方向別運賃格差

JR西日本は、航空会社との競合が激しい岡山、広島から東京へ東京往復スーパー早特きっぷというトクトクきっぷを発売している。のぞみの指定席利用で、岡山発が24,000円、広島発が26,000円、通常の運賃・料金に対し約25%の割引である(21日前から14日前までの購入)。東京から岡山、広島への往復には設定されていない。
航空運賃にはこのような方向別運賃格差はないが、岡山、広島など地方空港でしか発売していない京急の企画乗車券がある。地方空港に設置されている京急の券売機で「羽得2枚きっぷ」を通年購入できる。羽田空港国内線ターミナルから泉岳寺または横浜までの10日間有効の乗車券が2枚で600円。京急のウェブページには記載されていないが、個人のブログ等で紹介されている。
昨年までは航空会社とのタイアップでキャンペーン期間限定の「羽得2枚きっぷ」が京浜地区でも発売されていた。かわりに登場した羽田京急きっぷは、新千歳、伊丹、福岡など13空港向けに限られ(広島はあるが、岡山はない)、地方空港と市内間の空港連絡バス往復乗車券とのセットなので使い勝手が悪い。
地方から東京への旅行者はこのように優遇されている。鉄道事業法16条5項の「特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき」の変更命令は、トクトクきっぷには適用されないのだろうが、一票の格差と同様の首都圏在住者に対する差別だと思う。