8月15日に
本文には「運賃」と正しく書かれているのに、見出しの「料金」は気になる。
と書いた。
JRでは、「旅客運賃」とは普通列車一般車両の自由席に乗車して旅行するための対価をいい、急行列車や特別車両などを利用するために支払う「料金」と区別されている。
現在全国に12の鉄道・軌道系公営交通事業者があるが、そこでは「運賃」のかわりに「料金」を使うケースが少なくない。11事業者のウェブページで、運賃(料金)条例に当たり、どちらが使われているか調べてみた。
- 札幌市:料金(札幌市電車乗車料金条例、札幌市高速電車乗車料金条例)
- 函館市:料金(函館市電車乗車料金条例)
- 仙台市:運賃(仙台市高速鉄道運賃条例)
- 東京都:運賃(東京都電車条例、東京都地下高速電車条例、東京都懸垂電車条例)
- 横浜市:運賃(横浜市高速鉄道運賃条例)
- 名古屋市 :料金(名古屋市高速電車乗車料条例)
- 京都市:運賃(京都市高速鉄道旅客運賃条例)
- 大阪市:料金(高速鉄道及び中量軌道乗車料条例)
- 神戸市:料金(神戸市高速鉄道乗車料条例)
- 福岡市:料金(福岡市高速鉄道乗車料金等条例)
- 熊本市:運賃(熊本市軌道条例)
- 鹿児島市 :料金(鹿児島市電車乗車料条例)
と5:7で料金のほうが優勢である。同じ「料金」を用いているのに条例名に「乗車料条例」と「乗車料金条例」の2種類がある。また、これらの12事業者のうち、札幌市、函館市、福岡市を除く9事業者がバス事業も行っているが、8事業者が乗合自動車事業についても鉄・軌道事業と同じ用語を使用しているのに、横浜市だけは、「横浜市乗合自動車乗車料条例」で地下鉄の「運賃」と異なる「料金」を使用している。
かつて、関西の私鉄も「料金」を使っていたと思う。ところが、関西の大手私鉄五社のウェブの運賃検索ページを調べてみたら、すべて「運賃」となっていた。