210円のはずが500円…スイカ・パスモで遠回り運賃

読売新聞の210円のはずが500円…スイカ・パスモで遠回り運賃新宿駅京王線からJRに乗り換え赤羽まで乗車したのだが、中間ラッチのタッチミスで、新宿(都営)白金高輪東京メトロ)中野(JR)赤羽というノーラッチルートの運賃が引き落とされていたという話。

改札通過記録がないまま赤羽で下車したため、コンピューターが、改札を通らずに赤羽駅に到着するルート=図=を勝手に推定したという。

コンピューターは、勝手にルートを推定したわけではない。改札通過の履歴がないときは、可能性のあるノーラッチルートの中から最低運賃ルートを乗車したものとして、運賃を引き落とすように設計されている。
むしろ問題は次の点にある。

同社(JR東)は「タッチを確実にしてほしいと呼びかけているが、運賃の誤請求はシステムの問題ではなく、乗客のタッチミスが原因なので、特に告知していない」と話している。ただ、同社のある駅員は「タッチミスをしてもゲートが閉じないときがあり、気づかない人も多いのでは」と明かす。この駅員の勤務する都内の主要駅では、今回のような誤請求の申し出が月10件程度あるという。

接触ICカード乗車券の自動改札システムの信頼性は、まだ十分でない。タッチミスで出場処理がされなかったことは、何度も経験した。また、タッチミスによって高い運賃を取られていても、ICカード乗車券では、履歴をチェックするまでわからないことも問題である。磁気のSFカードには、履歴が印字され、すぐ確認できた。首都圏ではパスネットイオカードが廃止されてしまったが、スルッとKANSAIが残っているのは、この意味から評価できる。

京都産業大学の坂東俊矢教授(消費者法)の話「乗客のタッチミスが原因だとしても、システムの『穴』によって高い運賃を支払う可能性があるなら、まずそのことを注意喚起し、最短ルートで運賃を計算するようシステムを変えるべきだ。運賃は約款に基づいて支払うもので、申し出がないからと言って高い運賃を支払わせることは許されない」

注意喚起は当然のことである。しかし、改札履歴がないとき常に最低運賃経路の運賃を引き落とすようにシステム変更するよりも、システムの信頼性向上を図るべきだろう。