3月26日以降の最長片道切符

3月26日の以降の最長片道切符のルートは、渡島大野新函館北斗)・新青森間が江差線・海峡線・津軽線経由(175.4キロ)から北海道新幹線経由(148.キロ)に変更となり、26.6キロの短縮となる。「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」では接続駅となっている奥津軽いまべつ津軽二股は別の駅だから、この駅での乗継は片道乗車券にならず、最長切符の距離を延ばすことができない。
しかし、海峡線は旅規別表1号(地方交通線)から削除されず、規則上存在する。海峡線木古内・中小国間に列車は運転されないが、旅規7条1項の「不通承知」の規定を準用して、海峡線経由の普通乗車券が発売される可能性はまったくないだろうか。もし発売されれば、券面距離は渡島大野木古内間が52.3キロから35.5キロへ、16.8キロの短縮にとどまり、新函館北斗新青森間を全線新幹線に乗車するよりも長くなる。この場合、木古内奥津軽いまべつ間の乗車券と特急券津軽二股・中小国間の乗車券を別途購入して、旅行を継続することができる。券面距離を重視する最長片道切符の旅行者にとっては、このほうが望ましいだろう。
北海道に向かうツアーのための団体列車として「カシオペア」が復活するという報道(東京新聞2月18日夕刊)があるが、「ななつ星」のように旅行商品として発売されると思われる。たとえ8人以上が同時に最長片道切符旅行を行い、最長片道切符が団体乗車券として発売されたとしても、木古内新青森間だけを「カシオペア」に乗車することはできないだろう。
昨年3月14日仙石東北ラインが書類上開業し、最長片道切符のルートに組み込まれたのに、そのルートの乗車券は列車の運転開始まで発売されなかった。今年も旅規上JR線として存在する路線の乗車券が発売されないという事態が生じる。海峡線経由の乗車券を発売しないのなら、旅規16条の5(常磐線北千住・綾瀬間相互発着となる旅客の取扱い)に倣って、「海峡線経由となる乗車券類は発売しない」旨の規定を設けるべきだろう。