鉄道事業者の運賃比較更新

鉄道事業者の運賃比較別表を更新した。2021年12月25日の阿佐海岸鉄道、2022年10月1日の北総鉄道、2021年11月1日の広島電鉄市内線の運賃改定を反映し、2022年11月版として運賃ランキング表を更新した。

京成空港線も10月1日に改定した(2021年11月19日リリース)が、京成高砂・印旛日本医大間の各駅相互間を北総鉄道に合わせて値下げしただけで、印旛日本医大・成田空港間および京成高砂・印旛日本医大間とまたがって乗車する場合は通学定期運賃を除き従来どおりなので、運賃ランキングは変更していない。

北総鉄道のランキングは、2020年6月版の160位から得点順が130位に、勝率順が143位に大きく順位を上げた。190円から220円に値上げした広島電鉄市内線*1は、得点順が31位から58位、勝率順が32位タイから54位と順位を下げた。阿佐海岸鉄道DMV運行に合わせて値上げ*2し、得点順が91位から140位に、勝率順が76位から138位となった。

北総鉄道の新運賃は、グラフに示すように初乗り運賃と30キロ以上は20円とわずかな値下げ(初乗り運賃10%、30キロ以上3%弱)で、中間キロ地帯、とくに8キロから17キロの運賃を15%以上下げた。これにより遠距離逓減度は低下した*3

北総鉄道の運賃訴訟で、原告は遠距離逓減運賃を「メタボ運賃」として、距離比例運賃への変更を求めた。東京地裁は、全ての旅客に同様に適用されるから「特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするもの」に該当しないとしてこれを退けたが、北総鉄道は、かつてメタボ運賃と批判されたことを意識して、遠距離逓減度を低くしたのかもしれない。

*1:広島市中心部の路線バス事業者も併せて220円に

*2:5キロまでは210円から200円に値下げ

*3:鉄道事業者の運賃比較」で遠距離逓減度を示す指標として開発した、線形回帰関数と指数回帰関数の実測値との誤差を比較した誤差係数が0.267から0.569に上昇した。誤差係数は、線形回帰関数と実測値の誤差の二乗和と原点をとる指数回帰関数の誤差の二乗和の比率で、1を超えれば、線形回帰のほうが実測値に近似し、1以下は指数回帰が近似する