最長片道切符ルートの誤りを訂正

本日最長片道切符ルートの変遷1961-2007を更新した。読者の方から指摘を受け、1983年3月22日から88年4月1日までの九州のルートの誤りを訂正したものである。
1983年3月22日、筑肥線博多−姪浜間が廃止され(廃止区間福岡市営地下鉄に乗り入れ)、西九州へのルートが佐賀−久保田間の1本だけになり、九州のルートが大幅に変更になった。筆者は、その後の九州の発着駅を姪浜としていたが、伊万里を終着駅とする6の字ルートの方が15.9キロ長かった。2006年12月31日にも、読者の指摘で北海道の終着駅を様似から音威子府に訂正したことがあるが、これと同様に、タイプPの厳密な検討をさぼっていたためのミスである。
これまでタイプPは、循環部を1本に伸ばしてタイプLに変換してソルバーにかけてきた。肥前山口音威子府のタイプPは、一本線の先に循環部があるラケット型であるため、L型に変換しやすい。しかし、当時の伊万里のタイプPは、

久保田(唐津)山本(筑肥)伊万里(松浦)有田(佐世保)肥前山口(長崎)諫早(大村)早岐(佐世保)佐世保(松浦)伊万里伊万里以降は逆ルートも可)

という複雑なルートである。今回EXCELによる最長片道ルート探索の近藤英明氏からタイプPの定式化についてご教示いただき、北海道と九州について計算をやり直した。1961年から計算したが他にタイプPの発着駅はなかった。
言い訳を言わせてもらえば、宮脇俊三氏の「最長片道切符の旅」の新潮文庫版あとがき(1983年3月末)に

国鉄路線のほうは、新線の開通(石勝線、東北・上越両新幹線など)や廃止(四国への仁堀航路や筑肥線の一部など)の明暗こもごもで、その結果、ルートが大きく変わってしまった。起点の広尾は様似になり、終着は枕崎ではなくて姪浜になった。

姪浜を終着とし、西泰英、光畑茂両氏の計算した「最長乗車キロ」ルートと「最長片道切符」によるルートを紹介している。当時最長片道切符の権威者であった両氏がいずれも、伊万里ではなく、姪浜を終着駅としていたのである。
今回メールで間違いを指摘していただいた読者の方は、ウェブ上では匿名を希望されたが、最長片道切符ルート探索史への貢献大である。