国鉄旅規改訂履歴更新

昨日の更新で、国鉄旅規改訂履歴に1967年の旅規改訂を追加掲載した。この年の制度改定は、回数券制度や旅行券の発売などが主なもので、大きな変更がなかった。
ところで、このページは、官報に掲載された「日本国有鉄道公示」に基づいて作成している。本年1月に官報情報検索サービスを購読し、国鉄公示のテキストファイルをダウンロードした。テキストファイルは、スキャナーで読み取れなかったと思われる文字を#で代替しているが、これが結構多い。たとえば、小樽は小#、平塚は平#、愛媛は愛#と表示されている。また、「国有鉄道」を「固有鉄道」、「運賃」を「運貸」としたスキャンミスも多い。また、スキャンした文字を訂正中に生じたと思われる変換ミスもあり、「立席特急券」が「立関特急券」になっていたりする。それでもこれらははっきり間違いとわかるから、まだましである。問題は、原文と異なった文章を捏造している個所である。
昭和37年9月22日の日本国有鉄道公示第381号による旅規改訂の公示(10月1日施行)次の記載がある。

第14条、第325条第1項第2号イ及び第370条第1項第3号中「自動車線キロ程」を「自動車線営業キロ程」に改める。

ところが、昭和33年9月24日の日本国有鉄道公示第325号による1958年10月1日施行の旅規第14条第1項は、

第14条 旅客の運送条件をキロメートルをもつて定める場合は、鉄道営業キロ程・航路営業キロ程又は自動車営業キロ程による。

となっていて、「自動車線キロ程」は見当たらない。第14条第1項は、その後1960年3月22日、1960年7月1日、1960年11月21日、1961年5月20日(いずれも施行日)に改定されたが、「自動車営業キロ程」を「自動車線キロ程」に改定する旨の公示はない。
このように変化が跡付けられない条文があり、7月に再度購読して、腑に落ちない個所を確認した。問題の第14条は、官報の昭和33年9月24日の国鉄公示をイメージファイルで確認したところ、原文の「自動車線キロ程」がテキストファイルでは、「自動車営業キロ程」になっていたことがわかった。
そのほか、イメージファイルのページが欠落していたりする。読者が誤りをフィードバックするシステムもできていない。このように官報情報検索サービスは、まだ有償で(料金:2,100円/月)提供するサービスには程遠い。無料で公開して、読者から誤りを指摘してもらい、データベースとして完成するべきだと思う。