山形・秋田「新幹線」の特急料金改定

JR東日本仙台・秋田支社連名のプレスリリースで、来年3月のJR旅規改正につながる新たな制度変更が発表された。新在直通区間の指定席特急料金は、新幹線と在来線の区間の座席指定料金相当額(在来線区間はA特急料金の3割引き)を合算していたが、新幹線区間の料金のみとする。注意すべきは新幹線と在来線の特急料金を一本化するのではなく、新幹線と在来線の特急料金はこれまでどおり、営業キロを通算せず個別に計算し合算するが、在来線区間の座席指定料金相当額を差し引くというもの。とりあえず同じ列車を利用しているのに座席指定料金を二重取りされていた矛盾は解消した。

普通車指定席特急料金が値下げとなる一方で、山形「新幹線」の自由席が廃止され、東京・山形間の自由席特急料金は、810円の値上げとなる。なお、在来線区間では特定特急料金(通常期▲530円)で普通車指定席の空席が利用できるのは秋田「新幹線」と同じ。

グリーン車利用の料金は、特急料金の指定席料金相当分(直通の場合、通常期910円=新幹線530円+在来線380円)を減額し、新在の営業キロを通算したグリーン料金を加算している。指定席料金分の減額幅が縮小されて値上げとなるようだが、これは新たな矛盾ではないか。

リリースには、もう一つ注目すべき箇所が。

東北新幹線郡山・福島間の特定特急料金について
郡山・福島間(山形新幹線で米沢以遠にまたがる場合も含みます。)については、普通車指定席をご利用の場合でも座席指定料金相当額を合算した特定特急料金(通常期の場合1,410 円)を適用することとします。

郡山・福島間は、新幹線隣接駅間の特定特急料金880円で自由席が利用できるが、これに座席指定料金相当額530円を加えた1,410円で指定席を利用できるというもの(現行の指定席特急料金2,400円から990円減額)。郡山・山形間などの旅客に対し自由席廃止に伴う激変緩和措置だろう。秋田「新幹線」はもともと自由席がなかったから、新花巻(北上)・盛岡間には設定されないのだろうか。

追記(11月23日):コメント頂いた郡山・福島間の指定席特定特急料金の件だが、時刻表に記載されている現行の郡山と山形「新幹線」各駅相互間の自由席特急料金を指定席特急料金から1,900円引きにしている特例からの値上げを最小限にするためではないか。郡山・山形間の現行特急料金と来年3月以降の特急料金を比較すると、
現行指定席:3,630円
現行自由席:1,730円(3,630円-1,900円)
来年指定席:2,540円(郡山・福島間1,410円+福島・山形間1,130円)
一方、北上(新花巻)・秋田「新幹線」各駅相互間の立席特急料金も指定席特急料金から2,000円引きだが、これは来年以降も変わらないだろうから、北上(新花巻)・盛岡間に指定席特定特急料金を設定する必要はないのだろう。
ところで、この1,900円引き、2,000円引きは、旅規に根拠条文が見当たらない。JR東日本きっぷあれこれにも記載されていない。