首都圏私鉄の運賃改定

昨日首都圏の私鉄が一斉に消費税増税後の運賃改定申請をリリースした。東武鉄道西武鉄道京成電鉄京王電鉄小田急電鉄東急電鉄京浜急行電鉄相模鉄道東京地下鉄の大手9社と東京臨海高速鉄道首都圏新都市鉄道千葉都市モノレール東京モノレールゆりかもめICカード乗車券で1円単位の運賃を導入する。関東鉄道埼玉高速鉄道横浜高速鉄道横浜シーサイドラインは、ICカード乗車券運賃も10円単位。東京都交通局横浜市交通局北総鉄道などはまだ発表していない。
ICカード乗車券で1円単位の運賃を導入する各社は、ゆりかもめを除き、JR東日本電車特定区間などと同様現金運賃を10円単位に切り上げ、ICカード乗車券の運賃はつねに現金運賃を上回らない)。切り上げによる増収分は、定期券運賃の値上げ幅を抑えることによって調整するのも各社共通。運賃差は最大となる京王、東急の初乗り運賃でもわずか5.4%で回数券の割引率にはとうてい及ばない。
JRの電車特定区間以外でICカード運賃のほうが高くなるケースも数円の差なので、多くの乗客は利便性を選択し、ICカードを使い続けるだろう。しかしICカードの利用は乗客の選択にゆだねるべきである。京急は、「ICカード専用」自動改札機を12月より順次拡大しますとリリースした。各社ともコストの安いICカード専用改札機に転換したいところだろう。しかし、これ以上専用改札機を増やす前に、11月29日の記事で指摘した、現金運賃が大幅に安くなる問題を解決してほしい。回数券のICカードへの取り込みとJRの分割購入問題の解消が必須である。

追記(12月25日):頂いたコメントのとおり新京成電鉄北総鉄道東葉高速鉄道のサイトに運賃変更認可申請が掲載されていた。各社のICカード乗車券運賃は1円単位で、つねに現金運賃以下となる。北総鉄道は、上限運賃と実施予定運賃の二本立てで、実施予定運賃は、現在沿線自治体の補助金を受け値下げしている運賃の変更案である。10月26日の記事で書いたように、「北総線運賃問題対策協議会」がシンクタンクに委託した調査報告書で「補助金なしで値下げ可能」としたのに対し、北総鉄道は「現行運賃水準の維持には補助金の継続が必要」と反論している。北総のリリースでは、

実施予定運賃は、上限運賃変更認可を受けて設定・届出を行う予定のものです。

と、補助金との関連に言及していない。
伊豆急行は、JR東日本電車特定区間外と同様、現金運賃は四捨五入で10円単位とし、ICカード乗車券運賃が高くなるキロ帯が存在する。
東京都交通局は24日、ICカード乗車券がつねに現金運賃以下となる1円単位運賃を発表した。都電荒川線と都営バスは2014年4月1日、都営地下鉄日暮里・舎人ライナーは6月1日の二段階実施である。