暫定最長片道切符ルート

最長片道切符ルートの変遷1961-2011に、震災による不通区間をルートから外した「2012年7月暫定最長ルート」を掲載した。「旅と鉄道」2012年7月号(5月発売)で「現在乗車可能な最長片道切符ルート」として紹介したルートである。5月24日の記事では、只見線の不通区間の組み入れについて厳密性に欠けていたと書いたが、バス代行のない大白川・只見間は任意で旅行することにより、発券可能と判断し、暫定最長ルートとした。
営業キロは10814.4キロで、震災前・九州新幹線開業前の最長ルートから332.3キロ短縮となった。
1971年の只見線開業以降、東日本の最長ルートは、磐越西線郡山・会津若松間を経由と、只見線経由の二つのパターンを繰り返してきた。1997年10月の長野新幹線開業以来途絶えていた只見線ルートが復活したが、宮脇俊三氏が「最長片道切符の旅」で

豊橋から飯田線の客となる。そのあといろいろ乗り継いで、あさっての午前一〇時に会津若松に達する予定になっている。目的地の枕崎に背を向けて二日間乗りつづけるのだから、最長片道切符ならではだ。しかし阿呆らしさもここまでくると、かえって厳粛な趣を呈してくるかに私は思うのだが。

と書いた、豊橋から延々と会津若松に至るルートではない。首都圏から只見線を経由して新潟付近を周回後首都圏に戻り、飯田線から中央西線に至る新たなパターンとなった。2004年3月の本庄早稲田駅の開業による、熊谷・高崎間の新在別線化が今になって最長ルートに影響することとなった。
なおJR東日本と地元自治体は気仙沼線気仙沼・柳津間をバス高速輸送システム(BRT)で仮復旧することに合意した。9月には専用道路が完成し、年内にも運行開始の見込みという。そのときは、大船渡線気仙沼線ルート復活により、東北のルートが大きく変わり、最長ルートの営業キロは100キロ以上増加することになる。