官報に記載された旧国鉄の公示

ウェブページを持っていると読者の方から、間違いの指摘や情報提供を受ける。JR旅客営業制度の変遷の読者から、官報情報検索サービスで旧国鉄の営業規則が閲覧できるのではないかとの情報をいただいた。上記のページの情報を得るのに、何度も交通博物館の図書室に通い、営業規則の条文をノートに書き写したから、ダウンロードできるというのもありがたい。

虎ノ門国立印刷局にある官報案内所において、この官報情報検索サービスを無料で試すことができるというので、早速行ってみた。「日本国有鉄道」と「旅客及び荷物運送規則」で検索すると、多くの記事がヒットした(試用版でダウンロードはできず、以下の引用も書き写したもの)。ところが、

日本国有鉄道公示第百十号

旅客及び荷物運送規則を次のように定める。

昭和二十五年五月二十六日

旅客及び荷物運送規則

(本文省略。但し、昭和二十五年五月二十六日鉄道公報参照)

附則
(施行期日)
第二百九十一條 この公示は、昭和二十五年六月一日から施行する。
(廃止の規定)
第二百九十二條 旅客及び荷物運送規則(昭和二十四年六月日本国有鉄道公示第十六号)は、廃止する。
(経過規定)
第二百九十三條 この公示の施行前に契約した旅客及び荷物の運送並びにこれに附帯する業務については、従前の例による。
第二百九十四條 乗車券・急行券・寝台券・車内補充券・特殊補充券・入浴券・入場券・貨物引換証船荷証券・荷物切符・手回り品切符・再託送証明書・荷物指図切符・一時預り切符その他の旅客及び荷物の運送に関連する証票は、当分の間、第二百九十二條の規定により廃止された公示による旧様式のものを発売し、または発行することがある。

日本国有鉄道
日本国有鉄道公示第百四十七号

旅客及び荷物運送規則(昭和二十五年五月日本国有鉄道公示第第百十号)の一部を次のように改正する。

昭和二十五年七月二十日

(改正條文省略。但し、昭和二十五年七月二十日鉄道公報参照)

と、肝心の規則の中身は掲載されておらず、やはり鉄道公報にあたるしかない。

一方、路線の開業などの記事は、比較的詳細に記載されており、飯田線の線路付替に伴う昭和30年11月8日付けの公示を見つけた。

飯田線佐久間・大嵐間の線路付替に伴い、次の通り、停車場の廃止及び新設を行い、同線豊橋・辰野間の営業キロ程を改訂する。

1.停車場の廃止
  豊根口、天龍山室及び白神の各停車場は、昭和30年11月10日限り廃止する。
2.停車場の新設及び営業範囲
  昭和30年11月11日から佐久間・大嵐間に次の停車場を設置する。
  (1) 停車場名、所在地及び営業キロ
     (中略)
  (2) 営業範囲
     (中略)
3.営業キロ程の改訂
  昭和30年11月11日から飯田線豊橋・辰野間の営業キロ程を次の通り改訂する。
  (以下略)

このような情報は、JTBの「停車場変遷大事典国鉄・JR編」で知ることができるので、あまり役に立ちそうもない。