第9回全国のJR駅五番勝負(出題)

第9回全国のJR駅五番勝負を開始します。問一と問ニの想定解が15、20と少ない(解答可能駅はそれぞれ12と16)ので、売り切れにご注意ください。
【問題】
次の各問のJR駅には共通する特徴があります。同じ特徴をもつJR駅を答えてください。

問一 幾寅(JR北海道根室本線)、姨捨JR東日本篠ノ井線)、佃(JR四国土讃線
非該当駅:蓬莱(JR西日本湖西線)、鮎喰(JR四国徳島線)。想定解数:15
問ニ 品川(JR東日本東海道本線)、信濃町JR東日本中央本線)、鶯谷JR東日本東北本線)、錦糸町JR東日本総武本線) 
非該当駅:新宿(JR東日本・山手線)、馬喰町(JR東日本総武本線)。想定解数:20
問三 石狩沼田(JR北海道留萌本線)、信濃川上JR東日本小海線)、駿河小山JR東海御殿場線)、播州赤穂JR西日本赤穂線)、豊後竹田JR九州豊肥本線
非該当駅:陸前高田JR東日本大船渡線)、上総一ノ宮(JR東日本外房線)。想定解数:39
問四 横浜(JR東日本東海道本線)、松本(JR東日本篠ノ井線)、大宮(JR東日本東北本線)、沼津(JR東海東海道本線線)、大分(JR九州日豊本線) 
非該当駅:青森(JR東日本奥羽本線)。想定解数:43
問五 永山(JR北海道・宗谷本線〉、宮城野原JR東日本仙石線)、魚住(JR西日本山陽本線
、撫養(JR四国鳴門線)、鍋島(JR九州長崎本線) 
非該当駅:宇都宮(JR東日本東北本線)。想定解数:32
【解答の対象・方法】
  • 解答の対象は、全国のJR駅リストに記載されている、2019年9月20日現在存在するJR旅客6社の旅客駅です。臨時駅、休止中の駅を含みますが、BRTの新設駅は含みません。
  • この記事のコメント欄(採点後は、その記事のコメント欄)に、1問につき1駅だけ、問題番号と駅名及び事業者・路線名を書き込んでください(事業者名・路線名がなくても駅が特定できるときは、省略しても誤答とはしません。2事業者の共同使用駅については、いずれかの事業者のみが該当する場合を除き、どちらの事業者名でも有効とします)。なおコメント欄にすべてのコメントが表示されないので、「もっと読む」をクリックし、既解答をすべて表示してから書き込んでください。
  • 共通する特徴は、絶対に書き込まないでください。 採点があるまで、同じ問題で別の解答を書き込まないでください。ただし、他の解答者が解答済みの駅、問題として提示された駅、またはJRに現存しない駅を解答した場合は、採点を待たずに再解答できます。また、採点で誤答となった場合は再解答できます。
【開催スケジュール】
  • 9月21日(土)21時に第1回採点を行い、第1ヒント(アナグラムヒント・非JRの該当駅)を提示します。
  • 9月22日(日)21時に第2回採点を行い、第2ヒント(アナグラムヒント・非JRの該当駅)を提示します。
  • 9月23日(月)12時30分頃に第3回採点を行い、アナグラムヒントの解凍文を提示します。
  • 9月23日(月)21時に終了し、共通項を発表します。
【免責】
  • 出題駅または非該当駅の間違い、想定解の見落としによる誤診などが起こる可能性があります。この場合出題者が妥当と判断する救済措置をとります。

追記(9月21日):全国のJR駅リストへのリンクが途切れていたので、修復しました。失礼しました。

10月1日の旅規改定

消費税増税に伴い10月1日から運賃・料金が改定される。JR東海運送約款の改正履歴に旅規改定公告が掲載された。

JR北海道は消費税転嫁以外の独自の運賃値上げを行なうが、100キロまでの運賃が対キロ区間制に変更になり、対キロ制区間の100キロから200キロまでの賃率が17円85銭から19円70銭(地方交通線は182キロまで、19円60銭から21円60銭)に改定される(77条の2、77条の6)。

改定公告には、相鉄・JR連絡線の羽沢横浜国大駅に関する規定(69条、78条2項、86条2号)が11月30日施行として記載されている。

第9回全国のJR駅五番勝負(開催予告)

第9回全国のJR駅五番勝負は、プレノーティスしたとおり、9月20日(金)の21時から次のスケジュールで開催します。初めての3連休開催となります。ふるってご参加ください。

  • 9月20日(金)21時:出題
  • 9月21日(土)21時:第1回採点、第1ヒント提示
  • 9月22日(日)21時:第2回採点、第2ヒント提示
  • 9月23日(月)12時30分:第3回採点、アナグラムヒントの解凍文を提示
  • 9月23日(月)21時:終了

クイズのページを更新、全国のJR駅リストの新幹線併設駅の路線名に在来線と新幹線を併記した。

10月1日の駅名改称続々と

10月1日の消費税増税による運賃改定にあわせて、駅名を改称する動きが加速している。7月30日の記事で取り上げた阪急・阪神に加え、熊本電鉄が1駅、島原鉄道が12駅*1の改称を発表した。

阪急阪神の前に京阪が4駅*2大阪高速鉄道が1駅の改称を発表しており、東急南町田駅の改称を正式発表した。7社が改称する駅は、21駅にのぼり、同時改称7社と21駅は、駅名改称 1987-2019に記載している1897年4月以降最多である。

前記事で阪急の石橋→石橋阪大前と阪神の鳴尾→鳴尾・武庫川女子大前を紹介した。京阪の深草龍谷大前深草大阪モノレールの柴原→柴原阪大前も大学名併称である。阪大は一挙に2駅できる。

南町田→南町田グランベリーパークは、越谷レイクタウンや高輪ゲートウェイと同じ、再開発プロジェクトの名称。11月13日の開業に先立って、駅名を改称する。

追記(9月2日):コメントがあった熊本市電の2停留所の改称を加え、10月1日の駅名改称は、8社局23駅となった。過去最多ではないだろうか。

*1:うち4駅は副駅名付加。神代町は、町を外して副駅名鍋島邸前を付加

*2:うち八幡市は本線と鋼索線の駅名を分離

Welcome SuicaとPASMO PASSPORT

外国人短期旅行者向けのICカード乗車券、Welcome SuicaPASMO PASSPORTがいよいよ9月1日から発売される。改めて2月15日付のそれぞれのリリース(JR東日本PASMO協議会)を読んで、不思議なことに気がついた。

500円のデポジット不要、有効期間が28日間、SF残額の払いもどしなしは、両者に共通している。発売額は、Suicaが1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、10,000円の6種類、PASMOは2,000円のみ。ただしPASMOは発行手数料500円が含まれ、SF金額は1,500円である。SuicaPASMOも全国の路線に乗車できるのだから、PASMO PASSPORTを購入するメリットはない。それともサンリオのキャラクターのカード自体を目的に購入する旅行者がいるだろうか。

PASMO協議会のリリースには

お得な企画券を「PASMO PASSPORT」に搭載する等の利便性 向上につきましても検討を行っております。具体的な内容につきましては 後日お知らせいたします。

とあるが、その後発表された8月9日付リリースにも、とくに目を引く特典は記載されていない。発売箇所の記載とともに、

駅やバス車内、一部店舗で何度でもチャージして繰り返し利用できます

と記載され、通常のPASMOと同様の取扱いであることが示されたのが目新しいところ。小刻みにチャージできるというのは、PASMO PASSPORTのメリットにはならないだろう。高額のWelcome Suicaを購入した利用者は、残額を帰国時に空港の売店やレストランで使い切ることができるのだから。

9月1日発売開始なので、Suica約款PASMO約款もまだ改定されていない。JR東海は、ICカード乗車券運送約款の一部改正をいち早く掲載した。旅客の区分等のカード情報を記載した帳票の携帯・提示義務が規定されている。

追記(8月26日):PASMO PASSPORTの発行手数料500円は、腑に落ちない。PASMO PASSPORTの英語ページには、発売は外国人旅行者に限られ、購入にあたってパスポートがチェックされること、28日間の有効期間とReference Paperの携帯・提示義務を記載しているが、500円の発行手数料はどこにも書かれていない。
外国人旅行者は、現在も、通常のPSAMOを購入できる。PASMO英語サイトには、券売機でPASMOを購入する方法が示され、短期の旅行者はBlank(無記名) PASMOを、長期滞在者はNamed (記名)PASMOを購入するようにすすめている。関東地区の鉄道事業者12社局が昨年12月25日から7月末まで限定30,000枚で発売したWelcome Kanto PASMO東京都交通局リリース)は、通常のPASMOと同様日本中で使えた。デポジットを含む2,000円で発売され、500円のデポジットは解約時に返金されれた。

PASMO PASSPORTは、通常のPASMOやWelcome Kanto PASMOよりも発売条件が劣後しており、購入するメリットがない。発行手数料を取るというのは、間違いではないだろうか。本当に手数料を取るなら、英語ページに書かないのは虚偽広告である。

追記2(9月2日):東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則が9月1日現在に更新されたが、Welcome Suicaについての条項はない。第3条の用語の定義に「Suica企画乗車券」が新設され、「旅客規則第22条の2に定める当社が特別の運送条件を定めた乗車券類に準じて取り扱う」とされているので、これに含まれるものと思われる。

PASMOの約款は、「ご指定のページが見つかりません」となっている。

追記3(9月4日):コメントいただいたように、9月2日時点でリンク切れだったPASMO取扱規則のurlが変更され、復活していた。改定前の6月1日版と比較してみたが、別表1、2の取扱事業者を含めて変更点が見つからなかった。東京メトロ東京都交通局、東急のICカード乗車券取扱規則は、更新されていない。

発売当事者が約款に外国人旅行者向けIC乗車券の条項を規定していないのに、本文で改正公告を紹介したJR東海は、IC乗車券取扱約款を更新し、46条7項にPASMO PASSPORTとWelcome Suicaについてレファレンスペーパー携帯・提示義務を記載した。またJR西日本IC乗車券取扱約款も、9月1日改正に更新され、43条6項に同様の条項が挿入されている。JR北海道JR九州ICカード乗車券取扱規則は改定されていない。

 

第9回全国のJR駅五番勝負(開催プレノーティス)

第9回全国のJR駅五番勝負は、9月20日(金)21時から9月23日(月・祝)21時まで開催します。落書き帳の第52回全国の市十番勝負が9月2日から16日まで開催されることがアナウンスされたので、その終了後にします。十番勝負の参加者の方には連続開催となりますが、よろしくお願いします。

開催までまだ1ヶ月以上ありますが、これまで月の前半に開催してきましたので、早めに通知することにしました。最終日が祝日なので、最後まで取り組み、多くの方が完答されることを期待しています。

続・モノクラス制移行半世紀

5月10日の記事モノクラス制半世紀に、「国鉄がモノクラス制に移行したのは運賃法定制の制約を逃れるため」というコメントがあった。現在発売中の「鉄道ファン」9月号の特集は「グリーン車50年」で、須田寛氏のインタビュー記事が掲載されている。須田氏は1969年当時国鉄旅客局調査役*1で、このコメントを裏付ける証言をしている。

当時は一等運賃と二等運賃が両方とも法律で決まっていました。一等運賃は二等の1.66倍、通行税を入れて2倍と決まっていたのです。この一等運賃を法律から外して設備利用料金にすることによって、それは認可制になりますから、線区によって料金を変えることができるわけでしょう。そういう弾力的に運用することも考えてモノクラス制に移行したのです。

鉄道ファン記事の聞き手は福原俊一氏。同じコンビの「須田寛の鉄道ばなし」(JTBパブリッシング、2012年)を読み返すと、須田氏は同じ話をしていた(p83-84)。この箇所が頭に残っておらず、前記事には「日本国有鉄道百年史」に記載されていた「設備格差の縮小、利用実態の変化等を考慮して、1本立ての制度に改めたという」という国鉄の公式見解を記した。国鉄の正史である「百年史」の刊行が開始されたのは1972年。国鉄時代に法定運賃の緩和策などという、あからさまな表現はしなかったということか。

須田氏は、鉄道ファンの記事で、モノクラス制移行の前段階として、昭和30年代初めに国鉄が外部の有識者により設置した鉄道運賃制度調査会について話している。調査会は次のような答申を出したたとのこと。

  • 遠距離逓減制から距離比例制へ
  • 三等級制から二等級制またはモノクラス制へ
  • 近距離の特急急行料金の弾力運用
  • 運賃を法律で規定するのはなじまない
  • 定期券割引率の低下
その結果、1960年7月の運賃の二等級制への移行と合わせて、遠距離逓減運賃が4段階から2段階となり*2、また料金については、法定から大臣による認可制となった。

ところで、線区別のグリーン料金の弾力的運用について須田氏は、

総武快速横須賀線が直通するとき、横須賀線グリーン車総武線にそのまま入っても乗ってもらえないだろうと言われました。実際に当初は乗車率がよくなかったので、総武線だけ安いグリーン料金を作ったりしましたが、そのうち多くのお客さまに乗ってもらえるようになりました。

と述べている。記事には「快速のグリーン料金が大巾に割引になりました」という総武快速データイムグリーンきっぷの案内チラシの画像が掲載されている。画像は小さくて読み取りにくいが、

  • 10時以降快速電車のグリーン車を往復ともご利用になる場合に発売します。
  • 発駅*3~品川駅において快速電車のグリーン車に乗車できます。
  • 途中下車しない場合は後続のグリーン車に乗車できます。
  • 発売当日のみ有効です。
  • 途中下車はできません。

が発売条件のようだ。後続のグリーン車乗車は、グリーン券は1列車に有効という原則に反している。しかし、1枚のグリーン券による首都圏の普通列車間のラッチ内乗継は、2004年に基準規程101条の2に規定される以前から、ローカルルールとして認められていた。

データイムグリーンきっぷをウェブで検索しても「データイムグリーン料金回数券」ばかりで、ヒットしない。一つだけ見つけたのが、Google Booksの総武線120年の軌跡の次の箇所。

横須賀線では特にラッシュ時など立ち客も出るほどの乗車率のグリーン車であるが、これが総武線に直通した場合に乗客がつくのか心配された。当初こそデータイムグリーン券などの割引きっぷで乗客増が図られたが、次第に乗客も増え、この懸念は払しょくされた。

この「データイムグリーン券」が「データイムグリーンきっぷ」のことだろう。「当初」というから、1980年10月の横須賀線直通開始時点から発売されていたようだ。

追記(8月11日):コメントにあったように「データイムグリーンきっぷ」は、あまり知られていなかったようだ。筆者も「鉄道ファン」の記事で初めて知った。須田氏は「須田寛の鉄道ばなし」でも、「総武線だけ安いグリーン料金を作った」と同じことを言っているが、「データイムグリーンきっぷ」については書かれていない。

筆者は、これが「データイムグリーン料金回数券」の前身だったのではないかと思う。しかし、「グリーン回数券」がいつから発売されたのかもはっきりしない。Wikipediaには、「2004年10月15日限りで廃止」とあるだけで、発売開始日については書かれていない。

2004年10月16日は、湘南新宿ラインの全列車にグリーン車を連結し、南北直通運転を開始した日である。「グリーン回数券」使用範囲の拡大の前に廃止されたことになる。最低運賃による近郊区間大回り乗車でこれを使ってみようと考えていた*4が、実行しないうちに廃止されてしまった。

またこの日は、首都圏の普通列車グリーン車のラッチ内乗継が旅規58条3項と基準規程101条の2に規定された日でもある。

追記2(8月12日):8月11日のコメントについて追記する。

総武快速データイムグリーンきっぷ」が料金券なのか、乗車券一体型なのかは、筆者も気になっていた。鉄道ファン掲載のチラシに料金欄があるが、字が小さくて読み取れない。これが解読できれば、どちらかわかる。

コメントに書かれている「グリーン回数券」は、旅規に規定されていた「特別車両普通回数乗車券」のことだろう。従来の一等回数券の代替として、乗車券と特別車両券とを1券片として発売したもので、1969年7月1日旅規に規定され、これも2004年10月16日削除された。旅規規定の「特別車両普通回数乗車券」があったから、特別企画乗車券である「データイムグリーン料金回数券」は、「料金」を挿入し、料金券であることを示したと思われる。

なお、昨日の追記で「データイムグリーン料金回数券」を「グリーン回数券」と略記したために、誤解を生じたかもしれない。昨日書いたのは、あくまでも「データイムグリーン料金回数券」のことである。

*1:その後国鉄旅客局長、JR東海社長・会長などを歴任、現在はJR東海相談役

*2:その後1979年5月、現行の3段階となる

*3:発売駅は千葉、稲毛、津田沼船橋

*4:その後ホリデーグリーン券で実行した。2013年12月16 日記事参照。