JTB時刻表の索引地図に貨物線追加

JTB時刻表12月号の索引地図に、旅客列車が走る貨物線が追加された。他の旅客線と区別するために、太線ではなく、二重線で表示されている。追加された区間は次のとおり。

路線 区間 定期列車 備考
東海道本線(羽沢貨物線) 鶴見−東戸塚 湘南ライナー」など JR東日本の1種区間
山手線 旧蛇窪(信)−大崎 湘南新宿ラインなど 短絡線(営業キロなし)
山手線 駒込−田端(信) 湘南新宿ラインなど 短絡線(営業キロなし)
武蔵野線 鶴見−府中本町 なし JR東日本の1種区間
武蔵野線 新小平−国立 「むさしの」 JR貨物の2種区間
武蔵野線 西浦和−与野 「むさしの」 JR東日本の1種区間
武蔵野線 別所(信)−武蔵浦和 「しもうさ」 短絡線(営業キロなし)
武蔵野線 南流山北小金 なし JR貨物の2種区間
東海道本線(梅田貨物線) 新大阪−福島 「はるか」など JR貨物の2種区間

JTBのプレスリリースでは

今回「武蔵野貨物線」など、これまで記載していなかった旅客列車が走る貨物線(※)を追加し、さらに使いやすさがアップ。貨物線を走る〔湘南ライナー〕など、本文のページで一部「他線経由(||)」のマークを使用している「フシギ」も、索引地図を参照することでスッキリ。車窓からのぞく風景もまた面白く感じることができるようになります。
※運賃計算に使用しない路線は一般の路線とは区別します。

としている。二重線は、運賃計算に使用しない路線を区別するためのものだった。
羽沢貨物線は、2019年度に開業する相鉄・JR直通線が羽沢横浜国大駅から乗り入れるので、その準備の意味もあるのかもしれない。なお、JR時刻表には以前から梅田貨物線が記載されていた(2017年6月1日の記事のコメント参照)。
2014年8月6日の記事で議論した、湘南新宿ラインの旧蛇窪信号場・大崎間と駒込・田端信号場間も記載された。営業キロ問題を回避するため「運賃計算に使用しない路線」としたわけだ。本四備讃線宇多津駅を経由しない短絡線は記載されなかった。

クイズホームページ更新

第6回全国のJR駅五番勝負は、12月7日21時から72時間開催する。それに先立ち、クイズのページを更新した。
JRの駅五番勝負・難易度分析(問題別回別)を掲載し、第5回までの全25問の銅メダル確定までの所要時間と誤答率による問題別難易度とこれを開催回ごとに集計した回別難易度を示した。所要時間と誤答率を偏差値化し、二つの偏差値を単純平均した数値を総合難易度としている。なお、誤答率の計算には、問題の難易度と関係しない「問題駅」、「既答駅」及び「非JR駅」の誤答を含めていない。
25問中の最難問は、第5回問五(国鉄最末期の連絡運輸航路接続駅)だった。誤答率が56.5%と、唯一50%を超えたのが大きい。銅メダル所要時間がヒント提示の24時間を超えたのが25問中7問あった。回別でも第5回が最難回だった。第6回はこれよりも難易度を下げようと思うが、下げすぎると上級解答者のメダルラッシュが起きてしまう。
全国のJR駅リストを更新し、JR九州が9月30日から北部九州エリアに導入した駅ナンバリングを追加した。また全駅のローマ字表記を記載した。各社のウェブ掲載の路線図に記載されている表記*1に基づいている。全駅の路線図が掲載されていないJR東日本JR東海(及びJR四国JR九州の臨時駅)については、ウェブに掲載されている駅名標の写真とwikipediaの記載で補った。なお、各社のローマ字表記の揺らぎについては、別記事で書く。
「下総」のローマ字表記は、[Shimōsa]だった。第1回終了時のコメントで下総神崎の駅名標は[Shimōsa-Kōzaki]であると、指摘を受けたとおりであった。「しもうさ」はもともと「しもふさ」で、[f]が取れたのだから[Shimousa]とばかり思っていた。圏央道の下総インターチェンジ名は「しもふさ」で、いまも残っている。発音も「シモウサ」で「シモーサ」ではないだろう。
しかしマクロンを用いる下総のローマ字表記は、国鉄時代からのものだった。日本国有鉄道発行の「停車場一覧」(昭和41(1966)年3月1日現在)では、[SHIMŌSA]となっていた。驚くべきことに、「日本国有鉄道百年史」第6巻に記載されている昭和5(1930)年3月31日現在の「停車場一覧」でも、かな表記は「しもふさ」なのに、ローマ字では[Shimōsa]であった。
追記(11月19日):圏央道下総インターチェンジ画像をみつけた。やはり[Shimofusa]である。
追記2(11月21日):JR東海全駅のローマ字付き路線図を掲載していた。これに基づき全国のJR駅リストを更新し、駅名標の画像で混在していたハイフン後の文字をすべて大文字に統一した。

*1:JR西日本の英語ページの全線路線図は長音記号(マクロン)を使用していないが、地域版ではマクロンを使用しており、これに従った

中央本線特急の自由席廃止

JR東日本は、10月30日付リリースで、2019年春から中央線の特急の自由席を廃止すると発表した。新型車両(E353系)への統一を機に、千葉・東京・新宿〜甲府・松本・南小谷間を運転する特急「あずさ」・「かいじ」などの普通車全車両に、「座席未指定券」*1を導入する。特急料金は、通常期、繁忙期、閑散期の区分を廃止、事前料金と車内料金に格差をつける。いずれも常磐線の「ひたち」・「ときわ」で実施しているものと同じ。
新体系の特急料金は常磐線の特急料金と同額で、現行料金と比較すると次のとおり。

営業キロ-50-100-150-200-300-400
新料金事前料金7501,0001,5502,2002,5002,850
車内料金1,0101,2601,8102,4602,7603,110
現行料金通常期指定席A料金1,2701,7002,3502,6802,9003,110
通常期指定席B料金1,0301,4501,8602,250
自由席A料金7501,1801,8302,1602,3802,590
自由席B料金5109301,3401,730

B料金は竜王まで。中長距離区間では値下げだが、近距離区間で自由席を利用していたユーザーにとっては値上げとなる。とくに同時に発表された「あずさ回数券」の発売終了*2の影響が大きい。新宿・松本間の「あずさ回数券」の1回あたりの運賃・料金は4,630円だが、新料金体系では運賃込みで6,500円、40%の大幅な値上げとなる。「えきねっとチケットレスサービス」が利用できるというが、100円の割引にとどまり、焼け石に水

  • 中央線特急の「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」については、新たな料金設定にあわせて、新価格で発売します。
  • 早めのお申込みでさらにおトクになる「お先にトクだ値(乗車券つき)」を新たに発売します。

とのことだが、価格は発表されていない。毎日新聞は、

来春からはインターネットによる新たな割引サービスも始める。乗車13日前までに予約をすれば料金は3割安となり、あずさ回数券よりも安くなる。

と書いているが、本当だろうか。他紙*3には出ていない。
2014年11月3日の記事で「ひたち」・「ときわ」の新特急料金体系について書いたが、コメント欄に常磐線ユーザーからのクレーム投稿が相次いだ。中央本線ユーザーの反応はどうだろうか。

*1:旅規の用語では、第3条第9号の2で定義する「未指定特急券

*2:これも常磐線の「座席未指定券」導入時に各種とくとくきっぷが廃止されたのと同じ措置

*3:日経信濃毎日新聞など

富山地方鉄道の旅規

富山地方鉄道鉄道線旅客営業規則軌道線旅客営業規則をウェブに掲載していた。平成30年2月1日改正とあり、今春に掲載されたものと思われる。
富山地方鉄道には、稲荷町〜寺田〜岩峅寺稲荷町環状線区間がある。パスネットの不思議の付表環状線の旅規規定で、以前知人が閲覧してくれた環状線区間の運賃計算規定を紹介している。当時の33条、72条、73条が32条、70条、71条と条番号が変わっているが、条文は当時のままである。これに基づき「パスネットの不思議」及び「環状線の旅規規定」の参照条項を更新した*1
環状線の規定では、定期乗車券による選択乗車の規定が69条にある。

(選択乗車)
第69条 電鉄富山稲荷町不二越の各駅と岩峅寺・横江・千垣・有峰口・本宮・立山の各駅との相互間を発着とする定期乗車券を所持する旅客は、乗車券券面に表示される経路にかかわらず選択乗車することができる。但し、乗車券券面に表示された経路外での途中下車はできない。

舌足らずだが、不二越からも稲荷町・寺田経由で乗車できるということだろう。また、この条の細則として、

軌道線定期乗車券(鉄道軌道連絡定期乗車券を含む)を所持する旅客は、不二越電鉄富山〜南富山間を乗車及び途中下車することができる。

と規定されている。各条に、細則の条文を付記しているのは、親切である。
両規則の第15条「鉄道と軌道の連絡割引定期乗車券の発売」、第16条「鉄軌道と自動車共通定期乗車券の発売」も興味深い。後者は、2016年9月21日の記事で紹介した広島電鉄の「どっちもパス」と同様のサービスで、不二越・上滝線の4区間の定期券で平行する軌道とバスに乗車できる。その定期運賃は第47条に

旅客の乗車する共通乗車区間に対する鉄道または鉄軌道区間の定期旅客運賃と自動車区間の定期旅客運賃とを比較して、高額となる定期旅客運賃を適用する。

と規定されている。
旅規掲載にともない、旅規ポータルのリンク集を更新し、両規則を追加した。4月時点で大阪市例規集に残っていた交通局関連の規程類がその後削除されており、リンクを削除した。またデッドリンクとなっていた大阪高速電気軌道の旅規のURLを変更した。大阪市例規集にあった連絡運輸規程、振替輸送取扱規程等は、大阪メトロに記載されておらず、読めなくなった。

*1:あわせて、大阪市交通局の高速電車乗車料条例施行規程を大阪市高速電気軌道の旅規に変更した

東急も有料座席指定サービス

東急は、10月23日付リリースで、12月14日から、大井町線田園都市線に有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始すると発表した。大井町線6020系7両編成のうち1両を、ロングシートクロスシート転換車両に置き換え、大井町長津田間の急行として、平日夜下りのみ5本運行する。「列車指定券」は400円(たまプラーザ・長津田間の乗車は料金不要)。発売はインターネット(要会員登録)と駅窓口で、車内では発売しない。
東急は、S-TRAIN運行開始時に、旅規に「座席指定券」を規定した。S-TRAIN東急線内の座席指定料金は、350円である。いずれ旅規が改定されれば判明するだろうが、「列車指定券」の意味と、料金の差別化が気になる。

JR西日本新快速の有料座席サービス

JR西日本は、10月24日の社長定例会見で、2019年春から新快速に有料座席サービス、『新快速「Aシート」』を導入すると発表した。概要は次のとおり。

  • 「各座席へのコンセント」設置、「無料Wi-Fi」提供、「荷物スペース」設置
  • 料金は1回500円、交通系ICカードまたは現金で乗務員が車内で発売、座席は指定しない
  • JR神戸線JR京都線琵琶湖線に1日上下4本運転(12両化された新快速の9号車に組み込む)

約款上の位置づけは不明だが、旅規の規定による特別車両券(グリーン券)ではないだろう。JR北海道の「uシート」と異なり、事前発売せず、座席も指定しないので、座席指定券でもない。旅規規定外のサービスとして単行規程が制定されるのだろう。普通列車グリーン車は、特急列車の末端が普通列車となるものを除くと、首都圏以外では岡山・高松間のマリンライナーだけ。一方、旅規には「コンパートメント券」のような、実体のない規定が残っている。
車内だけで発売するのは、JR東日本が進めている事前購入料金と車内購入料金の差別化と逆。乗車後空席がある場合に利用できるのは、ありがたい。米原・姫路間(198.4km)で500円は、東日本の事前購入平日グリーン料金980円の半額。青春18きっぷと併用できれば、シーズン中は満席になるだろう。

JR九州が駅ナンバリング

これも旧聞に属するが、JR九州が9月30日から、北部九州エリアの157駅(2019年開業の筑肥線糸島高校前を含む)に駅ナンバリングを導入した。博多駅を00とし、運転系統別にJで始まるローマ字2字と数字2桁の駅番号を附番する。鹿児島本線は、博多以東(山陽本線を含む)をJA、以南をJBで附番。福北ゆたか線として、篠栗線吉塚から筑豊本線折尾までJCが振られ、筑豊本線は、若松線原田線とともに運転系統別に3分割される。
これでJR6社のすべてに駅ナンバリングが導入された。

会社 導入時期 導入範囲 駅数 複数附番 備考
JR四国 2006/03 全路線(臨時駅を除く) 258 あり(13駅が2個) 新駅に枝番号
JR北海道 2007/10 主要路線 331*1 なし  
JR東日本 2016/10 電車特定区間、東千葉・成田空港間、大糸線*2 319 あり(最多は東京、7個)  
JR東海 2018/03 主要路線 176 あり(最多は名古屋、3個)  
JR西日本 2018/03 近畿エリアの主要路線 266 あり(最多は京都、4個)  
JR九州 2018/09 北部九州エリアの主要路線 157 あり(最多は小倉、4個)  

JR四国の駅番号は阿佐海岸鉄道および土佐くろしお鉄道に、JR東日本埼京線りんかい線から、常磐線緩行は千代田線から連番となっている。これらと異なり、JR九州筑肥線は、相互乗り入れしている福岡市営地下鉄空港線と番号がつながっていない。筑肥線姪浜をJK01、空港線姪浜をK01として姪浜を境に番号が増えてゆく。これは、博多を境に鹿児島本線の番号が逆転するのと同じで、JR北海道が札幌を01として方向別に附番しているのに倣ったものだろう。JR北海道以外は、同じ駅に複数の番号を附番している。JR九州の最多は小倉で、鹿児島本線のJA28のほか、山陽本線のJA51、日豊本線のJF01、日田彦山線のJI01の4個が附番されている。

*1:導入時は350、19駅はその後廃止

*2:数字のみで、首都圏とスタイルが異なる