「JRの運賃計算方法は複雑すぎる」更新

デスクトップ鉄のデータルームで最大のアクセスがあるJRの運賃計算方法は複雑すぎるを更新、「2014年運賃・料金改定版」としてリリースした。4月1日の運賃改定から2カ月近くを要した。
複雑なJRの運賃計算体系は、JR東日本が1円単位のIC運賃を導入したことにより、ますます複雑になった。JR東日本IC運賃(4種類)の設定と、IC運賃導入に伴い電車特定区間内及び山手線・大阪環状線内の運賃がJR東とJR西で異なることになったため、対キロ運賃表は従来の12種類から18種類に増えた。
JRの運賃は対キロ制といいながら、すべて対キロ賃率で計算されているのは、本州三社の幹線、電車特定区間内、山手線・大阪環状線内運賃だけである(10キロまでの運賃を除く)。JR四国の運賃は、61キロ以上すべてのキロ帯において賃率計算によらない特定額である(旅規別表2号イの2)。JR九州は100キロまでの対キロ区間制運賃に加え、101キロ以上もほとんどが特定額である(旅規別表2号イの3)。別表の運賃表Table 1から4でこれらの特定額を網掛けした。
このように、地方交通線と三島会社において、対キロ制運賃は有名無実化している。JRはそろそろ対キロ制の看板を外してもよいのではないか。本州幹線においても、300キロまで一律の賃率による対キロ制運賃とキロ地帯制の併用が、乗車券を目的地まで購入せず途中で分割したほうが運賃が安くなる逆転現象の原因になっているから、なおさらである。
急行料金の改定も反映したが、最新の基準規程を参照することができないので、「すわろーあかぎ」の料金表を記載していない。その他間違いや漏れがあるかもしれない。なお、特急券の分割購入が有利な区間は、東海道・山陽新幹線を中心にかなり減少した。
鉄道事業者の運賃比較も更新したが、「複雑すぎる」の脚注にあった事業者ごとの運賃計算方法と名鉄擬制キロ換算表を移したもので、運賃改定には未対応である。