貨物運賃計算キロ程(2)

最短距離による貨物運賃計算キロの例外を定めた貨物営業規則第52条(運賃計算キロ程)第3項の第7号以下を再掲する。

 (7)柘植を経由し、笹島・草津間通過(笹島及び草津発又は着を含む。)となる経路が最短経路となるものにあつては、笹島・米原草津をつなぐ経路のキロ程
 (8)周防高森を経由し、岩国・櫛ヶ浜間通過(岩国及び櫛ヶ浜発又は着を含む。)となる経路が最短経路となるものにあつては、岩国・柳井・櫛ヶ浜をつなぐ経路のキロ程
 (9)直方を経由し、折尾・原田間通過(折尾及び原田発又は着を含む。)となる経路が最短経路となるものにあつては、折尾・博多・原田をつなぐ経路のキロ程

幹線に平行して距離の短い短絡線が存在する場合、実際の輸送ルートである幹線のキロ程で運賃を計算する例外規定である。それぞれの距離を比較すると次のとおり。

区間幹線キロ短絡線キロ
笹島*1草津東海道125.4関西・草津116.68.8
岩国・櫛ヶ浜山陽65.4岩徳43.721.7
折尾・原田間鹿児島67.8筑豊55.312.5
岩国・櫛ヶ浜間は、旅客運賃について第69条の特定区間として、岩徳線経由のキロ程で計算するのと正反対の取扱である。前回紹介した赤穂線も、盲腸線を解消した短絡線だが、山陽本線に平行する短絡線でもある。
その後開業した、幹線に平行する短絡線のうち、長崎本線(72/10/02喜々津・浦上間)、伊勢線(73/09/01南四日市・津間)、東北本線(85/09/30赤羽・武蔵浦和・大宮間)、予讃本線(86/03/03向井原伊予大洲間)は旅客営業のみであった。湖西線(74/7/20)、石勝線(81/10/01)、中央本線(みどり湖経由、83/07/05)は、幹線として貨物輸送も担ったため、このような特例の対象にはならなかった。

*1:名古屋と同一キロ