新幹線の駅名

12月25日の記事で、第三セクターのひらがな会社名について書いたが、来春開業の北海道新幹線駅にもひらがな駅名ができる。海峡線津軽今別駅付近に奥津軽いまべつ駅が設置される。くりこま高原いわて沼宮内に続く三番目のひらがな駅である。新幹線の駅名にも鉄道会社名と似た流行がある。
表は、並行在来線の駅と離れた場所に設置された新幹線駅及び新幹線併設により改称された駅を、開業日順にリストしたものである。

開業日新幹線駅路線種別対応駅
1964/10/01新横浜東海道別線設置横浜
1964/10/01岐阜羽島東海道単独岐阜
1964/10/01新大阪東海道本線設置大阪
1972/03/15新神戸山陽単独神戸
1975/03/10新倉敷山陽本線改称(玉島)倉敷
1975/03/10新岩国山陽単独岩国
1975/03/10新下関山陽本線改称(長門一ノ宮)下関
1982/06/23新白河東北本線改称(磐城西郷)白河
1982/06/23白石蔵王東北単独白石
1982/06/23古川東北別線既設小牛田
1982/11/15上毛高原上越単独後閑
1982/11/15燕三条上越別線設置東三条
1985/03/14水沢江刺東北単独水沢
1985/03/14新花巻東北別線設置花巻
1988/03/13新富士東海道単独富士
1988/03/13三河安城東海道本線設置安城
1988/03/13新尾道山陽単独尾道
1988/03/13東広島山陽単独西条
1990/03/10くりこま高原東北単独新田
1997/10/01安中榛名北陸単独(磯部?)
1997/10/01佐久平北陸別線設置(小諸)
2004/03/13本庄早稲田上越単独本庄
2004/03/13新八代九州本線設置八代
2004/03/13新水俣九州本線設置水俣
2010/12/04七戸十和田東北単独(七戸)
2010/12/04新青森東北別線事前設置(青森)
2011/03/12新鳥栖九州別線設置鳥栖
2011/03/12新大牟田九州単独大牟田
2011/03/12新玉名九州単独玉名
2015/03/14飯山北陸別線既設-
2015/03/14上越妙高北陸本線改称(脇野田(高田)
2015/03/14黒部宇奈月温泉北陸単独(黒部)
2015/03/14新高岡北陸別線設置(高岡)
2016/03/奥津軽いまべつ北海道単独
2016/03/新函館北斗北海道本線改称(渡島大野
在来線の対応駅と離れた場所に新幹線駅を設置するときは、対応駅名に「新」を冠すのが基本である。1964年10月の東海道新幹線開業時に在来線駅と離れて設置された3駅のうち、岐阜羽島は、駅が岐阜市内ではないこと、また名鉄岐阜駅が当時新岐阜駅だったため、県名と市名を並べて命名されたが、横浜と大阪は新を冠し、新大阪は東海道本線上に、新横浜は横浜線に在来線駅が併設された。1975年3月の山陽新幹線博多延伸開業までは、岐阜羽島を除きすべてこの命名法による。
近年設置された新幹線駅には「新*」駅以外が増加している。東広島が在来線の対応駅西条の旧町名に代えて、新市名を採用したことと、三河安城名鉄の新安城を回避して命名されたことは理解できる。後閑と新田のような小駅に対応する新幹線駅に新を冠せず、全く別の駅名をつけることも、駅名自体はともかくとしてわからないではない。また、1997年以降開業の整備新幹線は、並行在来線が経営分離され、同一駅扱いをする対応駅がなくなり、新を冠する意味がなくなったともいえる。
注目すべきは、1982年6月東北新幹線開業時に、新白石でも不都合がないのに、白石蔵王としたあたりから、著名観光地などと結合した複合地名駅化する傾向である。とくにJR東日本において顕著で、白石蔵王以降、燕三条水沢江刺安中榛名本庄早稲田七戸十和田上越妙高と続く。JR西日本も新黒部とせず、黒部宇奈月温泉と流行の温泉駅との複合駅名とした。JR北海道JR東日本にならって、3駅中2駅を複合地名駅とし、さらに「新」と「奥」を冠した。
この中で、すべて「新*」駅としたJR九州命名はオーソドックスで、新幹線の駅名らしい。