10月25日の記事のコメント(10月31日)で
電車特定区間は400キロまで記載されていますが、ざっと計算したところ、最長経路が300キロを超えることはなさそうです。エクセル・ソルバーで最長ルートを計算して、Table 3とTable 4を最長キロまで表示するように変更します。
と書いたが、結果の報告が遅れてしまった。初めて使ったExcel2013のソルバーがうまく動かないのである。変数セルと制約条件の数は、従来使っていたExcel97では全く問題ないレベルであるが、「問題が大きすぎるため、ソルバーで処理できません。」と、計算してくれない。エクセル・ソルバーの師匠にメールで相談したが解決できなかった。
東京附近の電車特定区間の最長運賃経路は師匠が計算してくれ、久里浜・千葉みなと間の368.7キロであった。400キロには達しなかったが、300キロを大きく超えた。ルートは、
久里浜(横須賀)大船(根岸)横浜(東海道)東神奈川(横浜)八王子(中央)立川(南武)武蔵小杉(東海道)鶴見(鶴見)浜川崎(南武)尻手(南武)川崎(東海道)品川(山手)代々木(中央)神田(東北・尾久経由)赤羽(東北)田端(山手)新宿(中央)西国分寺(武蔵野)武蔵浦和(東北・埼京)大宮(東北)南浦和(武蔵野)西船橋(総武)東京(京葉)千葉みなと
である。一方、大阪の電車特定区間の最長経路はExcel2013のソルバーで計算でき、京都・和歌山間(尼崎・放出・久宝寺経由)の143.8キロとなった。
IC運賃は、最低廉運賃計算経路で算出するから、久里浜・取手間の113.6キロ、1,836円が最長だろう。久里浜・奥多摩間の電車特定区間内の経路は121.7キロ(2,160円)であるが、最低廉運賃は区間外の相模・八高線経由(運賃計算キロ119.3キロ)の1,944円(乗車券運賃は1,940円)となる。
ついでに幹線運賃と地方交通線運賃についても、それぞれの運賃表の最長キロを調べてみた。電車特定区間内及び山手線・大阪環状線内とともに下表に記す。なお、運賃表最長は、4月の運賃改定に際しJR各社から発表された運賃表の最長キロ帯である。
運賃表最長 | 最長キロ | 区間 | 経由 | |
---|---|---|---|---|
本州幹 | 2961-3000 | 11574.8 | 枕崎→肥前山口 | 最長片道切符 |
JR北幹 | 1161-1200 | 1734.4 | 稚内⇔様似 | 長万部まで全国最長、室蘭・日高線 |
JR四幹 | 961-1000 | 687.3 | 窪川⇔若井 | 土讃・徳島・高徳・予讃・予土線 |
JR九幹 | 1961-2000 | 1395.5 | 枕崎→肥前山口 | 新八代・隼人・大分・熊本・久留米 ・夜明・城野・吉塚、以下全国最長 |
JR東幹IC | 2961-3000 | 444.9 | いわき⇔松本 | 常磐・武蔵野・中央線 |
本州地交 | 838-873*1 | 323.3 | 花巻⇔大曲 | 釜石・山田・田沢湖線 |
JR北地交 | 656-691 | 655.9 | 稚内⇔東釧路 | 宗谷・石北・釧網 |
JR東地交IC | 838-873 | 92.0 | 八王子⇔倉賀野 | |
JR東電特 | 381-400 | 368.7 | 久里浜⇔千葉みなと | 上記 |
JR東電特IC | 381-400 | 113.6 | 久里浜⇔取手 | |
JR西電特 | 381-400 | 143.8 | 京都⇔和歌山 | 尼崎・放出・久宝寺 |
JR東山手 | 31-35 | 42.3 | 新宿→御茶ノ水 | 外回り・秋葉原・代々木・内回り・神田 |
JR西大環 | 31-35 | 25.8 | 桜島→西九条 | |
JR東山手IC | 31-35 | 17.2 | 品川⇔大塚*2 |
本州3社の地方交通線の連続最長区間は、不通の釜石・宮古間を含む花巻・大曲間323.3キロである。不通区間を除くと、和田山・総社間(播但・姫新・津山・吉備線経由)の237.3キロが最長だろう。JR北海道地方交通線の連続最長区間は、稚内・東釧路間の655.9キロで、唯一運賃表の最長キロ帯と一致した。
JR東日本のSuicaエリアの最長運賃区間はいわき・松本間の444.9キロだろう。新松戸・西国分寺間は武蔵野線経由で計算され、常磐・中央線経由より0.9キロ短い。またSuicaエリアの地方交通線連続最長区間は、八王子・倉賀野間の92.0キロである。これに対し、JR東日本が発表した運賃表は、乗車券運賃と同じ、幹線が3,000キロ*3、地交線が873キロまでとなっている。
この結果に基づき、「JRの運賃計算ルールは複雑すぎる」の別表Fare Table 2014(運賃表2014)のTable 1からTable 4を、それぞれの最長キロ帯まで表示するように改訂した。例によって間違いがあれば、ご教示願いたい。