130円ポッキリで駅ナカ巡り

現在発売中のJTB時刻表7月号に、「松本典久のおもしろ鉄旅プランニング」という別冊付録がついている。その中に標題のプランが掲載されている。大都市近郊区間の制度を利用して、有楽町から東京までの130円きっぷで、東海道線、相模線、横浜線、中央線、武蔵野線埼京線東北線大回り乗車し、品川、大船、立川(07年秋開業)、大宮、上野の「駅ナカ」商業施設を回るというプランである。
大回り乗車自体は、新聞、雑誌、書籍で何度も紹介されてきた。しかし、途中下車ができないから乗り鉄が試みるだけだった。筆者は、昨年2月に公開したメトロ・都営ラッチ外接続駅全制覇260円最長ルートに次のように書いた。

今日の全ラッチ外制覇乗車や東京近郊区間などの大回り乗車は、鉄道事業者にとっては迷惑な行為だろうが、ルールで認めている以上文句は言えない。「鉄」が乗車のための乗車(本源的乗車)としてやるだけだから、損失も知れている。しかし、EchikaやJRの大宮や品川のEcuteなど、ラッチ内の商業施設ができると、途中下車ができない大回り乗車でも、「非鉄」の人たちが「派生的乗車」として試みる価値が出てくる。鉄道事業者が自ら墓穴を掘っているといえなくもない。

マスコミが「駅ナカ」巡りのための大回り乗車を奨励したのは、初めてではないか。JR東日本は苦々しい思いだろう。「国鉄監修・交通公社の時刻表」の時代には、考えられなかった記事である。
ところで、記事中に

なお、大回り乗車の旅を実践するとき、必ず自動販売機などで普通乗車券を買ってから乗ること。「Suica」「ICOCA」などのICカード乗車券は、所定時間内に到着しない場合、改札口で止められてしまうこともある。

とあるのは、逆ではないか。時間が経過した磁気乗車券で自動改札が閉じたことはあるが、Suicaでは経験したことがない。さらに、Suicaを使えば、ノーラッチの片道ルートで他社線を間にはさんで乗車することが合法化されたから、次のように、表参道のEchikaも駅ナカ巡りの大回りルートに加えることができる。
有楽町−[品川]−[大船]−茅ヶ崎−八王子−[立川]−中野(東西線)大手町(千代田線)[表参道](銀座線)銀座(日比谷線)北千住−新松戸−南浦和−[大宮]−赤羽−[上野]−東京