続・羽田空港ターミナル間の鉄道運賃

8月2日の記事で取り上げた、京急東京モノレール羽田空港の国内線と国際線乗継客の運賃を無料にするという話の出所がわかった。7月27日の読売新聞に掲載された記事羽田、国内線〜国際線乗り継ぎ無料である。

京浜急行電鉄東京モノレールは、10月21日に開業する羽田空港新国際線旅客ターミナルビルの新駅を使って、国内線と国際線を乗り継ぐ利用客の運賃を無料にする。(中略)
国際線が増えることで、新駅の1日あたりの利用客は京急で約1万人、東京モノレールで約9000人が見込まれるため、鉄道も無料にすることにした。

旅客が増えて増収になるから、一部の旅客に還元するという議論は、まったく理解できない。新製品の販促キャンペーンで、無償サンプルを配るというのとは違う。ましてや両社とも、国際線ターミナル駅の建設に多額の費用を投じている*1。読売の記者は京急東京モノレールに取材して書いたのだろうか。また、こんな非論理的な記事を鵜呑みにして、天下の日経が後追いするとは。
ところで、公共交通機関による空港ターミナル間の移動が無料になる例を思い出した。ニューヨークのJFK空港のターミナル内6駅と地下鉄のHoward Beach駅、Sutphin Boulevard駅とを結んでいるAirTrain JFKである。2本の鉄レールの高架鉄道で、MTA(Metropolitan Transportation Authority)が運行している。
運賃は$5で、地下鉄との接続駅での入出場時に徴収される。ラッチがあるのはこの接続駅だけだから、ターミナル間は無賃で乗車できる。同じMTAの傘下にあるニューヨーク地下鉄は、総延長1000キロを超えるにもかかわらず、運賃は均一で$2.25。AirTrainは、わずか10分の乗車で$5という高額運賃で無賃旅客の分をカバーしているのだろうか。それとも空港を管理しているPANYNJ(Port Authority of New York and New Jersey)から補助金が出ているのか。

*1:京急150億円投資し、東京モノレール約85億円をかけて工事していると報じられている