分割購入が一般週刊誌に

JR乗車券の分割購入が一般週刊誌の記事になるとは思わなかった。現在店頭に並んでいる「週刊朝日」2017年4月7日号の「お得な『分割きっぷ』でJRの旅に出かけよう!」という記事。副見出しに「筆者が乗車実験」、「千葉〜新富士間家族5人で3700円の節約!!」。筆者は交通事故や司法問題を取材している女性のジャーナリスト。

「JRの切符を分割して買うだけで運賃が安くなることがあるって知ってた?」
鉄道好きの夫の言葉に耳を疑った。
「それって逆じゃない?」

その認識は正しい。鉄道ファンではないが、乗車券に関する知識は確かである。
そして乗車実験を決行。往路は通常どおり「とおし」の1枚切符で購入。料金(原文のママ)は3350円。帰路は、「乗車券分割プログラム」の指示に従って、「特急券用の券売機」で

  1. 新富士〜東神奈川(1940円)
  2. 東神奈川〜品川(290円)
  3. 品川〜小岩(310円)
  4. 小岩〜津田沼(220円)
  5. 津田沼〜千葉(220円)

と5分割、計2980円で購入。新富士駅の有人改札口で駅員に尋ね

新富士から小岩までの切符3枚と特急券1枚を重ねて入れてください」とのこと。
指示どおり4枚重ねて自動改札に入れ、難なく新幹線に乗って家路についた。

分割購入すると安くなる理由をJR東日本に尋ね、要旨が

  1. 営業キロ区分による合計営業キロの逆転
  2. 乗車区間による賃率の差異
  3. 私鉄競合区間の特定運賃

という回答を引き出した。JRの認識はJRの運賃計算は複雑すぎるに書いているとおりである。さらに、

ただし、切符を分割購入するという方法は、JRとして公式には案内しておらず、あくまでも目的地までの切符をとおしで購入するのが原則とのこと。とはいえ、自動券売機を使って分割購入することは自由だし、窓口でも客が申し出れば問題なく発券してくれるという。

とも。JRとしては、いやなところをつつかれたという気分だろう。