電鉄広島市中区)が、路面電車の運賃を全線均一にする検討をしている。距離に応じて運賃が上がる宮島線を、広島市内の均一運賃に含める。車掌をなくして全てのドアから乗り降りできる「信用乗車方式」の導入に向け、運賃を分かりやすくする。
 計画では来年、150円の広島市内均一運賃を170〜180円に上げるのに合わせ、宮島線の多くにも市内の均一運賃区間を拡大する。2014〜15年には全路線、どの区間を利用しても170〜180円にする方向。
 現在、均一運賃でないのは宮島線広電西広島より西)と白島線。均一制の導入により、現行270円かかる広島駅―広電宮島口間などは値下げになる。一方、宮島線の短い区間白島線では値上げとなる。激変緩和のため、一部は段階的に値上げをする。
 広電は、車掌を置かず全ドアで乗り降りができる信用乗車方式を22年までに全線に導入する方針。運賃を均一にすることで乗り降りの時間が減り、不正乗車も防ぎやすくなるという。

広島電鉄市内線の運賃は最長9キロまで150円均一で、鉄道事業者の運賃比較の運賃が安い事業者(路線)の順位は、全171事業者・路線中、得点方式で8位、勝率方式で10位である(宮島線はそれぞれ7位と3位)。中国新聞の記事の「宮島線の多くにも」が意味不明だが、市内線・宮島線の最長22キロ区間まで180円均一となると、22キロ以上の事業者のすべてに勝って大量得点を稼ぎ、得点順位は他を大きく引き離して1位になる(勝率順位10位は変わらない)。
しかし、広電社長の記者会見で触れ言及されていないところを見ると、全線均一運賃は実現せず、市内線の値上げだけの可能性が高いと思われる。