旅客取扱基準規程掲載

本日「旅規ポータル」にJR東日本旅客営業取扱基準規程を掲載した。
当方のサイトで旅客営業取扱基準規程を掲載しないかという提案が知人からあり、スキャナーとOCRソフトで作成したテキストファイルの提供を受けた。OCRソフトはかなり進歩しているが、それでも多くの誤認識があり、修正作業にお手間を取らせた。
掲載したのは日本鉄道図書が発行した2011年10月5日現行版であるが、10月1日に旅規から廃止された回数手回り品切符の条項が残っている。「旅客営業取扱基準規程改正達示控」によると、最終改定は2011年3月10日達示22号(3月12日施行)である。
基準規程は約款の旅規に対する内部規定ということになっている。1921(大正10)年最初の旅規「国有鉄道旅客及び荷物運送規則」の制定と同時に、「同取扱細則」として制定された。その後「旅客及び荷物営業取扱細則」を経て1967年4月「旅客営業取扱基準規程」となった。
たしかに第7条の「つり銭の準備」や、第5章の「乗車券類の発行方」などは、取扱方を定めた内部規定といえるが、本来約款に定めるべき旅客と事業者との権利義務関係に関する条項も基準規程に定められている。列車特定区間、特定分岐区間区間外乗車等の特例は基準規程の規定だが、ウェブの「きっぷに関するご案内」や時刻表のピンクのページに記載されている。これに対し旅規の規定である選択乗車区間は記載されていない。急行券と急行料金の規定は、旅規で定めるものと基準規程に委ねるものとが混在し、まったく統一がとれていないが、基準規程で定めたものも、同様にウェブや時刻表に記載されている。だから国鉄は内部規定といいながら、基準規程を「鉄道公報」で通達し、中央書院や日本鉄道図書が発行する市販の冊子版旅規に掲載されていたのである。
民営化後、鉄道公報に代わって公告・達示を掲載する各社の社報は非公開である。中央書院の倒産、日本鉄道図書の廃業によって、冊子版旅規の発行がとだえると、今回ウェブに掲載した「基準規程」が一般人が入手できる最終バージョンとなるかもしれない。今年になっても、1月29日と3月17日に旅規が改定されており、基準規程も変更になっていると思われる。旅規の改定はウェブで知ることができるが、基準規程の改定は中の人しかフォローできない。少なくとも約款に相当する部分は、旅規に取り入れウェブで公開してほしいものだ。
本日の更新では、JR東日本旅規改訂履歴(条項順)・(日付順)に3月17日施行の改定を追加し、JR五社旅規目次JR九州ウェブの旅規pdfファイルのURLを変更した。