羽田空港ターミナル間の鉄道運賃

10月開業の羽田空港国際ターミナルが報道陣に公開され、各紙の夕刊が報じている。その中に気になる箇所がある。

国際線と国内線を乗り継ぐ旅客が増えると予想されるため、東京モノレール京浜急行電鉄は、乗り継ぎ客については、国際・国内両ターミナル間の移動を無料にする。(日経)
羽田空港に乗り入れている京急電鉄東京モノレールは10月21日、新国際線ターミナルビルに接続する新駅を開業。第1、第2ターミナルに到着する国内線と国際線を乗り継ぐ利用客は運賃を無料にする。(毎日)
国際線と国内線のターミナルビルは最短でも約3キロ離れている。国内各地から羽田経由で海外に向かう場合、京急やモノレールを使って乗り継ぐことになるが、乗り継ぎ客はこの間の運賃が無料になる。両ターミナル間には無料の巡回バスも走る。(朝日)

日経や毎日の記事は、あたかも京急東京モノレールが運賃を無料にするような書き方だ。成田空港や関西空港の管理運営会社が運行している搭乗口までの連絡シャトルとは違う。どちらも、鉄道事業法に基づく鉄道事業を行っている民間企業である。特定の航空旅客に対し運賃を無料にするいわれはないし、鉄道事業法第16条第5項の

国土交通大臣は、第三項の旅客運賃等又は前項の旅客の料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該鉄道運送事業者に対し、期限を定めてその旅客運賃等又は旅客の料金を変更すべきことを命ずることができる。
一  特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
二  他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。

の不当な差別的取扱いにあたるだろう。
最終的には旅客自身が航空運賃(または航空運賃に含まれる空港施設使用料)の中から負担することになるのだろうが、実際の取扱はどうするのだろう。航空会社が負担して無料の乗車券を配るのか。国内線と国際線のキャリヤーが異なるときは、どのように配分するのだろう。それとも空港管理会社が一定額を鉄道会社に支払うのだろうか。