市区町村名と駅名(1949年)を改訂した。主として私鉄の路線名の見直し。11月29日の記事で「鉄道要覧」の前身の「私鉄要覧」が刊行されたのは、昭和45年度(1970)版からと書いたのは間違いだった。和久田康夫「私鉄史ハンドブック」によると、1947年版が最初とのこと。1947年、48年版のあとは加除式になり、1957年から年刊として刊行されたようだ。国会図書館のオンラインサービスで、1958年度版以降が閲覧できる。
1948年度版が閲覧できれば1949年6月1日時点の路線名がわかるが、それから10年後の1958年度版にもまだかなりの地方私鉄が残っており、これにもとづいて路線名を見直した。電車線としていた山梨交通は3路線に分かれており、記載駅はすべて西部線にあった。仙北鉄道など路線名が記載されていない路線はカッコ表示にした。
また各年度版でその後の変遷を調べた。表に記載されている路線について、その後の変化を記す。変更時期は「私鉄(民鉄)要覧」で変更があった前年度とした。
- 秩父鉄道:線名なし→1982年度本線→1988年度秩父本線
- 東武:東上線→1971年度東上本線
- 京成:上野線→1981年度本線
- 相鉄:厚木線→1970年度相鉄線→1975年度本線→2022年度相鉄本線
- 静岡鉄道:静岡線→1978年度静岡清水線
- 大井川鉄道:線名なし→1958年度大井川本線
- 遠州鉄道:二俣線→1964-65年度鉄道線
- 三岐鉄道:線名なし→1980年度三岐線
- 近江鉄道:近江線→1983年度本線
- 近鉄:神戸線→1962年度鈴鹿線
- 京阪:京阪線→1985年度京阪本線
- 阪急:京都本線・宝塚本線→1972年度京都線・宝塚線
- 山陽電気鉄道:線名なし→1983年度本線
- 神戸電鉄:三木線→1961年度粟生線
- 一畑電鉄:一畑本線→1960年度北松江線
- 熊本電鉄:線名なし→1986-87年度菊池線
表に記載のない路線を含め「本線」関連が大半を占める。京急本線は湘南線が1962年度に改称したもの。阪急神戸本線は、京都本線・宝塚本線と同じ1972年度。この改称時に京都線の大阪側ターミナルが、天神橋筋六丁目から十三に変更になった。十三・淡路間が十三線から京都線に、天神橋筋六丁目・淡路間が京都本線から千里線(旧千里山線が改称)に編入された。
なお、国会図書館のオンラインサービスは利用者登録が必要。オンラインで閲覧できるのは昭和52年度版まで。ただし、昭和35年度版が2冊あり、どちらも昭和36年3月1日現在となっているので、正しくは昭和36年度版。昭和35年度版は掲載されていない。また昭和40年度版もない。昭和53年度版以降は国会図書館の端末または紙の本で閲覧可能だが、昭和62年度版はない。